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経験値は   になる  作者: 杏原 千鶴


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20/27

紅のグラス

まだやらなきゃいけない仕事があることを思い出し、

ミファタリアリルバイス王国から本件の仕事をする際に支給されている

執務室の扉を開けた


チッ










見覚えがある黒髪が見え、不快な気分になり舌が鳴る





「まだいたのか」


目の前にいた黒髪の男は何故か己の執務室ではなく、

私の執務室に居座って何か作業をしていた。

ため息が漏れそうになるが飲み込む

「おい。ベルレンズ」


「はい、なんでしょうか?」

品の良い笑みをこちらに向け私の執務室で、酒を嗜んでいる男を私は睨んだ


黒髪に沈む蒼目が

こちらのことを見るが

それは人を見る目ではない。


まるで、何かを観察する観察者

そして俺のことを何かの実験体のように


ただ こちらを観察してくる。


「なんだ、その目は」

その目線に腹が立ちモルデットを睨む



モルデットは

「いえ、なんでもございませんよ」

ただそういい、ニコリと俺に笑みを返す




「…」





面倒だ、



私の執務室で優雅に椅子に腰掛けながら

何かを飲んでいたのだろう

私の執務室の机には真新しい黄緑色の酒瓶が置かれていた


ベルレンズが立ち上がりこちらに近づく

やつの服装は先ほどまでの服とは違く

黒色がメインの軍服に変化していた


「まだ仕事中だというのに、支給服から着替える奴がどこにいるんだ。」

苛立ちもあり嫌味を込めてそう言ってしまう。


だが、ベルレンズの黒髪と深海のようは瞳にはその服装はよく合っていて

銀縁のメガネの奥からこちらを観察するようにベルレンズは見てくる

淑女達がこの姿を、一目見たら思わず黄色い悲鳴を上げるだろう

それぐらいに、似合っていた。



ベルレンズの瞳が私を捉える

私はベルレンズの方から目を逸らし


執務室の談話にある椅子に、腰掛けようとしたが

「ふふっ、コート脱がないのですか?」とベルレンズがニヤけた笑みをこちらに向けてくる。




「…チッ ハァ」

揚げ足を取られたことにまた腹が立ち

羽織っていたコートを脱ぎ乱雑に椅子の背もたれに置いた



ドサッ

畳まずに置いたからか

コートは音をたて朱色のカーペットに落ちた


「乱暴ですねぇ」とあいつはくすくす笑っていたが

聞こえないふりをする

はぁ


「貴様がいるのは今は、私の執務室だ、文句があるならでていけ」

と言おうと思ったが、関わるのさえ面倒だったので口を閉ざし、

落としたコートを拾い椅子に掛け直した。


_______________







執務室で今日あった出来事を書類に記録している最中



コポコポコポ



何かが注がれる音が聞こえ、反射的に顔を上げた。


「モルデット…… 貴様何をやってる。」


私は書類から目を離しその行動に眉を顰めた


「シャルロックさんにもこれを味わっていただきたくて、これ飲みませんか?」


ベルレンズは、はにかみ。

椅子から立ち上がり、ワインの銘柄をこちらに見せてきた

ランダルク・イハノルウィス帝国産 ブラックワイン そうラベルには書かれていて

私の前に繊細なガラスのグラスが置かれた


「要らん、」



もう一つの中にはもうブラックワインが注がれていたため

私は注がれていない方のグラスをモルデットの方へ戻し 

酒の誘いを断った


「それにまだ22時だ、俺もお前もまだ業務の最中ではないのか?」


俺が確認するようにベルレンズを見ても

ベルレンズはまたもう一つグラスを置き

ランダルク・イハノルウィス帝国産のブラックワインを注ぐ



コポコポコポコポン



グラスが透明から黒に染まっていく

ブラックワインはグラス並々まで注がれた


「おい、ベルレンズ 私は注がれても飲まないぞ。」

そう少し語気を強め、意味のわからない行動をしているベルレンズを睨んだ



「まぁ、一口でも飲んでいただけませんか?」

ベルレンズの青い目がこちらに懇願するようにみてくる



「いらん」

再度断る






「そうですか」


ベルレンズの青瞳が悲しげに細められる


「残念ですよ」































私はグラスを彼の前に置いた



「本当に」





















やはりあなたは賢い

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