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経験値は   になる  作者: 杏原 千鶴


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12/12

開いた玄関と 雪・雪・雪

父さんは、僕たちを叱った後

僕たちと玄関を交互に見て すぐ気がついた

「開かねぇのか」

父さんの動きは早かった

「ラルシ サナラ」

僕とサナラは父さんに服の首根っこを掴まれて僕たちを玄関から引き剥がした

「よいしょっ!」

と父さんは力んで精一杯玄関扉を押した

ギッ ギギギッ


だが玄関と廊下にある石が軋む音が鳴るだけで肝心の玄関は開かない

「ふーっ」

深呼吸する音が聞こえて

僕は顔を上げた

父さんは扉を押しながら力を精一杯込めているからか額から汗が滴り地面に落ちる


「固ってぇなぁ」

父さんは少し苛立ったように玄関扉を蹴った

だが扉はゴンっと音を立てるだけで動かない

頭を掻きながら父さんの独り言が聞こえた

「奥に雪降り積もって固まってんだろうなぁ」

父さんは僕たちの方に振り返り、手を振った

「もう一度やってみるから二人とももう少しさがれ 危ねぇから」

僕とサナラは父さんの指示に従い後ろに下がった

「ふーっ」

また深呼吸が聞こえたと思ったら

次の瞬間、父さんの手が勢いよく玄関扉に当たった。

ドン

その音が聞こえたと同時に僕とサナラは反射的に父さんの背中から一歩後ろに下がった

衝撃音と共に扉がまた軋む

音は鳴っているが、軋むだけで玄関は開かない

「チッ いい加減開けよ」

父さんは苛立ちながらも玄関扉を押し続ける

だがゴンっと何かにぶつかる異音が聞こえたら



玄関は僕の腕一本ほどが入れられる幅で完全に動かなくなった

「ああ、クソッタレ」

父さんの舌打ちと苛立ちの混じった声がまた聞こえ僕は恐る恐る父さんを見た

やはり父さんの額に青筋が浮かんでいた


「はぁ、くそ、嫌になるなぁ、」

父さんは開かない扉に嫌気がさしたのか扉の前にしゃがみこみ開いた隙間に手を突っ込んだ

「と、父さん?」

僕は心配になり後ろから父さんの手元を覗こうとするが

ゴン ゴロゴロ ドシャ


玄関で固まっていた雪の塊が父さんが押したことで転がって外で壊れた音だけが聞こえた


「やっぱ、玄関先で固まってやがったか」

と父さんはしゃがんでいた体勢から立ち上がり手についた雪を払い落としてた


「うっし、もう一度やってみる危ねえから下がってろ。」

父さんはさっきより少し楽そうに玄関を押した


バンっ!!!

玄関は大きな音を立てながら開いた


扉が開く音に、ビビりな僕ら兄妹は肩を跳ねさせた


玄関が開いた途端

ボトボトと家の屋根に降り積もっていた雪が地面に落ちてきた

父さんは落ちてきた雪を見て

「おー 」とあまり興味がなさそうだったが、

サナラは「わー!」

と言いながら目をキラキラ輝かせていた


扉を開け終えた父さんは大きなあくびをしながら、家に戻った。

サナラは立ち去ろうとする父さんの背中を見て

「父さん!ありがと!」

嬉しそうな笑顔で父さんに手を振って、慌てたように外に出て

真っ先に雪を触りに行った

子供って不思議だなぁ、サナラとは年は5つほどしか離れていないが、

今の僕は雪には触りたくない、なんでかというと、、

寒いからだ、

寒い中でも、サナラは楽しそうに雪を触って

丸めたり星の形にしたり小さな雪だるまを作ってそれを僕のそばに見せてくれて

「にいちゃん!一緒に雪だるま作ろうよ!」

サナラは僕の手を引いて玄関から出たはいいものも家の敷地内から出ない

僕を外に出そうとする、サナラの手は雪で冷え切っていてその手で握られてしまうと僕は凍ってしまうんじゃないかと思うほど寒くて

僕の腕には鳥肌が立った。

僕の手を掴まないでくれ!そう言いいたかったけど飲み込んだ


「わかった、わかったから!少し待ってて!」

僕はサナラに急かされるまま家から出た


家から出た途端肌寒い風が僕の体を包み込んだ

子供は風神様の加護を受けているから寒い日は

特に丈夫だと言われているが……


僕は寒がりなんだ!



その言葉を目の前で雪の中にすっぽりと体を埋まっている我が妹に言えたら


よかったのになぁ


サナラ寒くないのかな…

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