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1話

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 崖から飛び降りたけど、やっぱり8月1日に進むことはなかった。


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 4月4日、早朝。

 寝ている俺の腹を、妹が「いえーい朝だぜい!」とテンション高めに踏んづけて、俺はうめきながら起床する。少し早めに起きて、お転婆妹の天然暴虐ぶりを回避することを100回目くらいまではしていた。だけど、331回目の今は回避するのをやめた。わざわざ早起きするのが面倒になったので、5分でも長く寝るのを優先したのだ。

 我が家の朝ごはんは、ご飯に納豆、卵焼き、ウインナー、豆腐とわかめの味噌汁が並ぶ。母は健康的な食事を意識する。

 ぬるぬるのわかめを口に含む。4月4日のわかめは331回目だ。なんだかやるせない。

「母さん。朝ごはんはラーメンがいい」

「朝からラーメンとか健康に悪いでしょ」

 鏡で口紅を塗りながら母が言う。母の唇は、年甲斐もなく真っ赤っかだ。

「ラーメンが食べたいなぁ」

「バカなこと言ってないで支度しなさいよ。ほんと健康に悪い」

 過去と未来をループする僕が体を悪くなることはないだろう。


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