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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第六章 鳥取ダンジョン編
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82話 同族嫌悪


 沖田イオは久しぶりに人と話していた。


 考えてみればあの日から人と話す機会は少なかったように思う。


 それにここ最近はダンジョンに潜りっぱなしだった。唯一食料を確保するために外に出ることはあったがその時だって碌に会話などしていない。


 ふと、歩きながら話し相手である津田伊織をチラリと見る。容姿は至って普通、あまり特徴的とは言えない普通の顔、特徴を強いてあげるならば少し暗そうなところだろうか。


 だが、そんな彼にも人際目を引く部分があった。


 目だ。


 いや、漫画のキャラのように良い目をしているとかいうつもりはないが単純に他が目立たないせいかそこが目立っていた。


 色は濁ったような赤、こんな世界になってもあまり見たことがないような色だった。見かけたことがあるのは大抵宝石のように綺麗だったりきらりと光るような色をしていた。


 だが、イオが気になったのはそこではない。あの、赤い人狼との動画の件だ。当然津田伊織の名前は知っていた。顔までは覚えておらず本人だと知った時は驚いたが。


 そして、もう一つ驚いたことがあった。それは尋常ではない彼の魔力量だ。


 伊織は隠しているようだが、イオのスキルを用いれば本来の魔力を感知するのはそう難しくもない。


 そして、ここまでの魔力を保有しているのにはイオ自身も少し覚えがあった。


 これはまるで――


「どうした?」


 彼がこちらを見ながら心配そうな顔をしている。自分がぼーとしていたので心配させてしまったのだろうかと思い大丈夫だと返す。


 意外と気遣いを見せる彼だが相変わらず目が合わない。いや、何となく人の目を見れないのは察して入るけど。


 それにしても、津田伊織とアニメ、漫画、ゲームなんかの話が出来るとは思わなかった。


 イオは学校に通っていた頃はそう言った趣味は隠して過ごしていた。だから、こんなふうに語り合うことができたのは初めてで嬉しかった。だが、その反面学校でこう言う話をしなかったのは得策だとも思った。


 これは、単純に自分が話しながらも、こう言う話をしているのを周りで見てたら多分理解があってもちょっとアレだなと思った。理解があってもこう言う思いをするんだなと言う新たな発見だった。

















 黒帯はクロウホノマを振る。


 武器を振るたびに刀身よりもれだす青い魔力が尾を引き線を描く。そしてその神秘的な光景とは裏腹に鈍い音を立てミノタウロスと衝突する。


 衝撃波が吹き荒れお互いの体を軽く押す。だがそんなことは構わずに両者は何度も何度も武器と拳を打ち付ける。


 またもや爆音と共に吹き荒れる衝撃波は砂埃を掻き立てる。


「――硬いな」


 黒帯が呟く。


「ムルォォオオオ!!!!」


 その瞬間雄叫びを上げるミノタウロス。


 再び雄叫びを上げたと思ったその時状況が一変する。


 黒い霧――いや、これは魔素だ。空気中の魔素である。それがミノタウロスが掌握したことにより黒く変色し手元に集まるようにして移動していく。


 それは形を変えて、細長くなりそして棒のような形状になる。だが、それで終わりではなく上部が膨張し肩浴の羽のように広がっていく。それはさながらコウモリの羽のようで。


 そして、変形は止まる。


 それは斧だった。


 かつて津田伊織がキングゴブリンから手に入れ、人狼アデゥシロイとの戦闘の中で破損したそれによく似ている。


 だが、それは黄金の斧のように輝いてはおらず漆黒の闇世のように暗く黒い。


 そして、何より武器としての性能が桁違いだ。


 キングの斧の性能を10倍してもそこに届くことはない。


 そして、黒帯はそんなものを空気中の魔素だけで作ってしまった事に驚いていた。


 そもそも、魔素の物質化と言う面でも形を保つ事すら本来なら難しくそこに攻撃力、耐久力を与えるとなるともうそれは規格外と言えた。


「ムォオ」


 そして、ミノタウロスはそれを構えた。

クソ眠いので文章の方はどうか……

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