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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第六章 鳥取ダンジョン編
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58話


 鳥取県某所。


「あーやんなっちゃうなぁ」


 ラフな黒を基調とした私服を着た15歳の中学生3年の少女沖田イオ(おきたいお)は一人呟く。


 イオは元々何かに突出した才能は無かった。


 でも不満はなかった。


 良い親に恵まれて、友人も少ないけれどいた。


 そしてあの日不思議なことが起こった。空から落ちてきた宝石、テレビでは正式に魔石という名称になったと聞いた。


 イオはアニメゲームなんかが好きだった。


 色々な言葉や人の感情を何処で知ったかと聞かれればアニメや漫画だろうと大真面目に思う。


 実際に聞かれてそう答えるかは別だが。


 イオは魔法が使えるようになった。


 魔石と言ったらよくあるのは使い捨てだがまさか魔法を覚えることができるとは思わなかった。


 そもそも4つも拾わなければ試しに使ってみようなどとは思わない。魔石ってのは一度の使い切りだと相場が決まっている。


 それにしても、拾う途中で二回も直撃した時は自分でも驚いた。


 そのあと、魔力を流す過程には苦戦したが無事覚えられた。


 だが悲劇はここからだった。


 イオの仲のいい友達の中にアニメ好きな子はいなかった。


 見たことあっても子供向けがせいぜい。


 別にそれが不満では無いし自分は趣味を隠していたから関係なかった。


 でも1番仲の良かった友達には教えていた。


 その子はアニメを見たりはしなかったけどよく話はあった。


 そして、魔法が使えてある程度精度も増した頃に友達に披露した。


 その友達は驚いて凄いと褒めてくれた。


 嬉しかった。


 そして自分も使いたいと言い出した。


 ちょうどその時手元にあったのは石一つ。


 フィクションの魔法の知識なんてあまり持っていなかったので苦戦したが何とか習得した。


 二人で喜んだ。


 それから二人で放課後は魔法を使って過ごした。


 その子は前よりアニメなんかに関心を持つようになった。


 よくある設定だとかそう言うのをよく聞きたがった。


 そして12月23日空から光が降った。


 魔石の時とは比べ物にならないほど強い力を感じた。


 モンスターが現れた。


 その時外にいたイオは家にいる筈であろう両親より先ず友達を探した。


 両親は家でテレワークをしているため、二人とも家だ。


 一応連絡だけは入れて走り出した。


 いつも魔法の練習をした公園。


 いない。


 学校。


 いない。


 そこで彼女のことを意外と知らないことに思い至った。


 いつもあっていたのはこの二つだけ。


 彼女の家も知らない。


 イオは仕方なく友達に『大丈夫?』とだけ送ると家に帰った。





 途中、先ほどよりかなりデカい光が落ちたが自宅の方面では無いことを確認すると安堵してしまう。


 あそこにいた人は無事では無いかも知れないのに。




 

 家は燃えていた。


 家の前では見物をする様に人が集まりスマホを構えている。


 その姿に無性に腹が立つが家の中に進もうとして。


 中から友達が出てきた。





「大丈夫?」


 此処は私の家だ、中から出てくるのはおかしい。


 何故ここにいるのか?今までどうしていたのか聞きたい事は沢山あったが全ての見込み問いかける。


「うーん、ちょっと暑いかな」


 何か違う。


 喋り方。


 佇まい。


 瞳。


 全部変わらないが何もかも違う。


「誰?」


「ひどいなぁ私だよ」


 こんな状況なのに彼女は笑う。


「でもいいの?おかーさんとおとーさんこんなになってるけど」


 彼女の手元に目がいく。


 両手で引き摺られているのは黒い塊。


 ちょうど成人男性くらいの大きさと成人女性くらいの大きさだ。


「何惚けてんの?大丈夫ぅ?って声かけなくていいの?」


 指であったであろう部分にはお揃いの指輪。


 昔、自分も欲しいなどと言い困らせたことを思い出す。


「……なんで?」


「なんでって何?あなたが教えてくれたんでしょ 」


 意味がわからない。


「世界が怪物で溢れたら誰を殺そうが良いって世界が壊れたら何してもいいって言ってたじゃん」


 意味がわからない。


 それはフィクションの話だ。


「ねぇ、聞いてるぅ?」


 彼女が覗き込んでくる。


 馬鹿にした様な顔を浮かべる。


 うざい、むかつく、きもい、しね、しね、しね、しね、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す。


「死ね」


「なんでぇさぁ?」


「は?もう忘れたのかよ、前に教えてあげたでしょ、壊れた人間も殺していいって」


 殺した。


 彼女の首を掴んで締め上げる。


「あ゛やめ、」

 

 出来るだけ苦しむように。


「やめろっていっあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁああああ!!!!」

 

 友達だったそれは腕をぶらんと下げ力を抜く。


 僅かなシャッター音。


 通行人のカメラがこちらに向いているのに気づいた。


「ウザい」


 殺した。


「キモい」


 殺した。


「死ね」


 殺した。


 そこら辺の人間くらいなら能力を使う必要もい。


「さいあく、家燃えたし人殺したからもうここ居れないし」


 二人の死体を綺麗に並べてからその場を離れた。

最近時間がねぇ。

この話3章書く前に書いたやつなんで後から書き直すかもしれないです。

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