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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第五章 青鷺学園高等学校文化祭見学編
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48話 帰宅部は部活じゃない


「じゃあ、紗奈ちゃんも伊織くんも【Nest】に入ったんだ?」


「そうだよ!2人とも凄いんだって!」


 ゆあに紗奈が答える。すげえな。久しぶりに会った人とすぐに話せるなんて。俺がおかしいとかじゃないよな?


「そうなんだね、それじゃあ詩ちゃんも【Nest】に入るの?確か12歳以上だったよね入れるの」


「わ、私は入らないよ。魔法とかないし」


 何か焦った様に詩が言う。魔法と言えば詩に渡した魔石はどうなったんだろ?


「そーなんだ。じゃあ、仲間だね。私だけ【Nest】に入ってないから」


「でもさ、ゆあちゃんは入らないの?」


 詩が聞くが良くある(良くあるかは知らない)戦闘が怖いとかじゃないのか。


「私も入ろうかなとは思ってるんだけどね。高校は此処みたいな【Nest】が関わっている学校に入ろうと思っているから取るとしても入学してからかな?」


「そうなんだ。でもいきなりで戦えるの?なんかモンスターを倒せないとか良く聞くんだけど」


 詩が言うようなことは良くあるらしい。俺の場合魔法で遠くからやっていたからそうでもなかったが刃物で初めて倒した時は嫌な感覚がした。


「それは大丈夫だよ。私こう見えてもダンジョンなら体験だけど何度か入ってモンスターだって倒したことあるんだから。それに時々蒼介くんにも色々教えてもらってるんだよ」


 そんな頻繁に会ってるのか。めっちゃゲート使ってそう。それとゲートは移動手段であって移動手段なんだぞ!(?)


「なあ、蒼介、ダンジョンで体験って何だ?」


 少し気になったことを聞いてみる。


「伊織よりゆあの方が【Nest】に詳しいんじゃないかと思うよ……体験っていうのはそのままの意味で本来【Nest】に所属してないと入場出来ないダンジョンだけど、それじゃあ階級試験なんて受けることが出来ないから、一般の人でも入ることが出来るように【Nest】側が予め攻略して緊急時にも対応できる様になっているダンジョンが開放されているんだよ」


「そうなのか」


 確かにダンジョンに入るためにネストに入る人がその試験のためにダンジョンが必要だったら意味無いもんな。


「ちなみにそのダンジョンではアイテムの持ち出しにも条件が掛かっていたりするんだよ。あと結構高いランクのダンジョンもあるから【Nest】に入ってなくても強いなんて人も沢山いるね」


「高いランクってどれくらい?」


「僕と伊織が2人で行ってギリギリ攻略できるくらい」


「うぇ」


 そんなもん一般人に与えんなよ。


「でも実際実力に見合ったダンジョンにしか入れないからそのダンジョンを使う人は少ないけどね。あとそう言う人たちの中からスカウトとかもするらしいね」


 一般人でそこら辺のネストの人より強いやつがいたらそりゃスカウトするわな。


「お兄ちゃんたち何話してるの?せっかく来たんだから何か食べようよ!」


 確かに文化祭に来たのに話しかしてなかった。








「おいしい!」


 詩はたこ焼きを爪楊枝でさし口に運ぶ。


「美味しいね伊織君」


「確かにうまいな」


 味もうまいが何より形が綺麗だ。文化祭にしてはクオリティが高すぎる気がする。さっき焼いているところを見たが常人では考えられないスピードで手を動かしていた。流石最低でも四級以上を持っているだけある。


「蒼介くんはどう?」


「美味しいよ。そう言えば此処の生徒の人たちが模擬戦をやるって聞いたけどみんなどうする?」


 ゆあと話していた蒼介はそんな事を聞く。


「私見たい!」


 詩がそう言った事で行く事に決定した。








 第九体育館。


「第九ってどんだけ体育館あるんだよ?」


「それに結構な広さだしね」


 魔法戦を考えれば広すぎというよりむしろ狭いくらいだが一般的な学校にある体育館とは大きさが違う。


「伊織君此処に座ろ」


「そうだな」


 そして2階に席がある。ある所はあるんだろうが少なくともうちの学校にはない。


「じゃあ私隣にする!」


 そう言って横並びに座る。結構人が集まっている様で満席とまでは行かないが横並びで空席があったのが奇跡のように思えるほどだ。


『あ、あーテステス、マイク入ってますね。では、皆さん文化祭楽しんでますか!』


 スピーカーから声が鳴りよく見ると下の階にマイクを持った生徒が立っている。このノリも此処まで来る間に見た様子だと学生が多い様なので間違ってはないのだろう。客席から歓声が聞こえる。皆ノリはいい様だ。


『うんうん、楽しんできる様ですね!ではでは今から軽く説明をさせて頂きます。この第九体育館で行われるのは部活対抗の模擬戦です。ルールは簡単、相手が降参するまで続きます。魔法の類は禁止、武器は木刀のみ許可します』


『あーそれと私、部印(ブイン)は帰宅部ですので平等に審査いたしますので安心してください!』


 へー仲間じゃん。だがお前は帰宅部の器じゃない。絶対陽キャだし。


『では早速選手紹介から!』


 ブインの声が鳴り響いた。

友達いないと文化祭当日廊下をぶらついて校舎内隅から隅まで歩くんですよね。

虚しくなんてないですよ。

発見だってあるんです。

校舎出ると笑い声が聞こえていたり。

献血について説明してる教室の窓から何故か大音量の音楽とカラフルなライトが見えたり。

体育館のスピーカーで映画流してたり。

まぁ、このご時世だと教室で有志企画の映像見るだけだったりしますが。

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