表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第五章 青鷺学園高等学校文化祭見学編
47/193

46話 月が綺麗ですね


 月宮紗奈は私立中学に在籍いている。その為伊織とは学校が離れてしまうが最近は伊織の自撮り(全身)を見て会いに行きそうになるのを我慢している。


 それに最近は一緒に登校したり時間が合えば一緒に帰り、そうでなければ帰宅すれば大抵、家に伊織がいる。いない時は少し自分が早く着いてしまった時くらいだ。伊織がどちらでもないと言う事は先ずない。伊織は引き篭もり気味だから学校以外であまり(【Nest】関係を除くと年に一回くらいしか)外に出ない。


 「ーーっ」


 だが何か嫌な予感がする。念のため伊織に念を送っておく。念のために念を……








「――っ」


「どうしたの?津田くん?」


 ヒヨウが心配したように覗き込んでくる。

 

「いや、何でも無いよ」


 なんか今寒気が。


「津田、ヒヨウに見惚れてたんじゃ無いのか?」


 近くにいた金髪が言うと、どっと笑いが生まれる。金髪お前俺と喋れたのか。お前のこと嫌いだったけど喋ってくれたから許してやろう。仲良くしような。


「あ、でも、伊織彼女いるよ」


「ちょ、おい、蒼介!」


 「えーお前彼女いたのすげー」ってイベントは妄想した事はあるが実際なって見ると違う気が……


「津田、てめぇは敵だ」


「黙れ、エセ陽キャ」


「なんだと、クソインキャ」


「本当のこと言ったんだよ。毎度毎度無視しやがって」


「それ言うならお前もだろうが、話がやすいタイミングあっただろ」


「ちょっと、2人とも落ち着いてよ」


「そうだぞ上木も津田も、ここは友達も多いしモテる本物の陽キャの俺の顔を立てて」


「誰お前?」


 イケメンだ。だが知らん。


「な、この俺を知らないだと……教えてやろう俺の名は百目鬼(ヨメキ)賢也だ」


 学生証を取り出しこうやって書くんだと名前を見せてくる。


「え、苗字かっこよ」


「だろ、君もわかってるじゃ無いか……えと、下の名前なんだっけ?」


「お前も覚えてねぇじゃねぇか」


「し、失礼だな俺は君の苗字は知っていたぞ」


「ヨメキくん、伊織くんだよ、い・お・り」


 ヒヨウが態々教えて上げる。


「そうか伊織か、よろしくな津田」


「おい、何故戻した」


 とそこでドアが開く。


「あ、やべ先生来た、俺まだ着替えてねぇ」


「金髪……見た目通りだな」


 可哀想なやつだ。


「どう言う意味だ!」


「おーい、上木、席につけー」


 教師から催促され皆が席に着く。


「気をつけー礼ー」


「「「お願いしますー」」」


 体育の後の疲れた雰囲気も隠さず皆が挨拶をした。








「あ、やべ、消しゴムねぇ」


 最悪だ。今日はゴムなしで乗り切るしかねぇ(変な意味ではない)


「いおりくん、使う?」


 隣の席から声?


 いや、当たり前だ人が居るのだから。


「あ、ありがと」


「ううん、気にしないで。私なかなかいおりくんに話しかけられなくて話す機会を探してたの。だからこれはチャンス」


 そう言って差し出してくる消しゴムを受け取る。


「私二つ持ってるから今日一日持ってて良いからね」


「マジで?ありがとう」


 やべぇ、感動して泣きそう。





 



「伊織くん、何で私が怒っているかわかる?」


「わ、わかりません」


 まさか俺が脱インキャしようとしているからとかじゃないよな。


 おい、脱インキャじゃなくて脱ぼっちとか言うな。


 でも心当たりがないな。ヒヨウを可愛いと思ったからとかじゃないだろうし。


「私学校で嫌な感じがしたの。それでもしかしたら私と付き合ってるのに他の女の子に目移りしてしまったのかと思って」


 それじゃねぇーか!


 いや、それよりも嫌な感じがして何故その結果になるのか気になる。


 勿論俺が好きなのは紗奈でヒヨウのことを、なんて事にはなり得ないが。


「いや、あの目移りした訳じゃなくて……」


「じゃあ、私のこと好き?」


 ド直球すぎないか?


 いや、でもここは嘘をつかない方がいい。多分。


「……勿論そうだけど」


「しっかり言って」


 しっかりってつまりそう言うことか?そう言うことなのか?いや、でも。俺そんなこと言ったことないし。


「……伊織君」


 紗奈が悲しそうな顔をする。


 そんな顔しないでくれよ。


 どうすれば、いいんだ?


 なんて声をかければ……


 いや、わかっている。


 わってるけど。


 目の前にある顔を見る。


 相変わらず可愛いし黒く長い髪もきれいだ。


 そんな顔が不安で満たされている。


 それは嫌だ。


 紗奈には笑っていてほしい。


 紗奈には笑顔が似合う。


 覚悟を決めろ。


 今、今言うんだ。


 紗奈が本気なのはわかる。


 それだけは確かだ。


 俺は紗奈が――


「す、好き、です……」


 うまく言えなかった。


 だけどこれが本当の気持ちだ。


 嘘偽りない気持ち。


 いきなり温もりと衝撃を感じる。


 いつの間にか瞑っていた目を開けるそこでやっと自分の背中に手が回されている事に気づく。


 恐る恐る紗奈の顔を見る。


 先ほどの様な不安の色はない。


 そして一言。

 

「……私も、好き」


 思考が止まる。


 何とか頭を回そうとするがうまくいかない。


 そんな俺の頭が掴まれ引き寄せられる。


「んんっ」


 薄く頬を赤らめ若干上目遣いの紗奈が見えた。

たくさん書いた時、全部出しちゃうのは悪い癖。


多分今日はこれで更新最後です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ