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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第四章 端島襲撃編
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40話 三人で


「今日はダンジョンに入る」


「ダンジョンですか?」


 ダンジョン、地上と比べ高濃度の魔素がありそこにはモンスターが居る。


 イセホもシタバも何度か入った事はあるが。


「俺たちは【Nest】に所属しているものはダンジョンに定期的に入りノルマをこなさなければならない」


 【Nest】に所属すると月に決まった数のダンジョンに入り条件を満たさなければならない。


 その際階級にあったダンジョンへ挑むことになるが所属せずに高難易度のダンジョンに入ろうとしても見つかったダンジョンは【Nest】の管理下に置かれる為どちらにせよ自分で見つけない限り【Nest】に入り地道に階級を上げる事になる。


 その上、ダンジョンは魔力を辿れば素人でも見つけられる為【Nest】がそれを見逃すと言う事はないと考えられる。


 どこかの学生は学校前にダンジョンを見つけて入ったなんて噂まであるほどだ。


 噂はあくまで噂だ。そんな事あるわけないとイセホは思うが。


「ノルマがあるのは勿論知っていますが仕事中にやる必要があるのでしょうか?」


 シタバは疑問に思って聞く。


 ノルマがあると言っても【Nest】は個人でダンジョンに入る時間を十分設けられているはずだ。


 それに幹部の部下になってからノルマの大幅な免除もされている。


「ああ、このノルマは個人のものではなく、幹部の部下全員のものだ」


 部下全員の肩代わりでもさせられるのだろうか?


「と言うと?」


 イセホがタドルに聞く。


「幹部の部下たちには個人ノルマに加えて団体ノルマがある」


 初耳だ。そんな話は聞いたことがなかった。


「お前たちも見たことあるだろ。幹部のランキング」


 確かに【Nest】の電子掲示板なんかにはよく表示されている。


「ノルマをこなしプラスでダンジョンの攻略なんかをするとポイントが貯まるんだ。それをもとにあのランキングが出来ている」


 そう言うことかと二人は納得する。


 道理で補助メインの【鳰】のランキングが結構上位にあるわけだ。


 と言っても自分達より何倍も強いが。


「さ、わかったら行くぞ」


 タドルは盾を持ちずかずかと入っていく。


 置いてかれまいと二人はその背中を追いかけた。








「ゴーレムか」


 デカい。初めて見た。


「俺が盾で抑えるからお前らが攻撃しろ」


「「はい」」


 と言ってもシタバは戦闘に向いてないのになんて内心思いながら攻撃を開始する。


 向いてないとは言え最低限の攻撃力は持っている。


 身体強化で攻撃力を上げ刀で一撃。


 それと同時にイセホが能力を使う。


「六白ッ」


 手元が白く輝き攻撃を放つ。


 二人の攻撃でいとも簡単にゴーレムはバラバラになる。


「良くやった2人とも」


「「はい!」」


 再び進行を開始する。








「お疲れ2人とも」


「「お疲れ様です!」」


 2人はダンジョンから帰ってきたとは思えないほど元気に挨拶をする。


「それにしてもタドルさんの盾凄いですね」


「そう、攻撃にも転用できて」


 2人が口々に褒めるので少し照れてしまう。


「まぁな、だが、お前たちも中々のものだったぞ。シタバは身体強化で攻撃力を確保してその巧みな技術で補っている。イセホはあの強力な技を上手く使いこなせている。適性があるだけあって凄いな」


「「ありがとうございます」」


 少し硬い返事だが内心2人はめちゃめちゃ喜んでいた。


「明日からも三人でよろしくな」


「「はい!」」









 3日目。


「イセホくん、君には結界を張るために島に着いてきてもらうよぉ」


 シタバ以外のイセホ、タドルは【鳩】に呼び出されていた。


 イセホとタドルは別々に呼ばれたので部屋に入って驚いた。


「何かあったのでしょうか?」


 結界を張るのは緊急事態の時のはずだ。新人の自分を呼び出すくらいだ相当なことなのだろう。


「それはぁ、応えられないかなぁ。あとぉ、この事はぁ、【鳰】にも言わないでね。と言うかこの部屋を出たら一言も言ってはダメ」


 そこまでの事なのだろうか。


「いくら待機するのが三人でもね」


 三人?と言う事はほぼ全ての者が此処を開ける事になる。


「一言も言わないのは当たり前だけど特に此処に残る三人には伝えちゃだめだよぉ。えーと、名前は……」


 【鳩】は端末を取り出し確認する。


「1人目がこの子かぁ、えーとシタバくん――」


「し、シタバがですか?……すみません」


 驚きのあまり口を挟んでしまった事を急いで謝る。


「うん、いいよ。確か同期だったねぇ。彼は今回の作戦には力不足だから外れてもらう」


「そうですか、失礼します」


 そう言ってイセホは出て行く。


 ドアが閉まり廊下に出たところで昨日の言葉を思い出す。


 ――これから三人でよろしくな








「あ、アイツ」


 勝手に出て行ってしまったイセホが出て行ったドアをタドルが見る。


「彼、大丈夫?シタバくんが戦闘よりこっちに向いているって言うのと君に作戦時の護衛についてもらうことも言おうと思ったんだけどぉ」


「すみません」


「いや、構わないけどさ」


 気に障ったわけではなく単純に心配になった。


 色んな意味で大丈夫だろうか?


 シタバと離れるにしても今作戦の間だけだし仮に他にも結界が必要な仕事が来るとしても早々ないはずなんだが。


「教育係頑張ってねぇ」








 3日目の仕事も終わる頃。


「イセホ、明日のことなんだが」


「?、ああ、すまん俺帰るわ」


 足早にイセホが部屋から出て行く。


「どうしたんだ?」


 シタバは少し様子が気になった。

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