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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第四章 端島襲撃編
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38話 守れない盾と動こうとする的


 阿木が引き金を引く。


 【鵲】は刀を弾丸に当て弾こうとする。


 【Nest】幹部【鵲】は魔力など魔法的要素なしの戦闘においておそらく【Nest】幹部の中では一番である。


 と言ってもこの歳でこれだけ動けるのは魔法的恩恵のお陰なのだが。


 そんな【鵲】にとっては魔素の濃度が低かろうが戦闘面においてのデメリットは刀の切れ味くらいだろう。


 勿論身体強化はなどは使うが弾丸を切るくらいならそれなしでも事足りる。


「まぁ、運が悪かったのぅ」


 そう思い刀を振るが弾丸に当たると思われた瞬間弾丸が()()()


「なっ」


「あ゛ぁ」


 後ろを振り向くと血を流すイセホがいた。


「おい、何をした?」


「行くぞホウ」


「はい!」


 【鵲】の質問には答えず二人はその場から消えた。








「見つけた!」


「早かったけど……もう遅いよ」


 一見矛盾した言葉だがまぁ良いだろう。


 【鶯】はキタキに向かってそう言う。


 【鳰】の準備を手伝うのは今回が初めてではない。


 同じ現場にいるときは大抵手伝わされる。


 そのせいで手際が良くなってしまった。


 単純作業といえど慣れたものと不慣れなものとでは圧倒的に効率が違う。


 【鳰】ももう終わった頃だろうし準備ほぼ完了した以上コチラが優勢だろう。


「多分直ぐに術が行使されるだろう。そうしたら君達に勝ち目はない自首した方がいいんじゃないか?」


「嫌だよ!それに操魔結界は破られてないから大規模な術は使えない!それと絶対、そっちの人狼の結界は解ける!」


 確かに相手の魔操結界なるものが働いている限り術の使用は出来ないだろうがコチラにだって考えがある。


 と、その時。


 何か嫌な予感がする。


 硝子の張られていない窓から外を見る。


「まさか!?」


 結界が破られた?


 考えられるのは術の中核となる七人のうち誰かがやられた事。


 だが、地下にいる事を気づかれた時点で幹部のどちらかが動くだろう。


 【鵲】に防げないとはとても思えない。








「おい、マジか?」


 【鳰】は外を見ながら呟く。


 様々な可能性が頭に過るが幸い最低限の準備ならできている。


 術の発動に邪魔な相手側の結界があるが【鶯】なら何とか出来るだろう。


 そう信じて行動に移す。








「これが七体のうちの一体アデゥシロイか」


「……コイツは凄いですね」


 阿木とホウは遠目からその姿を確認する。


 狼の顔に赤い毛並み腰には二振の刀。








「ちょ、結界が」


 目の前で解ける結界を【鳩】は見る。


「あの爺さんには止められなかった様だな」


 ジュウジが煽る様に言う。


「あとは僕らが――」


「いや、もう君達には勝ち目ないよぉ〜」


 何かに気づいた【鳩】がそう言う。








「この気分、サイコーだぜ」


 建物の上から"操魔結界"の術者のカケイは幹部や人狼――アデゥシロイの様子を見る。


 自分の結界で【Nest】幹部ともあろう者が実力を発揮できてない様は何とも滑稽だ。


 実際の実力には詳しくないがこの分だとそうでもないのだろうか?


「あっちの結界も破れた様だし余裕だな」








「どう?これで分かったでしょ〜?」


 キタキが勝ちを確認し【鶯】に話しかける。


 余裕ができた事で口調も元に戻る。


「……」


 だが、それは届いていなかった。


「ちょっと聞いてるの〜?」


 【鳰】なら多分この状況で術の発動をするだろう。


 成功すればコチラが完全に勝つ。


 そして、操魔結界も【鳰】なら自分ならどうにかしてくれるとか思っているのだろう。


 ならそれに答えなければならない。


 【鶯】は硝子のない窓から飛び出す。


「ちょ、どこに!?」


「……――【鳥之目】ッ」


 50.23.12――


「ちょと、無視しないでよ!《棘硝子》ッ!」


 硝子が掠るがそれどころではない。


 ――8.6.7.


「――いた!」

 

 ……灯台。




 目標を見据える。


巽弓(そんきゅう)ッ」


 残り僅かな風属性魔力が弓と矢を模る。


 【鶯】は弓を弾き放つ。


 風の矢は一瞬で目的まで接近する。






 風の魔法か?


 このくらいの距離なら余裕で避けられるとカケイは考える。


 苦し紛れの攻撃では意味が無――

 

「――は?」


 意識が飛んだ。








 【Nest】幹部である【鳰】の能力は何か?


 そう訊かれれば【鳰】の部下たちは迷わず"封印術"だと答えるだろう。


 封印術は希少な術である。


 術者の数は【Nest】内部でも数えるほどだろう。


 その中でも【鳰】は特別であった。


 【鳰】の封印は強固なものだった。


 何故なら彼の術は自分自身の命を封印の鍵とするからだ。


 文字通り命を削り封印する。


 そしてその強力な封印を先ほど手分けして準備した札で力を増幅させる。


 【鳰】と【鶯】は壁にペタペタ札を貼りながら移動していたのだ。


 そして【鶯】は相手が追ってきているのを予想して隠蔽をしながら移動していた。


 効果は薄いが対象が明確に確認するなんて事がなければバレることはない。


「これで、終わりだ――」


 ――命秤結界(めいていけっかい)

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