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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第四章 端島襲撃編
33/193

32話 さん付けは大事

短いです


「人間君倒したのあなた?」


 扉がバンッと開かれ人が入ってきた。


 ちなみにネストの施設は殆どが電子式のドアだが俺が今いるような病室は違うらしい。


「誰この子?」


 勝手に入ってきた人――と言うか幼女を指差す。


「わたしが聞いてるんだけど!」


 手を広げ小さな体で精一杯アピールする。


「伊織、こちらは【秋沙】さん」


 蒼介が紹介してくれる。


「あ、ども津田伊織です」


「話聞い……え、えぇと、わたし、あいさ!」


「で、あいさちゃんはどのような御用件で?」


 さっき人間がどうたらと言っていたが……


「"ちゃん"じゃなくて"さん"!」


 めんどくさ。


「で、あいささんはどうして此処に?」


「あなたが人間君倒したって聞いてきたんだよ!」


「人間君?」


「伊織がさっき倒した鎧のモンスターだよ」


 ああ、あいつか。


 あんま倒したときの記憶ないけど。


「倒したのは俺だけどどうしたんだ?」


「どうしたんだ、じゃないよ!わたしが頑張って作ったんだよ!せっかく頑張ったのに!」


 あれを作ったのか?


 この子何歳だよ見たところ小学生高学年くらいだぞ。


 だが。


「そりゃ悪かったけど聞いたぞ?あれ使用禁止だったって」


 先程見舞いに来てくれたスナイからの情報だ。


「そ、それは……あっわ、ちょっと離して!」


「伊織君この子可愛いね」


 いきなり紗奈に持ち上げられ足をバタつかせて抵抗しているが効いてない。


 ちなみに紗奈は飲み物を買ってきてくれると言って部屋から出ていた。


「あ、これ食べる?」


 紗奈がポケットからお菓子を出しあいさに渡す。


「そ、そんなんで……もぐもぐ……許すと……もぐもぐ……思ったら……もぐもぐ 大間違えだからね!」


 めっちゃ食ってる。


 そこにはリスのように頬張る幼女がいた。








「おい、嘘だろ?」


「そんな筈は……」





 ――13時26分――軍艦島での作戦にて外部からの魔法的組織の島内侵入を確認。







 

「それでね、さな!人間君じぇ……ん?まあいいや!人間君にも好き嫌いがあるってわかったんだよ!」


 コイツ人間君の名前を何度も出しているがその度にこんな具合だ。


 人間君じぇ……なんなんだ?


 逆に気になるんだが。


 そして何故か紗奈に懐いている。


「そうなんだね、伊織君は好き嫌いある?」


 おい、どう言う会話の切り返しだ?


「……どうしたの伊織君……あ、もちろん覚えてるよ――」


 そして紗奈は数分にも渡り俺の苦手なものを羅列していった。


 なぜ聞いた?







 月宮紗奈は困っていた。


 つい、伊織と一言でも話すために無理やり話題を振ってしまった。


 伊織の好きなものと嫌いなものは全て暗記している。


 だから伊織に料理を振る舞うときは彼の好みの味付けをしている。


 そこから伊織は紗奈の気遣いに気づいていたのだろうか?


 どうしよう?


 困った。


 けど、伊織がそこまで自分のことを見ていてくれたと考えると嬉しい。


「なんか楽しそうだな?」


 伊織に声をかけられびっくりしてしまう。


「そ、そうかな?」


 伊織は首を傾げた。

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