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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第三章 【Nest】試験編
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25話 山となればちり積もる


「お、あれか?」


 目の前には山――ではなく山の様な形の建造物。


 俺はそれを見上げる。


 石を積み上げ出来た遺跡の様なものの上から異様な魔力を感じる。





『あ、上から連絡で人間君に関して試験中止は無いらしいです。おっと一番乗りは津田伊織だ!!』


「伊織様あああああ!!!!」「良いんだ」「安田が元気になった」「結構速くね」「ここまでの記録は第一回以来ですかね」「あん時はモンスターと戦った事があった奴らを集めたからな」「しかも、第一回よりモンスター強いから結構凄いのでは?」「【秋沙】さん()モンスターがな」


 第一回【Nest】階級試験は全国から集められた、モンスターとの戦闘経験や能力を獲得したものが集められ行われた試験であった。


 その試験での中心部エリア山岳Aに辿り着いた時間より今回の記録は僅かにだが早かった。


 モンスターの強さであったり魔法習得からの経過時間、エリア内の仕様変更など様々な要素があるので一概には言えないが今回の記録は紛れもなく記録更新であった。


『今確認したところなんとぉ、記録更新だあ!!』


「さすがです伊織様あああ!!!」「凄いけどなんかうるせぇ」「良いじゃないですか」「そうだよな俺もそう思う」「俺もだ」





 この建物には階段があるが途中途中で途切れていたり設計的に途切れていて真っ直ぐってわけにもいかない様だ。


「モンスターも湧いてるしな」


 刀を振りながら移動する。




 

『おっと速くも二人目いや、3人目も登場の様だ』


「あ、さっきの」「連携すごいやつ」「たしかヤクモブキさんとチダトモさんですよね」「和継(イイツ)ちゃんに名前覚えてもらってんの良いな」「おい何名前呼んでんだ?河合さんだろ」「あ?」

「やんのかテメェ」「やめてください二人とも」「ごめんイイツちゃん」「すまん」「いいですよそれに名前で読んでもらっても嫌じゃないです」「じゃあ俺も……」「ダメですよ」「え」「反省して仲良くしてくれるなら良いですけどね」「……イイツちゃん」「なんて優しいんだ」


 


「うぉ、なんだこれ」


「【Nest】が人工的に作っちゃったかな?」


「まさかぁ、所々老朽化している様だし」


「それもそうかな」


 実際そうでは無かった。


 これは【Nest】に所属するとある一級が作ったものである。





 夕飯時男はピラミッド特集を見た。


 カップ麺にお湯を注ぎながら思った。


 ああいうの作りたいと。


 なんか詳しくないけどかっけぇと。


 そして三十センチ代の模型を作った。


 そして隣室の知り合いに見せに行った。


「なあ、これ凄くね!、俺作った、凄くね!」


「今何時よ?」


「3時!」


「夜のね、イナモ君私寝てたんだけど……まあ良いやで何?」


 男――稲茂景(イナモケイ)は模型を差し出す。


「これ見て!凄くね?」


 隣室の澳塩紀伊奈(オウシオキイナ)に見せる。


 凝ってしまったことで最早形状がピラミッドと呼べるかわからないがそれでも満足していた。


「ふーん、まあ良いんじゃね」


「でしょ!キイナさん!ここのディティールとか拘っててほらココ開くんだよ」


 天井部を開閉させる。


「へー凄いじゃん、あ、それ借りるわね」


「あっ、ちょ」


 模型は取り上げられドアは閉まった。





 数日後、第一回階級試験下見日。


「キイナさんも手伝ったんだよね!」


 男は既に忘れていた。


「まあね、山岳Aだけだけどね」


「それでも凄いよ!どこにあるの?」


 イナモが目を輝かせ聞く。

 

「中央だから結構遠いよ?いく?」






「あれ?どこかで見た様な?」


「そう?」


 目の前には山かと思える様なピラミッド――もどき。


「でも、やっぱ凄いや!キイナさんは!」


「まあね」





 後日イナモの元に現場の砂やチリなどがこびり付いた模型が返却されたと言う。





 そして幾度もの試験で使われたピラミッドは強力な魔法や術によりボロボロになっていた。







「いくら身体能力が上がっても階段の昇り降りはきついな」


 俺は今クソ長い階段を登っていた。


 


 そして……


「またかよッ」


 後ろからの攻撃をいなす。


 素手?


 コッチは刃物だぞ?


 相手の腕からは血が出ている様子はない。


 後ろから狙われすぎでは?


「流石だな、津田伊織」


「結構強いかな」


「何だ?お前ら?」


 この試験はモンスター狩りじゃないのか?


 何故俺に攻撃してきてんだ?


 相手の方は殴っていたのは鍛えているのだろう細身ではあるが筋肉が服の上からも見て取れる。


 もう一人は中性的な顔立ちに小柄。


「どう言うこった?」


 二人から魔力を感じない。


 攻撃の際魔力ににたものは感じだけど。


 ここ数日あった奴らは皆んなそうだったから疑問だったが一般人だからとおもっていたのだが。


 こりゃ、魔力を抑えてんのか?


 そう言えば蒼介も魔力感じなかった様な……気づかなかった。


 ひょっとして俺は馬鹿なのでは?


「どうしたぁ?考えごとかァッ!!」


 男の攻撃をかわす。


 俺も一応魔力押さえとくか。


 何も俺だって全部漏らしてたわけじゃない魔力コントロールが出来ればこれくらい出来る。






『おっと!今回も起こった!!受験者同士での潰し合い!!』


「お、2対1か」「魔力漏れなくったな」「あの量漏らして魔法使い続けるとかヤバいけどな」「それにあの黒い垂れ流し魔法だろ?」「伊織様ああああ!!ガンバェェェエエエエ!!!!」「凄いです」「イイツちゃん俺もそう思う」「イイツちゃんお茶いる?」「でもはやくね?」「あそこにモンスターがいんのは分かってんだから予めって言うのはおかしくなんじゃね」





「魔力を引っ込めた、相手も本気モードみたいだ、行くぞトモ!」


「了解、ヤクモ!」


 二人は同時に加速した。

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