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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第三章 【Nest】試験編
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22話 安田浩二42歳(二級)


『えーでは皆さん終わったと思うんで第二試験の説明をします』


 モニターに映像が映される。


『えー第二試験ではモンスターを倒してもらいます。時間内に、エリア内にいるモンスターを倒してください、評価基準は公表しませんので思い思いにやってください』


 次はこちらにと言われ案内される。


 それに従って歩いていくと。


「すげーな」


 そんな声が出てしまっても仕方ないだろう。


 そこには大きなフィールドがあった。


 様々な気候環境が魔法的に作られているようだ。


 転移後のシャッフルされた土地も魔力によって気候を固定されていたようだしそれの応用だろう。


 門をくぐり入場する。

 

『それでは3分後に開始します』


 アナウンスがスピーカーから聞こる。

 

「そう言えば紗奈ってどうやって戦うんだ?」


 転移先では紗奈も狩りに協力してくれたが効率のために別行動をしていたので詳しいところは知らない。


「うーん、それは後でのお楽しみかな」


「まあいいや、頑張ろうぜ」


「うん!」


『では時間なので開始します』


 紗奈が元気よく返事をすると時間になったようだ。


『5秒前』


『4』


『3』


『2』


『1』


『0』


 その瞬間俺は足を踏み込み地面を蹴る。


 近くにいたオークっぽいのを続け様に狩る。


 1.2.3.4.5.6.よし、一気に6体。


 そしてさらに加速し方向転換草むらにいたゴブリンに刀を振る。


 7個の首が飛ぶ。


 横を見ると紗奈が猿っぽいのに蹴りを入れていたところだった。


 猿は吹っ飛び木に当たりズルズルと体を擦らせ地面に落ちる。


 戦い方豪快だな。


「伊織君すごいね」


「紗奈もすごかったけどな」


 いろいろな意味で。


「そうかなぁ?」


「ああ、其れより別れよう」


「え?わか、わか……」


 何かわなわなしている。


「二人でモンスターを狩るより別れた方がよくないか?」


「別れるってそういう……別行動って意味ね」


 それ以外なくねぇか。


「いいと思うよ、モンスターの数もばらけてるみたいだし」


 俺たちは分れて行動することにした。








『えーでは、私スナイ、試験中はすることがないからいいだろと上司に言われ、皆様のために実況をすることになりました』


「結局毎回やってね?」「好きなんだろ?」「みなさん口の利き方悪くないですか?」「スナイさんやさしいからなぁ」


 第二次試験開催中【Nest】本部にあるとある一室には数々の【Nest】隊員たちが集まっていた。


 ここにいる者たちが、受験者を採点する。


 すべての者が一定の実力を持っている。


 流石に一級以上の実力者はいないが。


「今回の試験には少しは骨のある奴はいるかなあ」 「何かそれ痛いですよ」「え?」「いやマジで」「おれもどうかーん」「マジか…」


『もうすでに始まってますので、開始しますね。上位個体と接触したもの、あるいは見どころがあるところを中心にやっていきますね』





 すでに、紗奈と別れた俺は障害物の多い森から抜け出そうとしていた。


「ここじゃ、武器を振りにくいからな」


 木ごと切れないこともないが多分魔法ありきでの話だ。


 数分走った所で森を抜ける。


 たかがフィールド内にある小さな森だ、さいあく一直線に走ればどこかには出る。


 そして全員スタートはフィールドの端だ。


 多分、評価が高いであろう強いモンスターはフィールド中心であるそこにいる。


 「まずはそこを目指す!」





『おっと、津田伊織、月宮紗奈両名二手に分かれ走っていく!』


 モニターには受験者が映ると名前が表示されるシステムが導入されている。


「倦怠期か?」「なわけ」「つーか、スナイさん好きでやってるよな」「津田伊織ってもしかして…」「私も見ました、あの動画ですよね?」「津田伊織様来たああああ!!!!!!」「うお?!どうした、安田」「こいつそういえば、憧れてたって」「そういえば言ってたな」


 安田浩二41歳自宅警備員であった彼はもうそこにはいない。


 ここにいるのは、腹やあごに着いたぜい肉はなくなりイケオジになった二級安田浩二42歳がいた――はずだった。


 だがここにいる者は思い知ることになるだろう、彼の津田伊織に対する異常なほどの思いを。


『津田伊織は早速森を抜ける!三体モンスターと接触!!』


「つーかはや、魔力の補助なしであれかよ」「魔力漏れてね?わざとか?」「津田伊織様ああああああああ!!!!!!」「うるさ、キャラ変わってね?」「いや待て、このノリどこかで」


 この瞬間ちょっと安田さんいいななんて思っていた女性たちはほぼ全員気持ちを改めた。

 


 


 

「こいつは…」


 虎か?


 なんか魔法纏ってんだけど。


 刀を構える。






『おっと序盤からマジックタイガーだ!!』


「なにそれ?」「誰だよ、名前つけた奴」「がんばれええええ!!!」「安直ですね」「ネーミングセンスは?」「いや、これ人造なんじゃないか?」「人造モンスター……【秋沙】さんか」「き、聞かれてないですよね?」



『マジックタイガー三匹とどう戦うのか!!』





「うわ、炎、雷、水か、バリエーション多くね」


 刀に炎を纏う。


 そのまま切りつける。


 だが。


「ガルウァ!!!」


「なっ!?四体目!?」


 後ろからの気配を感じ攻撃に刀を何とか間に合わせる。





『おっと、後ろからもう一体!!』


「闇か?」「多分違うんじゃね」「式ですかね」「津田伊織様に襲い掛かるなどあの犬ゥウウ!!!!」「いや、虎な」






 

 囲まれてる状態は不利だが俺だって対策してないわけじゃない。


「|《闇炎》《あんえん》」


 発動と同時に円を描くように4体同時に斬りつける。


 そして解除。


 この間僅か二秒。


 発動時間を絞る事で自信へのダメージを減らす。


 繰り返したら流石に不味いが一、2回程度ならいける。


 確実にとどめを刺し走り出す。

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