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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第二章 ちょっと長めの進級準備編
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20話 こちらが陽キャに話しかけられない時、また、陽キャもインキャに話しかけられない

「あ!お兄ちゃん!」


 俺が校門から出たところで声がかけられる。


 俺をお兄ちゃんと呼ぶのは詩だけだ。


 俺は振り返る。


 目の前に男の顔面。


 結構整っているなぁ。


「あ、すんません」


「い、いえ、こっちも」


 そう言って去っていく。


 その後ろから詩が駆け寄ってくる。


「お兄ちゃん、友達できた?」


「え、なに嫌味?」


 結果なんてわかってるだろうが。


「なんでそんな酷いこと言うの?」


「いや、すまん」


「まあいいけどさ、でどうなの?」


「どうなのと言われても俺が去年新しい友達ができなかったのは知ってるだろ」


 詩はギョッとした表情を浮かべる。


「なんだよ、この話は前もしただろ」


「ち、違う、そうじゃ無くて、話しかけられもしなかったの?」


「そう言ってるだろ」


 少し、しつこいどうしたんだろうか?


「紗奈ちゃんに言わないでって言われてたから我慢してたけどお兄ちゃんこれ見て」


「SNS?」


「そう、ここしっかり見て!」


「『つだいおりかっこよすぎぃ』?」


「ここも!」


「『伊織様今日学校に来てたけど話しかけられなかった』なにこれ?」


 なんで?


 と言うか人の名前晒すなよ。


 現代っ子でありながらSNSを苦手とする俺だから気づくのが遅れたがえぐいぞ。


「お兄ちゃん、あの日の動画撮られてたんだよ、それで」


「俺の情報全部もれたってことか」


「そう、で、お兄ちゃんの事好きって人もいるみたいだし今日はいろんな人に話しかけられたかと思ったんだけど……」


「何故か話しかけられないと」


 詩はもう一度スマホに目を落とす。


「あ!これじゃない?」


 俺の顔面に当てる勢いでスマホを俺に向ける。


「『今日登校中可愛い女の子と一緒にいたの見た』『女の子羨ましぃ』『えー彼女いたんだ』これが原因か」


「そうかも?」


「でも、別に付き合いたく無いやつだって物珍しさに話しかけに来たりしないのか?と言うか、男ども話しかけてこいよ!」


「お、お兄ちゃん、声でかいよ」


「すまん、帰るか」


 途中紗奈と合流して帰ってくる。


「ただいまー」

 

「お邪魔します」


「伊織君ただいまって言ってくれないの?」


 紗奈が悲しそうな目をする。


「あ、いや、すまん、ただいま」


「お帰りなさい!」


 満面の笑顔でそう言われた。

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