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174話 会議で寝るってどうなーーzzz

雑でごめんなさい。


 津田伊織。

 新たな幹部として【鷽】と言う名を得たばかりの人物。

 しかし、現在この会議室にいる多くの者が油断ならないと警戒度を上げていた。

 彼一人ならこうはならなかっただろう。

 しかし、今の現状がそうではないと告げていた。

 どこから仕組んでいたのか。


 初めに【鸛】の出現。

 裏切ったかに見えた【鸛】であるが、それは【鴉】によって否定されている。

 そういうところがこの組織の脆弱性ではあるが今は良いだろう。

 その【鸛】の正体が日高蒼介であるということが問題だ。

 ウソみたいな話であるが顔の造形からありえない事でもない。

 なにより変える事の出来る顔とは違い、魔力の反応は同じものだ。

 つまり本物である。

 それに、彼の特異性を見れば特段おかしなことでもないのは事実であった。

 数十年では効かない間を【Nest】に生きておりそれでいて姿の変化がほぼない男。

 影武者でもない本物であることは先ほど同様分かっている。

 そして、一番不自然なのは日高蒼介と言う人物は存在するということだ。

 生まれて成長している。そして、此処にいるのは本人だ。

 異常だ。一人の少年に擬態するなど。


 だかまだまだ続く。

 二人目津田詩こと【非翼者】である【逆稲】。

 魔法を発現させてすぐに【Nest】に入り幹部相当の戦力である【非翼者】になったもの。

 特徴は圧倒的までの火力を誇る雷魔法。

 それは龍を象り簡単に高位のモンスターを殲滅するという。

 そして、姿を現せない最も謎に包まれた人物である。

 そんな彼女だがこんなうわさもある。

 異常な上達スピードを持つというものだ。

 魔法は言うもでもなく体術の類も少しの練習で一流になるという。

 そんな、荒唐無稽な噂だが事実であった。

 魔法だけじゃないのだ。それが彼女がそこにまで至れた理由でもある。


 三人目、月宮紗奈。

 レベルの高い容姿で人気も高い彼女だがそれもまた表の顔だという。

 その正体は【鴉】の信頼を勝ち取り、予言じみたことで未曽有の危機を救った者。

【占いの間】と言う奇妙な部屋を作り、そこに居座る面をつけた女。

 彼女の影響力はすさまじくもし彼女が嘘でもつけば一瞬で【Nest】は壊れるだろう。【鴉】がいればありえないが理論上そうであった。

【非翼者】の打診も来ている彼女だが人前に出ないようにか断っていた。

 更に、【非翼者】たちの一角である【傀糸】の心酔ぐわい。

 それだけでダンジョンについての管理権を半ば所有しているようなものである。


 そして、そんな三人が親しくするのは津田伊織と言う男であった。

 日高蒼介は親友、津田詩は妹、月宮紗奈は恋人。

 つまり彼の陣営にどれだけの力があるかもわかるだろう。


 そして、それは仕組まれたものなのか?

 このタイミングで明かさなければ本当に彼が裏から操ることも可能と言う状況が出来上がるほどに完璧なものだった。


 それに、現にそれらを明かした上で彼はなおここで【鴉】の次に優位になっていた。


 本来なれ合わない幹部であるためここには派閥がない。

 強いて言えば【Nest】内での派閥は幹部とその部下で構成されているものだろう。

 だから幹部間には多数決において手回しはないし、余計なしがらみもない。

 これは、幹部たちが一匹オオカミ的な気質をおおかれすくなかれ持ってるからだ。

 だから、仮に一人がそれをしようとしても実現することはない。

 だからこそ、津田伊織に対しての警戒度は上がった。


 例えば多数決で話すならば協力して票を入れることのない幹部たちにとって津田伊織は票をコントロールできるようなものであった。

 つまり、津田伊織は日高蒼介、月宮紗奈、津田詩、【黒帯】【秋沙】【傀糸】を取り込んだわけだ。

 そして、【黒帯】【秋沙】は未だ不確定でもあるが【傀糸】の月宮紗奈への心酔ぶりでは確定で良いだろう。


 今、この瞬間、津田伊織、いや、【鷽】の影響力は一気に上がった。



 と、まあ、実際そんなことは全く考えていないのだが。







「ただでさえ転移魔法は厄介だからな」

「確かに核でも持ってこられたら僕たちじゃ対処できないですしね」

「これが行った場所しか転移できないならあれですけど恐らくは条件付きでしょうけどそんな感じでもないですしね」


 と、こんな感じで話が進むのを俺は喋らず聞いている。

 いや、ふざけてるとか、聞き流してるとかいうわけじゃないが、話の展開が早いのだ。

 つまりわからん。


「まあ、とにかく奴らがこっちをおびき出そうとするならダンジョンの可能性も高い」

「それならもう対策はしてるわよ」


 黒帯の言葉にかいしさんはそう言う。

 どうやらとっくにそんなことは済ませていたらしい。

 優秀だな。


「最終的にどこに飛ばされて戦うにしても、すぐに現場に迎えるようにするのが大切ですね。十中八九、最初に被害が出るのは市街地でしょうし」

「そうだな。【Nest】ととしては国民が襲われた場合最優先事項となるのがそこだ。こちらをおびき出すにはそれが手っ取り早い」


 ふむふむ。

 まあ、よくわからんが人に危害が出た場合ネストは罠だとわかっても行くしかないということだろう。





 



「伊織君何食べる?」

「えーどうしよ」


 会議は終わったようだし紗奈と何を食べようかと話す。

 いつの間にか眠っていた会議だが別に寝てたわけではない。


「伊織口によだれついてるよ」

「え?いや、違うけど」

「何が違うのか分からないけど、ごはんなら凛香が何か作ってくれてるみたいだよ」


 そう言った、蒼介は一枚の写真を見せてくる。

 スマホに映るのは仲良さそうにキッチンに立っているゆあさんと凛香さんだ。


「じゃあ、そのまま帰る?」

「そうしよ。家には連絡しとくから。伊織君と紗奈ちゃんで泊まるって」

「あ!私も手伝いたいから早く行こ!」


 と、まあ、そんなこんなで帰ることになった。

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