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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第八章 赤翡翠高校編
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147話 愛想も小想も溢れ出る


「あの、俺本人の感想としてはなんか今まで無理やり出してた二種の魔法を同時に出せるようになった感覚なんですけど」


 芥生先輩にどんな感覚だったか聞かれなんとなくで答える。

 今までは闇炎を使って片方しか出せない魔法を時間差で起動させて俺の意思で片方、登録させた方を自動で発動して結果的に重なって両方同時ぶっぱって感じだったのだがさっきのはなんていうかそもそも別の魔法をではなく混ざった状態の物を出していた感覚だった。


「お前の闇炎だっけか、その情報は聞いているが説明端折り過ぎじゃねーか?」


 そうかな?

 特に何も言われたことないんだが。


「まあ、いいけどよ。それで考えられる可能性は――」

「喰魔が魔石を喰い切り、更に融合した」


 芥生先輩に被せるようにイオは言う。

 なんか、凄いな。

 俺本人より分かってる感出てる。


「ということは伊織が魔法を習得当初にイメージしていた混合魔法のようになったって感じだね」

「あーそういえば」


 ほぼ覚えてないがそれをしようとして完成したのが闇炎だった。


「でも、俺が聞いたノイズは?」


 俺が寝ている間の会話で行っていたらしいがイオも喰われるときも聞いたというあれは何だろうか。


「それは喰魔が喰うときの音じゃないんじゃないかな。僕だと断言はできないけどさっきの会話からはそう考えられると思うよ」

「私もちゃんと理解してるわけじゃないけど恐らくこのノイズのような音は自分自身が出す警報のようなものだと思います」

「警報?」


 そんな便利なものが?


「伊織君も怪我した時痛みで怪我したってわかるでしょ?逆に痛みがないと気付かなかったり。多分そんな感じだよ」

「なるほど?」


 未だくっついている紗奈が教えてくれる。

 多分喰われたときに何かが破損したとかの音ではなくてそれを知らせるための信号のようなものだろうか。


「まあ、それは良いとして何で魔石喰われただけで聞こえたんだ?体の一部でもないのに」

「おいおい、津田。魔石だって体の一部だろ、というかわかりやすく言うと器官だ。だから命令伝達はもちろんエネルギーは体とリンクしてなきゃなんねーだろ」

「そうなんすか」

「ああ、恐らくな。それで、今まではそこ以外は喰ってたが最後の一口ってところで丁度体とリンクしてたそこも喰われてってことじゃないか?それが意図的に喰われたものか魔石と誤認して喰われたものかは知らないがな」


 まあ、そういうことらしい。


「すまんこれで俺は抜けさせてもらう。こいつが起きなかったらもうちょっと居ても良かったが起きた上に情報もある程度確定したしな。もし、結論が変わったらメッセでも送ってくれ蒼介」


 いきなり立ち上がった芥生はそういって部屋のドアを開ける。


「あー後津田」

「あ、はい」

「紗奈ちゃん大事にしろよ」

「あ、はい。もちろんです」

「じゃあな」


 そういって先輩はドアを閉めた。

 紗奈は俺を抱きしめた。

 なんちって。








 先輩が返った後紗奈や蒼介もまだ試合があるということで残りのイオたちにお礼を言って解散した。

 それと俺の試合は不戦勝ということで相手が勝ったらしい。

 それとさっきちょっと耳に入ったんだがなんか俺が試合から逃げたと噂がたってるようだ。

 まあ、ぶっ倒れてすぐに起きて人前に出たから俺がぶっ倒れたという情報がないままただ試合に出なかったという事実だけが残ってしまった。

 正直これだけならよかったのだが(よくはないけど)この噂に伴いなんか失望されているとかなんとか。

 というか張本人であるため直接的な情報は入ってこないがなんだか大げさにも感じるような反応で戸惑った。

 なんか、芸能人が不倫した時くらいのあれを醸し出されてつらかった。


「俺はもう何もないけど二人は頑張れよ」


 負けた俺はすることもないためエールを送っておく。


「とは言え、伊織は一回勝ってるから七祭は出ることは忘れちゃだめだよ」

「一緒に頑張ろうね伊織君」

「うん」


 完全に忘れていたが何食わぬ顔で対応しておく。

 ポーカーフェイスを忘れるなとどこかの白い奴も言っていた。


 とは言えまずは魔法について考えないとな。


 ――ボッ!

 

 紫の炎は俺が人差し指を立てると指先に灯る。


 先ほども暴発したしまずはそういったことがないようにしないといけない。

 それが終わったらいろいろと試して戦闘スタイルも考えないといけないだろう。


 でも今は二人を見守ることにしよう。

 俺は若干の視線を感じながら席に座りやはり耐えられなくなって目立たない柱の下に行きかっこよくもたれかかった。

 結局視線はそれなりにあった。

140話の冒頭は時系列にはこの次の日あたり。

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