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天より落ちし光の柱は魔石を運ぶ  作者: えとう えと
第八章 赤翡翠高校編
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125話 人生が左右するほど本当にやらなければならないときでも結局何もできない奴もいる

実のところ昼神編を除いて主人公はこの作品で秋と冬しか過ごしてない。

だから水着会がないのかな?

別に僕がそう言うイベントの経験がなくて書けないとかじゃないです。


 季節は移り変わり随分と寒くなってきた。

 ん?今までも寒かっただろって?

 甘いね君たち。

 もうすでに君たちを俺は追い越している。

 何故ならもうあれから一年ほどたっている。

 まあ、つまるところ今は中学三年の冬だ。


「おはよ。伊織」


「おはよ」


 いつものように蒼介と挨拶をかわす。

 何故かって?

 同じクラスだからだよ。

 いや~いくら喋れる奴が増えたとはいえ三年になってそいつらがいなければボッチに逆戻りだ。

 しかしそんな心配はいらなかったようだ。

 アニメ、漫画のご都合主義よろしく蒼介をはじめ、上木(金髪)ヒヨウ(可愛い)百目鬼(イケメン)も同じクラスだ。

 どうせみんな名前なんて覚えてないだろうけどな。


 とまあそんなわけだが特に変わったことはないと思う。


「そう言えば伊織は準備とかはした?」


「準備?」


 はて?何のことやら。


「赤高の試験の準備だよ」


 赤高というと俺が推薦だか何だかをもらっている確か正式名称は……赤翡翠(アカショウビン)高校だったか。

 あんまカッコいい名前じゃないんだよなぁ。

 わかりづらいし覚えづらいし。

 なんだよアカショウビンって醤油瓶みたいな名前しやがって。……あれ?あんま面白くないな。小便とかの方がいいかな。なんだよ赤小便って。……これも滑りそうだな。なんか血尿みたいだし。


 それはそうと俺は試験を受けなくていいはずだ。

 よく知らんけど。


「俺は必要ないんじゃ……?」


「いやあるよ。それにシトイさんも言ってたでしょ」


「俺の場合は特別で強制って言ってたのに?」


「だとしても普通はするでしょ。【Nest】試験のことを考えればわかるでしょ」


「まあ、それは確かに」


 そういえばネストも特例で入ったが級を決めるために試験は受けたな。


「で、それいつ?」


「次の日曜」


「そんないきなり!?」


「いやいきなりって……担任の先生もいろいろと言ってたのに」


 そういえばこの一年受験しないと思ってたからその代わりに出来ないところの復習をやろうと思ってたのだが、机に向かっても何もできなくて。

 そんな時先生が二時間とかじゃ足りないからねとかいうから皆が家で勉強六時間やったとか言い出したから俺も勉強(机の前にすわった)したとか言ってたら。何もしてないのにやった気分になって結局何もできなかった。

 そしてついには皆頑張ってるなーとか思いながら試験日なんて把握していない。


 というか皆試験受けたとかいうからもう終わったものだと思ってた。

 公立と私立って試験日違うんだね。

 ていうか公立とか私立ってなんぞや?


「で、何準備すればいい?」


「恐らく伊織の手続きとかもろもろはどうせ自分でもやってないし先生とかに言われても自分は必要ないとか言ってそうだからもう試験受けるとか以前に無理そうだけど――」


「マジかよ!?てか申し込みとかするの?なんか勝手になるんじゃないの」


 やばい。終わったかもしれない。


「ちょっと話は最後まで聞いてよ。普通ならその可能性が高いけど恐らく【Nest】の方で手続きは済ませてくれてると思う」


「え?マジ?」


「多分。伊織のそういうところは【鳰】さんとかも把握してそうだし。取りあえず端末に何か来てないの?」


「あーなんか来てたかも」


 俺はそんなあったような、なかったような記憶を思い出しながら端末を取り出す。

 すると案の定ネストから試験についての通知が来ていた。


「お!お前らも受けるのか?」


 そうして内容を確認した時もう見慣れてしまいアイデンティティにもならなそうな野生の金髪が草むらから飛び出してきた。


「金髪も受けるのか?」


「ああ、赤高だけど、お前は?」


「俺も同じだけど、らって?」


 らと付くからには他にもいるのだろうが。

 そんなことを考えているとまたもや見慣れた顔がやってくる。


「私と百目鬼君だよ」


 ヒヨウは自分と百目鬼を指さし教えてくれる。


「そうなんだ。知ってたか蒼介」


 知り合いがいた方が高校生活のスタートは切りやすいとなんとなく考えながら蒼介に訊いてみる。


「もちろん知ってたよ。面接練習も学校で一緒にやったし」


「え?面接もあるの?」


 聞いてない。

 知らない人と話せない。


「津田、お前あれだけ担任が力入れてたのに知らなかったのか。担任が訊かれた質問には答えにプラスしてなんか答えろとか散々」


 百目鬼が何かおかしなものを見るような目をする。


「というか面接ノートみたいなのに皆で質問に対しても答え方とかいろいろ考えたはずなんだけど」


 蒼介にそういわれるが全く覚えがない。

 自分で言うのもなんだが俺ってどうやって生きてんだろう。

 いや、案外幸せなのかもしれない。


 まあ、いい話を変えよう。


「そう言えばお前ら何で青高じゃないんだ?地理的にはそっちだろう」


 正直ゲートを使えば変わらないがだとしてもほぼ設備が変わらない(知らんけど)のだから選ぶ基準としては家からの近さとかで決めると考えたんだが。


「それは皆で【Nest】とかの学校行きたいねって話をしてて。それでいろいろ知ってそうな蒼介君に聞いたら赤高行くっていうから」


「そうなんだ。そういえば何で蒼介は赤高なんだ」


「それこそ伊織が行くからだよ」


 俺のこと好きかよと思ったが何やら学力だけでなく想像力というか地頭もあまり良くないとか言ってきやがった。

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