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109話 バカ!手本を見せてやる!ストーキングってのはバレないようにやるんだよ!

多分本来なら此処でリアルが忙しくてと言うんだろうけど生憎忙しいと感じるリアルは持ち合わせていません。(友達もいないし)

と言うかむしろ春休みだから此処一週間は何もありませんでした。

ごめんなさい。


「なにしてんだ?あれ?」


 物陰に隠れたトシユキは一人呟いた。

 その視線の先にいるのはフヅキ、そしてその対面にはフヅキに負けず劣らずの美少女が座っている。


「トシユキくんこそ何してるの?」


 思わずかけられた声に硬直しそうになるがそれを振り切り振り返る。


「……ヒカリ!?」


 それはつい先日高校で再開した同級生の女子、ヒカリだった。

 普段のトシユキならぎこちないながらも挨拶くらいはしただろう。

 しかし今はそんな状況ではない。

 はたから見たら完全にトシユキの行動はストーキングである。

 こんなところを見られたら社会的に終わる。というか、自分の生活圏内、それでいて今ストーキングしている相手の知り合いとなれば余計にまずい。


「あっあのこれはその……!」


 今現在弁明しようとフル回転する頭のスピードが早すぎて口が追い付かないのか、それとも頭の処理が追い付かずに言語化が追い付いていないのかはわからないがとにかく焦っていた。

 口から出る言葉ともつかない声は最早典型的な陰キャのそれだ。

 ん?あれ?だとしたら平常運転じゃね。

 なんて考えが頭をよぎり、すでに思考を放棄していた。


「お、落ち着いてトシユキくん、ゆっくりでいいから」


 何と慈悲深い事だろう。

 女神ではないだろうか?

 そんなことを考えながらトシユキは心を落ち着かせる。

 なにもトシユキだってこういった趣味はないのだ。

 少し落ち着いたトシユキは説明を始めた。








 少し遡り数十分前。


 トシユキはせっかくの休日ということもあり少し駅前にきていた。

 単に最近ネットで広告を見てまんまと戦略にハマり、続きが気になってしまった漫画を買いに来たのだ。

 昔は間違えてタップしない限り押すことなどなかったのに、最近は気になると何でも押してしまう。我ながらなんともちょろいなとトシユキは思う。


 だがそんなときクラスのマドンナかは知らないが間違いなく美少女であるフヅキを見つけた。

 だから何だという話ではある。実際、普段だったらすぐに目をそらして家に帰っていただろう。

 しかし、もう一人現れたのだ。

 何がって?

 美少女が。


 フヅキが可愛い系だとするともう一人の美少女はカッコいい系だ。

 なんか成長したらキャリアウーマンとかになりそうだ。

 トシユキは昨日漫画で見たそれっぽい知識で考えた。

 ちなみに本来のキャリアウーマンの意味は理解していない。あくまでよくあるイメージに当てはめてるだけだった。


 そしてそんなことを考えていたら二人は移動してしまいそれを追いかけたら引くに引けなくなったのだ。







「もしかしてそれがさっき言ってた漫画?」


 ヒカリが傍らに置いてある紙袋を指さす。

 紙袋には本屋のロゴがでかでかと書かれている。


「うん、まぁそうだけど」


 こんなにでかでかと本屋のロゴが入っていて違うともいえない。


「へ~どんな本なの?」


 妙に食いついてくる光に戸惑うが女の子だから漫画を読まないわけでもないと思った。

 トシユキはここ数か月女子と話していないせいか男子校でもないのに女子に理想を抱くようになっていた。


「えーっとこれは……ってそこじゃないでしょ」


 別にそっち系の漫画でもないしいいかと思いながら教えようとするがよく考えてみれば重要なところはそこではない。

 ちなみにそっち系の本はネットでしか買わない。


「追いかけちゃって引くに引けないって話だよね」


「う、うん」


「でも、なんか終盤妙に話の内容薄いし」


 それは知らねぇと思ったが、強いて言うなら瞬間的に動いたから理由も何もない。


「まぁ、でもわかるけどね。なんかあるよね、変なことしちゃうとき」


 うんうんと頷きながらパニクったときとか普段しない事とかしちゃうよねと言っている。


「よし、じゃあ、私も一緒にやる!」


「いや、なんでだよ!?」


 引き際を見つけたから帰ろうと思ってたのに。

 というか、どういう思考回路してんだ?


「ほら、人間見た目だけじゃなくて中身も変わらないと変われないんだよ」


「よくわからんし何の話?」


「私ってあか抜け頑張ったんだけど見た目だけじゃなくて行動も変えようと頑張ってるんだよね」


「よくわからんけど、見た目が変われば自信がついて行動が変わってくるんじゃねーの?」


「それにトシユキくんだって女の子の私といれば捕まらないよ」


「ここでやめれば捕まらないんだが」


「それに私たちでカ、カップルの振りすれば怪しまれないし」


「いや、俺は帰――」


 え?今なんて?

 カップル?

 それってあれだよな?

 キャッキャウフフのあれだよな?


「し、仕方ないな。少しだけ付きやってやろう」


「よし、決まりだね。見失っちゃうから行こ!」


 女の子に手を引かれてる。

 これって青春だよね?

いやーインキャいないと書けないんだよね。

このまま主人公が出ないとインキャの比率が高くなりそう。トシユキ君は一生インキャで頼むよ。


それと3月中は頑張るかもしれません。あと数日だけど


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