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ヤバい宗教のマスコミ向け説明会に潜入

受話器を上げる音が聴こえてクロエが問いかけると、少しばかりの沈黙の後、女性の声がした。


「はい。ピッピンプンスカ教会広報部です」


「あ、こんにちは。すみません、少しお尋ねしたいことがあるのですが」


「取材関係でしょうか?」


「取材というか、人探しなのですが……」


「人探し……ですか」


明らかにめんどくさそうな声色に変わる。


「ええ。実は……」


クロエが聞き出そうとすると、広報部よりストップがかかる。


「あ、すみません。こちらは広報部になっておりまして、取材やマスコミ対応の部署になるんですよぉ〜」


申し訳なさそうな声色を出してはいるものの、明らかに面倒くさそうな雰囲気が伝わってくる。


「そうですか。ですが、ここしか電話番号が分からず……。それでは、担当部署に繋いで頂けますか?」


すると、少しの沈黙の後、女性は言った。


「取材関係以外は、HPの"お問い合わせフォーム"へお願いしておりましてぇ〜」


「急ぎなんです。ご対応頂けませんか?」


クロエも少し語気を強くした。


「規則なんですよぉ〜。申し訳ないんですがぁ〜」


「………そうですか」


クロエが諦めようとすると、カトリーナが電話口に向かって声を上げた。



「じゃあ、取材なら受けてもらえるんですか?」



「お、おい、カトリーナ……」


少し苛立つカトリーナを俺は制止しようとするも、その手をはたき落とされた。


「取材ですか?人探しでは?」


電話口の女性も少し疑うような口調になる。


「はい。人探しの企画なんです」


「………?それは、当教会に入信されてる方を探しているということでしょうか?」


「そうです。家族の方から依頼されたんですが、その家族もピッピンプンスカ教会に入会したいそうで、娘さんに詳しい話を聞かせてほしいと思ったのですが、連絡が取れないと言ってるんです」


「そうでしたか。ですが、個別のご質問に関してはこちらではお受けできませんので……」


「わかりました。それじゃあ、広報部から教会について、マスコミ向けにご説明する機会などはありませんか?ご家族に教会についてだけでもご説明したいので」


すると、広報部の女性は少し穏やかな声になった。


めんどくさそうな話から一気に一律の対応で可能な案件になったからだろう。


「それでしたらちょうど明日、教会本部の5Fにて、広報部が主催するマスコミ向けの入信プランのリリースがあります」


「入信プラン?」


「ええ。新しい入信プランで、年間一括払いのお布施が厳しい人でも入りやすいように、お布施のリボ払いができるプランです。画期的ですよぉ〜」


明らかに商業的で貧乏人からも搾取するようなプランだが、声の感じからして、とても力を入れているビジネスモデルのようだった。


「それは良いですね。そのご家族も含め、ぜひ色々な方に知ってもらえるようこちらも宣伝させて頂きます」


「ありがとうございます。それでは、入館証を発行しておきますので、媒体名をお伺いしてもよろしいですか?」


「えっと、カトサタ……あ、いや!日刊キンダイです!」


「日刊キンダイ?あまり聞いたことな……。あ、失礼しました。では、明日、1F受付にて媒体名をお伝え下さい。入館証をお渡しさせて頂きます」


「あ、ありがとうございます。明日楽しみにしています」


「こちらこそ。では、よろしくお願い致します」


そう言うと、女性は電話を切った。



「ふぅ〜!なんとかなった〜!」


カトリーナが深くため息をついた。


「おー!よくやったな!マジで良い切り返しだった。すごく自然な感じで潜入できそうだ」


俺はカトリーナの機転を称賛した。


「ええ。あの広報部の方のテンションで私は諦めそうになってしまいましたが、さすがカトリーナさんです」


「見たか、サタン!敏腕マネージャーの力を!」


「へーへー。すごいすごい」



「後で4000文字以上で感想文書けよ」



「めんどくせーよ!」


ひとまず俺たちは怪しまれることなく、マスコミとして潜入できることになった。


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