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暴露系プーチューパー『ギャーシーch』に続け

「じゃあそろそろ行くわ」


俺はイスから立ち上がると、カトリーナ、メイジー、クロエも立ち上がった。


「みんな!元気でね!」


カトリーナも笑顔で挨拶する。



「あの……サタン様。ありがとう……」


大切なとうもろこしをくれたミアが笑顔でお礼を言ってきた。


それに続き、子供たちが親に背中を押されて前に出てくる。


「「「サーターンさーまー!あーりーがーとーう!」」」


「ふっ……」


恥ずかしくなった俺はクルッと回転し、鼻の頭を掻いたが、純粋な感謝は素直に嬉しかった。


「では、サタン様。まずはペペロニアへ戻りましょう」


メイジーが言った。


「ああ。そうしよう」


「その前に、この駐屯地のクレイグ中尉に挨拶だけさせて下さい」


クレイグ中尉は、今回マルタの村人への配給を快く引き受けてくれた恩人だ。


普通、いくらメイジーの親父から口添えがあったとしても、帝国への反乱軍だった者たちに対しては嫌な顔くらいしそうなものだが、それすら無かった。


それどころか、マルタの子供たちと一緒に走り回ったり、気さくに接してくれた。


「ほんとクレイグ中尉には世話になった。挨拶していこう」


俺は無償の施しをしてくれたナイスガイにお礼を伝えるべく司令室へ向かった。





司令室に入ると、金髪で長身、筋肉隆々のクレイグ中尉がニカっと笑ってこちらに駆け寄ってきた。


「オーウ!サタンサン!ミンナ、オナカイッパイニ、ナリマシタカ?」


テンション高めのカタコトを言いながら、俺の背中をバンバン叩く。


「あ、ああ。マジで助かった。ほんとにありがとな」


「イヤイヤ!ワタシ、サタンサンノ、ファンデース!サタンサンニ、アエタダケデハッピー!」


「え?ファン?」


「ソウ!ギガントクラブノ、トウバツドウガト、キノウノ、カイゾク、デュートノ、バトルドウガ、ミマシタ!マジデカッコイイ!」


「見とんかい」


「アルコットカラ、オネガイサレナクテモ、サタンサントカトリーナサンノオネガイナラ、カンゲイシテマシタヨ!!ワタシ、アナタノチャンネル、スキデス!カトリーナサンモカワイイシ!コレカラモ、ガンバッテクダサーイ!」


「あ、ああ。サンキュー……」


俺はこんな上級士官の男でさえ、カトリーナと俺の動画を見てるのかと、改めて影響力にビックリした。


「ふん!でもね、聞いてよクレイグ中尉!サタンは動画配信なんて興味無いんだよ!」


「ソンナ……!サタンサン!ナゼデスカ!?」


まだ少し不貞腐れているカトリーナ。


「い、いや、興味ないってことはねーよ……」


「サタンさぁ、『カトサタンおんえあ』の登録者、今何人いったか知ってるの?」


「い、いや、知らん……」


「はぁ……」


カトリーナは首を振りながらため息をつく。


「な、何人?」


「35万人だよーー!!バカヤローー!!」


そう言うと、突然カトリーナは悔し涙をポロポロと流し始めた。


「さ、35万人!?」


クロエが思わず大声を上げる。


「ク、クロエ?」


「い、いえ。し、失礼しました。まさかそこまでのプーチューパーになっているとは……」


「え?クロエはプーチュープ見るの?」


俺は思わず聞き返す。


「ええ。今は携帯ポーポーがありませんが、メイジー宅で給仕している際は、常に動画流して仕事するほど好きです」


「いや、意外と不真面目かい!」


「いえ、バラエティではなく、真面目な書評系の動画です」


「動画内容の話じゃねーわ」


「ですが、昔からやってるトッププーチューパーは登録者1000万人の人もいますが、配信者が増えた昨今、最近始めた人で100万人超える人はほぼいません」


「マ、マジか……」


「サタン様とカトリーナ様が出会ってからの伸び方で見ると、暴露系プーチューパーのギャーシーchにも引けを取らないかと」


「なんだそのギャーシーchって」


「帝国内で詐欺まがいのことをしていた人物ですが、自分が窮地に陥った時に、かつてお世話した著名人が助けてくれなかった、という怒りで、著名人がやってきた全ての悪事をバラそうとするチャンネルです」


「すごい怨嗟がこもったチャンネルだな」


「ええ。そのチャンネルくらいの勢いがあるので、『カトサタンおんえあ』は、今この世界で有数の伸び方だと思います」


「そ、そうなのか」


「わかったかサタン!あたしだって頑張ったんだ!!それに、さっき動画でマルタへのクラファンも募って、みんなが支援してくれるって決まったんだぞ!!」


「そ、そこまでしてくれたのか……。わ、わかったよ。悪かったって」


「お願いだから●んでくれよ」


「いや謝ったのに!?」



その後、ブーブー言われながらも俺が謝ると、ようやくカトリーナの機嫌は直ったようだった。

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