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村長と事務次官の過去の繋がり

「まぁそんなわけで、俺たちは労働省へ向かってみる。ただ、その前にちょっと寄らないといけない所があるんだ。だから少し時間かかっちゃうかもしれないけど……ごめん」


俺は迷ったが、ひとまずマルタを反乱軍から引き剥がせたこともあり、まずはピッピンプンスカ教会へ向かうことにした。


父親を探すローエングリンのことも気がかりだし、そちらも早くしないと取り返しのつかないことになるかもしれない。


「ええ。ここまでやって頂いて、その上急かすことなどできませぬ。我々も強い意志で生き抜いてみせますぞ」


若返った村長の力強い笑顔に、俺は少し安堵した。


「それに、マルタへの物資に関しては、私がアルコット家の私財にて責任を持ってお届けするように致します。まだ公式とはいきませんし、税率が調整されるまでの間だけですが……」


「お嬢さん、ありがとうございます。ですが、そこまでお世話になる訳にはいきませんのぅ」


村長はメイジーの提案に優しく微笑んだ。


「で、ですが……」


「我々とて、無策で暮らしておった訳ではありません。万が一の時のための蓄財はまだございます。それに、今回の件でサタン様が動いて下さると仰ってくれているのです……。その間くらい、なんとかして見せましょう」


村長はニカっと笑う。


「そうですか……。ですが、何か困ったことがありましたら、いつでもご連絡下さい。私にできることであれば協力させて頂きます!」


メイジーも力強く応えた。


「ええ……。ええ……。我々は帝国とその直属の人間は悪であると決めつけておりました。が、どうやら勘違いだったようです。事務次官は素晴らしい方なのでしょう。こんなにお嬢さんを素敵な人間に育てたのですから……」


村長は少し目に涙を浮かべた。


「あ、そうだ。そのことなんだけどさ。事務次官の親父さんが村長に会ったことがあるって言ってたよ」


「な、なんですと……!?そんな上流階級の方が、こんな貧しい村出身の私とどこで……?」


「昔、親父さんが騎士団だった頃、プニパンの警備で大怪我したらしくてさ。マルタに寄ったら当時の婆さんに助けてもらったって」


「お、おぉ……!おぉ!覚えておりますとも!あの時は騎士の方が血だらけで村の入り口に倒れていて……。急いで運んで治療したのです……」


「たぶんそれだ」


「な、なんという巡り合わせじゃ……!あの時の青年が、騎士を経て、事務次官に……!?」


「ええ。父は今でもその話をよく聞かせてくれますわ」


父親にそのエピソードを何度も聞かされたのか、メイジーもはにかんだ様子で答える。


「なんと……!なんと……!」


「だからあの親父さんも、必ず力になってくれるよ」


「う……!うっ……!」


泣き出す村長の背中に村長補佐が手をそっと置いた。


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