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最強の海賊船長と吸血鬼の頂上バトル

しかし改めて村人たちを見ると、今度は俺が泣きたくなった。


あの時より、さらに皆、痩せている。


村人のほとんどは肋骨まで浮き出て、ほとんど骨と皮みたいな状態だ。


子供だけは優先的に食糧が配られているからかまだマシだが、それでも普通の子供に比べたらガリガリと言っていい。


「そ、そうじゃ!サタン様にお貢ぎ物をご用意せねば……。この戦い用に取っておいた最高級の猪の干し肉を……」


「いや、村長、あれももう無くなって……」


「いや、いいって」


「で、ですが……。我々はサタン様に何もお返しが……」


「もういいの!」


「うっ……。うっ……」


婆さんは再び泣き出してしまった。


「お前ら、ほとんど食ってないだろ」


「え、ええ。ここ数日はほとんど何も……」


「ダリア軍は食糧を配ったりしてくれないのか?」


「軍に加盟する前の最初の数日は配膳がありましたが、それ以降は何も……」


「そ、そうだよ!ダリア軍の人、ひどいんだよ!この軍に参加したらお腹いっぱい食べさせてくれるって言ってたのに……!」


「そんな約束があったのか」


「そう!だから、ずっと私たち待ってたんだよ!でも……耐えられずにお父さん……昨日死んじゃったんだよ!最後に私に、自分のとうもろこしくれて!」


子供が涙ながらに訴える。


「……そうか。つらかったな」


俺は大粒の涙を流す子供の頭をぐしゃっと撫でてやった。



「サタンーー!!」


村人と話していると、カトリーナたちが追いかけてきた。


「こっちだ」


俺は軽く手を上げる。


「バカ!なんで一人で行っちゃうんだよ!」


俺の身を案じたのか、カトリーナが珍しく単独行動を怒る。


「あ、ああ。すまん」


「動画回してないんだよ!」


「そっちかい!!」


俺はカトリーナの動画への執念に思わずツッコんだ。



ーーーガラガラガラガラ!!


ーーードォォォーーーン!!!


と、その瞬間、デューを吹っ飛ばした岩山から大きな音が聞こえる。


俺は真紅の瞳を発動して様子を見ると、デューがこちらへ向かって地面を蹴った所だった。


「カトリーナ!メイジー!クロエ!婆さんたちを頼む!全員安全な岩場の影へ!」


俺は避難を促すと、デューに向き直る。



地面を蹴って空中を滑空する男は、ものすごい形相で怒り狂っている………!


ーーーかと思いきや、ものすごくニヤけていた。




「なんだお前の顔!!」



「いやぁ〜!楽しいなぁ……っと!!」


その勢いのまま、俺にパンチを放ってきたので、とりあえず受け流す。


「キモいわ!」


マジ蹴りを食らった男とは思えぬニヤケ顔に思わずツッコむ。


着地したデューはこちらに向き直る。


「誰かと思えばお前プニパンの時のジュース強盗じゃねぇか!」


「ちっ……。覚えられてたか……」


「あん時は一杯食わされたからよぉ〜。俺のパンチ避けられる奴なんてまずいねぇし、そりゃ覚えるぜ」


首をコキコキ鳴らしながらデューは答える。


どうやら先ほどの蹴りも大したダメージは無いようだ。


「ジュースの件は俺の方が先だった。殺人パンチ食らう筋合いは無いはずだ」


「そうだったかぁ?あんまし覚えてねぇなぁ。ガハハハ!」


デューは豪快に笑った。


「まぁ、それはそうと、マルタの連中はもう勘弁してやってくれ。あいつら何もしなくても腹ペコで死にそうなんだよ」


「なんだ?マルタはお前の"縄張り"か?」


「まぁそんなようなもんだ。あんまいじめてくれるなよ」


するとデューは腕を組んで考え始めた。


「……そうだなぁ。じゃあ兄ちゃん、俺とケンカしようぜ」


「は?」


「だから一戦交えるんだよ。俺が満足したらマルタには手を出さないでやってもいい」


あまりにも強引な提案にめんどくささMAXになる俺。


「やだよ。めんどくさい」


「あっそ。じゃああの婆さんから血祭りに上げてやるぜ」


そう言うと、マルタの婆さんが隠れる岩場をギョロリと睨んだ。


「ほんとめんどくさい野郎だな。今度トロピカルジュースおごってやるから……」


俺は婆さんとデューの直線上に素早く移動して交渉する。


「お前が来ないなら俺から行くぜ!」


そう言うと一瞬で俺の目の前まで移動してきた。



(早っ……!)


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