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父親探しの依頼料は少年の"動画出演"

その後、クロエが全ての客を気絶させ、店内は静かになった。


少年が尻もちをつきながら目を丸くする。


「び、びっくりした……。や、やっぱり強いんだね……」


「あいつがな」


俺はクロエを指差して言うと、クロエはメイジーの服に付着した怪物ウニをおしぼりで拭いていた。


「そ、それで……。サタンさん……。父ちゃんを探してくれる……?」


少年が目線を逸らしながら聞いてくる。


「えー?タダで?」


「そ、それは……」


少年は涙目になった。


「お、おい。サタン……。確かにそうだけど言い方ってもんが……」


カトリーナが微妙な気遣いをする。


「ま、俺もピッピンプンスカ教会には行く予定だったし。行き先は一致してるけど、タダ働きはしない主義なんだ」


「………」


少年は唇を噛む。


「それに、将来お前が『人間は善意で助けてくれるもんだ』って思うのも良くない」


「そ、そんなことわかってらぁ!誰も助けてなんかくれないって!」


少年が立ち上がって拳を握る。


「じゃあさ。この子にも仕事してもらえば良いんじゃない?」


カトリーナが笑顔で提案する。


「仕事って?」


俺は耳をほじほじしながら聞き返した。


「うん!だから、この子にも『ピッピンプンスカ教会の闇を暴いてみた!』動画の出演者になってもらうんだよ」


カトリーナは自分の思いつきに胸を叩いた。


「し、出演者?」


少年も驚いた声を上げる。


「そう!お父さんのこととか、怪物ウニの話とか、ピッピンプンスカ教会の闇をぜんぶこの『カトサタンおんえあ』の動画にぶつけるんだ!」


「ぶ、ぶつけるって……」


「思ってることを全部話せばいいんだよ!それで再生回数が上がれば、私とサタンも人気になってお金になるし!」


カトリーナなりの優しさだったのだろう。


その粋な提案をされてしまっては俺も諦めるしかなかった。


「ったく。わかったよ……。今回だけな。次回依頼する時はお小遣いで10000万ギルは用意しとけよ」


子供にはありえない金額に「ははは!」とみんなで笑い合う。


「サタン様とカトリーナさんはお優しいですのね」


メイジーもほほほ、と笑う。


そんな優しい雰囲気に包まれた店内に、少年の声が響く。




「え、個人情報特定されるから嫌なんですけど」




「「「おい!!!」」」




思わず全員でツッコむ。


「ガキが個人情報なんて気にしてんじゃねぇ!!」


「そこは"パァァ"とか笑顔になるとこだろ!!なんだお前!!!」


「ま、まあまあ……」


「気持ちはわからなくもないですが……」


各々が声を上げる。




「特定されたら責任取れるんですか?」



「うるせーよ!!」



俺はガタガタ言う少年をなんとか説得すると、動画を撮るため店を出た。


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