怒りのデコピンで高さ30メートルまで打ち上げる
俺が放った顎デコピンの衝撃で男を10メートル以上空中に吹っ飛ばすと、俺は翼で飛び立って男と空中で話し始めた。
「……俺さ、さっきまで『やっと死ねた~!』とか思って、めっちゃ嬉しかったんだよね」
「ひぃぃぃーーー!」
ビビった男の悲鳴が響く。
「でも起きてみたら、なんか普通に生きてるし、またニコルくんに殺してほしいってお願いしなくちゃいけなくなっちゃってたわけ」
「な、なに言ってんの……」
「しかも目の前にはお前みたいなゴミクズがいて、おばあさんに対する胸糞展開を見せつけられたわけ」
男は何が起きてるかわからず、目をパチクリさせる。
「その罪により、もう一発打ち上げまーす」
そう言うと、デコピンをもう一発顎にぶち込む。
「ぶっふぇぇえぇえ!!!」
男は空中10メートルの位置から、さらに10メートルほど上空へ打ち上げられる。
そして下を見た瞬間、落ちてしまう恐怖で青ざめた。
そんな男を翼で追いかけ、空中20メートルの位置で首を掴み、会話する。
「こ、殺さないで………」
男は何が起こっているかわからないものの、俺に命を握られていることだけはわかったようだった。
「おばあさん殴るとか、俺的には胸糞レベル5だったから殺してもいいんだけどなぁ~。あ、ちなみに胸糞レベル5ってどれくらいかって言うと、『母親と同居する交際相手に子供が殺されたニュース』を見た時と同じレベルね」
「や、やめて……」
男は恐怖で震え上がる。
「子供を愛せる覚悟が無いんだったら……一緒に住んだりとか………!!してんじゃないよーーーー!!!」
その怒りに任せて、男の顎をさらに上空へ向けてデコピンした。
「ぶっげぇぇえええ!!!」
さらに10メートルほど上空へ向かって男は吹っ飛んでいく。
追いかけて首を掴むと、いよいよ落ちたら確実に死ぬ高さになった。
「い、いやだぁぁぁ!!し、死にたくねぇぇぇ!!!」
あまりの高さに男は半狂乱になる。
そんな彼に向かって俺は語りかける。
「まぁお前に言ってもしょうがないけどさ。でも、老人とか子供に暴力振るっちゃいけないよ。そんなことする奴にはなぁ……!!同じ目に合わせてやりたいって、国民は思ってるぞ、この野郎ーーー!!!………あ、ヤベ」
国民の怒りを熱弁していたら、誤って掴んでいた首を離してしまった。
「う、うわぁァァーーーー!!!」
落下していく男。
俺はため息をつくと、落下していく男を追いかけていった。