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最強の海賊『デュー』という男

撮影を終えて宿を出ると、相変わらず昼間のプニパンは賑わっていた。


「活気すごすぎるんですけど」


俺は手をかざして日差しをカットしながら呟く。


「サタン。あのぶっ壊したジュースの露店、どうなってるか近くで見てみよう」


跳ねるようにカトリーナが走り出す。


「やだよ!見つかりたくないんだけど!」


「行ってるよー!」


「おい!」


俺の制止など一切聞かず、カトリーナは人混みの間をスイスイ進んで消えていった。


「ったく……。火事の後に犯人が現場見に来るってこういうことだよな……」


照りつける日差しに舌打ちしながら、俺も仕方なく後をついていった。





新調されたトロピカルジュースの露店が見えた所で、俺はキャンディー屋の影に隠れて様子を伺う。


「おい、あんた……」


あまりの怪しさにキャンディー屋の親父が話しかけてくるが、俺は店主の方を向くことなく手で制した。


「すぐ行くからちょっと待ってくれ。あそこのジュース屋の様子が見たいだけだ」


「いや、そうじゃなくて……」


「だからちょっとだけ待ってくれって」


「いや、だから……」


「あーもう!なんなのあんた!ちょっとくらい隠れさせてくれても良いでしょうが!!この、どケチ!!」


俺が怒りながら店主の方を向くと、見覚えがある顔がそこに立っていた。


「店壊されたらどケチにもなるんだが?」


「げっ……」


そこにいたのは、俺とデューがぶっ壊したジュース屋のおっさんだった。


「な、なんでおっさんがキャンディー屋に?」


「色々手広くやってんだよ。今日俺はキャンディーで、トロピカルジュースは息子にやらせてる」


ジュース屋を見ると、店主の息子らしき若い男が店頭に立っていた。


「ったく、あれから大変だったんだぞ?」


おっさんは俺とデューによるケンカの後のことを語り始めた。


デューの拳によって大破した店を目の当たりにし、膝から崩れて呆然としていた店主。


しかしすぐにデューはそんな店主に頭を下げて謝罪したとのことだった。


「逃げた誰かさんと違ってデューさんは対応が早いよ」


「くっ……」


そして、お詫びに前より豪華な最高級の素材で露店を作ってプレゼントしてくれたらしい。



「親父、店壊して悪かったなァ!またうまいジュース売ってくれィ!」



海賊たち10人ほどで手早く作業すると、豪快に笑いながら船に乗り込んで行ったという。



「それじゃ、俺が悪いみたいじゃん」


「そうだよ」


「いや、そうではないだろ!!壊したのはデューだろ!」


俺は抗議したが、デューの男気を見せられた店主としては、逃げ出した男の言うことなどもはや耳に入っていなかった。


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