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ヤバそうな宗教に洗脳されている娘を連れ戻す依頼を受ける

俺はガリレオの依頼を改めて聞いた。


「お前たちに頼みたいのは、"ピッピンプンスカ"教会の調査だ」


「え?なに教会だって?」


「ピッピンプンスカ教会だ」


「なんて?」


「もういいだろ!"ピッピンプンスカ教会"だ!!」


ガリレオに何度も言わせるための問い返しはカトリーナに阻まれてしまった。


「教会ってことは神様を崇める的な?」


「うむ。ペペンという神を信仰している一神教で、ここ10年くらいで一気に広がった」


ガリレオは真っ直ぐ机のロウソクを見つめながら言った。


「まぁ信仰自体は自由だしな。じいさんは何をプンスカしてるんだ?」


「そのピッピンプンスカ教会の大司教、『エーギル』に私の娘のマリアが"洗脳"されているらしいのだ」


「せ、洗脳?」


急にきな臭い話になってきたため、俺は眉をひそめた。


「そうだ。どうやったのか知らんが、エーギルは娘の心に神の存在を植え付け、今では最愛の娘も無視して布教する側に回っている」


「自分の娘も無視ってのは只事ではないな」


俺は少し目を細める。


「それだけではなく、入会を拒む者に対し『あなたとその大切な家族に罰が下る』と予言し、実際に家族ごと何人か消えているそうだ。娘が関わっているとは思いたくないが……」


ガリレオは俯く。


「それはヤバすぎるだろ。なんなんだその教会」


「それに、娘の夫であるケントが説得しに行くと言って教会に向かったが、その後帰ってこない」


「マジか……。じゃああんたの娘夫婦の子供は今はあんたが預かってるのか?」


ガリレオは黙って頷いた。


「私は、あの教会は"洗脳と恐怖"で規模を広げていったのではないかと推察している。実際に巨大化したことで、帝国にも対等な取引を持ちかけたりしている」


「圧倒的な権力を持つ組織にするために信仰を利用している、ってことか」


「恐らく。その疑惑の中心にいるのが大司教エーギルだ。お前たちには奴の素性を探るとともに、私の娘を教会から解放してやってほしい」


「まぁ信仰の話だから、強制はできな……」


「そんなわけがあるかーー!!!マリアは疑り深いことで有名だ!!子供の頃から地面に落ちてるヘアピンすら虫かと思って2メートル迂回するほど!!そんな怪しげな信仰などにハマるものかぁーーー!!」


あまりの絶叫にテーブルの食器がカタカタ揺れる。


「わ、わかったよ……」


俺はその勢いに押され、娘の洗脳説に同意してしまった。


「とにかくエーギルになんとか接触し、娘の解放を約束させてくれ。奴を生かすも殺すも判断はお前たちに任せる。報酬は50000ギル払おう」


そう言うとガリレオは立ち上がった。


「人間の説得だけなのにカニ討伐より全然高けぇじゃねーかよ!!価格設定どうなってんだ!!」


「うるさいわ。それにエーギルのやり口の汚さは人間離れしとる。注意しろ」


ガチャリ。


その瞬間、俺たちがいる居間の扉が開いた。

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