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めっっっちゃでかいカニのモンスター現る

「ま、巻いたか?」


俺たちはしばらく走って原っぱに出ると、適当な石の上に腰を下ろした。


「はっ、はぁっ、はぁっ、はあっ」


カトリーナも息を切らして汗を拭っている。


「あいつがさっきのバカでかい海賊船の船長だったのね」


俺は勝手に納得していた。


(それにしても、かなり強かったな)


あの速さの拳を打てる人間は元の世界には恐らくいない。


異世界ならではの規格外の強さに一瞬ビックリした。


「はぁっ、は~~。……サタン、勘弁してよ!!あたし達の顔、バッドボブに割れちゃったじゃん!」


カトリーナはようやく息を整えると不満をぶつけてくる。


「そんなこと言ったってしょうがないじゃないかー」


俺はモノマネしながら抗議する。


「誰それ」


「なんでもかんでも母さんのせいにするなよー」


「だから誰なんだよ!」


カトリーナは異世界では知るはずもないモノマネラッシュを食らって辟易とした様子だった。


「まぁやっちまったもんはしょうがない。あんま気にすんな」


「いや、あたしじゃねーから!やったんお前だから!」


カトリーナが言うように、帝国も手を焼く超巨大海賊団の船長と派手にやっちまったのは事実だ。


言うなれば、一国の王にケンカを吹っかけてしまったようなもの。


色々な街にバッドボブの息がかかった人間がいるかもしれないと考えると、少し警戒はしないといけなくなってしまった。


(めんどくさいなぁ~)


俺は後ろでピーピー騒ぐカトリーナを無視して、ギガントクラブがいるプロンプニンの森に向かって歩き出した。





しばらく森に向かって草原を歩いていたが、ふと気になって俺は隣を歩くカトリーナに質問した。


「ってか、お前まだ一緒にくんの?」


俺はバッドボブに目をつけられたし、一緒にいると危険もあるかもしれない。


できれば安全な街に行ってしばらく身を隠す方が賢明だと思う。


しかしカトリーナは鼻で笑った。


「当たり前だ!貸した2ギル、利子すら返してもらってないし!それに……」


「それに?」


「サタンがマジでギガントクラブ倒せたら、プーチュープでライブ配信して再生数稼ぐんだ!!」


「またそれかよ……」


カトリーナの肩に乗るポーポー公爵がウィンクしてきた。


俺はため息をつきながら、木漏れ日が差す森の中へ入っていった。





「この辺のはずだけどな……」


老紳士ガリレオに渡された地図を眺めながら辺りをキョロキョロする。


「ん?」


カトリーナが何やら首をかしげる。


「どうした?」


「いや、な、何か、船酔いみたいな……」


確かにここら辺は地盤が悪いのか、先ほどからグラグラしている。


「少し休むか?」


「う、うん。ごめん、サタン。少し休む」


そう言うとカトリーナは地面から生える虫眼鏡のような形の謎の植物に背中を預けた。


ヌルヌルした巨大な山菜のような不気味な植物だ。


(異世界の植物ってところか……)


そして、カトリーナが一息ついた瞬間、背中を預ける虫眼鏡がツルンと"剥けて"中から黒目が現れた。


「カトリーナ!!!それ、目ん玉だ!!!」


「ええええええええっっ!!?」


慌ててカトリーナは目玉から背中を放すも、足場が崩壊していく。


「くっ!!ほら、掴まれ!!!」


俺はカトリーナの手を掴むと翼を広げて空高く舞い上がった。


「ぎゃぁぁああああ!!!た、高いよぉ~~!!下ろしてぇぇえ!!」


「高所恐怖症かい」


絶叫するカトリーナを尻目に、俺は先ほどまでいた位置を見る。


(マジかよ……ギガント過ぎだろっ)


地震のような轟音を立てながら地面が崩壊したと思うと、地面の中から巨大な甲羅が現れた。


そして、全ての体が見えてくる。


「これは……確かに討伐するとなったら金かかるわ。ガリレオのジジイ12000ギルでも安すぎだろ……」


ーーーそこには全長120~130メートルくらいのカニがいた。

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