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海賊の船長は神速のパンチを放つ

「あ、あんた……ちょっと……」


目の前で起こった出来後に店主が狼狽する。


「お、おい、サタン……。そいつは……」


カトリーナも『ヤバい』という表情で呟く。


「てめぇ……良い度胸してるじゃねぇか……」


メラメラと可視化できそうなほど闘志を燃やす男に、俺はトドメを刺した。


「うまぁーーーーーーーい!!」


俺が好きだった『天空レストラン』という番組のMC芸人のように、天空に向かって絶叫した。


その瞬間、デューの拳が俺の顔の真横に突如現れた。


慌てて真紅の瞳で状況を把握する。


(速ぇっ……)


どうやら人間離れした脚力で地を蹴り、瞬時に俺の射程内まで入ったらしい。


相当怒っていたのか、威力が出るよう腰と肩を入れたパンチを放ってきている。


恐らく普通の人間なら何かわからぬまま神速のパンチが顎に入って終わりだろう。


が、俺はその速度になんとか反応し、拳の脇を押さえて軌道を逸らす。


そして俺の顔と同じくらいのサイズだったフルーツを拳の先に置いてあげた。


「!!!」


パァァァァン!!!


全ての破片が1ミリレベルになるほど粉々になるフルーツ。


「いや、殺す気か!!」


思わずツッコんでしまったが、デューもまさか避けられるとは思っていなかったようだ。


それにしてもこの一撃の速さは一瞬時が止まったように感じるほど。


(あ……!ヤベ!)


しかし拳の軌道を逸らしたせいで、フルーツを粉砕した軌道のまま、先程のフルーツジュース屋の露天にデューの拳が命中。


轟音とともに爆煙を撒き散らして店は大破した。


「う、うわぁーーー!!」


あまりの音と粉塵に街人の悲鳴が響く。



「お、俺、知ーらねっ!」



店の責任を取りたくない俺は慌てて街の外に向かって逃げ出した。


「あの野郎……俺のマジの拳を流して……遊びやがった……」


逃げ出す俺の背中に、粉塵の中で立ち上がったデューの視線が突き刺さる。


「まさか……魔王級モンスターか……?いや、それにしては……」


何やらデューが呟くが、無視して猛ダッシュする。


「お、おい!サタン!待て!」


カトリーナも一緒についてくる。


恐らく一味だと思われているから、あそこに留まることはできなかったようだ。


「カトリーナ!とにかく走れ!!」


「わかってるよぉ~!!ってかバッドボブの船長になにしてんだお前~~!!」


どうやらあのデューとかいうやつが海賊の親分だったらしい。


「い、いや、あいつが俺のジュース取るから!!」


「そんなんでケンカすんなよぉ~!!」


俺とカトリーナは口論しながら街の外に飛び出した。


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