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ギルドの仕事で値段交渉する奴

パブに入ると、船乗りや大工といった力自慢系の輩がガヤガヤと酒を飲んでいた。


その奥に『依頼受付所』と書かれたテーブルがあり、ひとりの女性がタバコを吸いながら座っている。


俺は近づいて話しかけた。


「あのー。ここって仕事もらえるとこ?」


「…………」


女性はこちらには振り向くことすらなく、気だるそうにボードを指差した。


ボードを見ると一般人からの依頼がいくつか掲載されていた。


「どれどれ……」


今受けられる依頼は下の3つらしい。




ーーーーーーー$$$$$ーーー

①犬のお散歩(8時間)30ギル


②猫探し(成功報酬)20ギル


③ギガントクラブ狩り 8000ギル

ーーー$$$$$ーーーーーーー


「金額差激しすぎだろ」


「あーこれね。もうずっと前からあるんだよね、ギガントクラブ。誰も倒せないからさ」


「なんなのそいつ」


なんとなく想像はつくものの、一応カトリーナに聞いてみる。


「でかいカニ。プロンプニンの森にいて、そこの領主が困ってるらしい」


「やっぱりでかいカニかぁ」


「領主はその森を土地開発したいらしいんだけど、そいつがいるから無理なんだって。帝国の討伐隊を派遣すると莫大な金額がかかるらしい」


少なくとも犬、猫の依頼だと複数回こなさないとならない。


効率的にはギガントクラブ一択だった。


「莫大な金額ってどれくらいだろうな。領主と話せれば金額交渉の余地はあるかもしれない」


「初回から依頼主と金額交渉する奴なんて聞いたことないよ……」


「……よし。なぁ、店員さん。これ、依頼出してる人誰?ちょっと話しに行きたいんだけど」


「……話って?」


女店員はこちらを向かずにタバコの煙で輪っかを作りながら聞いてきた。


「これ依頼出てからだいぶ経つんでしょ。俺がやっても良いんだけど、8000ギルじゃやらねーよって話。12000ギルなら即決でやってやろうと……」


「ならやってくれ」


話の途中で、隣のカウンターで飲んでいた老紳士が話しかけてきた。


「え?」


「12000でやってくれ。私がその依頼主のガリレオだ」


老紳士は真剣な眼差しでこちらを見ていた。

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