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イライラして蹴った小石が少年に当たる

年は16〜17歳くらいだろうか。

身長は150cmくらいの小柄なやつだ。


その少年は涙目で振り向くと、大声で叫んだ。


「いってぇな!!そんなに死にてェならぶっ殺してや………る……!」


「ん?」


「……ひ、ひいっ!!お、お前は……!」


今にも掴みかかってきそうな勢いで文句を付けていたと思ったら、俺の姿を見て、いきなりビビる少年。


「悪かったって。イライラして小石を蹴ったらたまたま当たっちまったんだよ」


「こ、こっち来んな、ボケェ!!こ、このナイフがてめぇの血を吸いたがってるぜぃ!」


そう言って、ボロいナイフを構えてくる。


「おーい、少年。足震えてるぞー」


カタカタと膝を揺らしながらイキってくる少年に、俺はあくびをしながら指摘してやった。


「う、ウルセェ!武者震いだっつってんだよ、この野郎!!」


ビビり散らして、涙、鼻水、涎、目の焦点合ってない状態のオンパレード。


「ってか、何をそんなにビビってんの?俺、何もしないよ?」


「さ、さっきマルタにいた男をやったみたいに、俺を殺る気なんだろ!そ、空に打ち上げて遊んだりして!」


どうやらさっきの村で起こった騒動を外から見ていたらしい。


税収者の男との"空中座談会"も見られていたようだった。


(まぁ、現実だったらヤバい展開だけど異世界だし別にいっか)


「いや、打ち上げないから大丈夫だよ」


「ウルセェ!や、やられる前にやってやらァ!うわぁぁぁぁーー!」


少年は叫ぶと、腕を伸ばしてナイフを持ち、目を瞑りながらこちらに突進してきた。


(……めんどくせっ)


俺は一歩ズレて、足を引っ掛けてやった。


「ぶえっ!」


勢いそのままに少年は思いっきり顔面からずっこけた。


「大丈夫?」


こかしたのは俺だが、一応声をかけた。


「いってててて……」


「ん?お前……」


俺はヴァンパイアの特殊能力"真紅の瞳"で相手の体を体内までくまなく"観察"した。


真紅の瞳で観測できるのは、肉体的な情報だけでなく、心臓や血流などの動きから、相手の喜怒哀楽といった感情までわかる。


相手の鼓動が極端に早くなったり、血管が収縮していたら戦闘態勢であることがわかるし、逆に心拍数が遅かったり、副交感神経が優位になっていたら、リラックスしていることがわかる。


もちろん、どんな体型かまで。


「ひぃっ!お、俺を殺したら、必ず後悔するぞ!た、多分、俺の一族からの報復とかもあるぞ、多分!!」


だから、心拍数MAXのこいつに事実を告げた。


「"俺"ってか、お前女やん」


思わぬ俺の一言に目を丸くする少女。


「は、……は?」


「いや、お前少年じゃないじゃん」


「な、な、な、なんで……」


特に体に触れたわけでもないのに、自分の性別を当てられた"少女"はひどく困惑していた。


「いや、ごめん。"観ちゃった"」


「お、俺のどこが女っぽいっていうんだよ!ってか何でそんなあっさり見破れたんだよ!」


「だから"観ちゃった"から」


「な、なんだよ"観た"って!!このヘンタイ!!勝手にグラマラスボディ観てんじゃねーよ!!」


「もういいでしょ。……じゃ、俺は行くから。お前も気をつけてな。石ころ当てちゃってごめんねごめんね~」


俺は手をひらひらさせながら怒り狂う少女に背を向け、プニプニパンパン港へと再び歩き出した。


「ちょ、ちょっと待てやボケェ!」


「なんだよ。もう謝ったでしょーが」


俺は少女を見ると、何かを言いたそうな涙目でこちらを睨んできていた。


「ちょ……ちょっと話、付き合えよ」


「え、めんどくさいんですけど」


「ちょっとくらいいいだろ!!」


(まぁちょっとくらいいいか……)


この少女の涙と鼻水に免じて話を聞いてやることにした。


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