表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/125

周囲のレベル(剣)

「今日は剣についての授業と演習を行います。」


 今日は場所が変わって、教室から冒険者ギルドの裏にある訓練場にやってきていた。訓練場には、木剣を振るスペースはもちろん弓や魔法の訓練をするための案山子や的もおかれている。今日も他の冒険者が魔法の練習や剣の立ち合いをしている。


「まず剣の振り方の説明です。なぜ剣を振る稽古があるのか?どんな型があるのか?力の入れ方はどんな感じか?これらを意識するといいでしょう。

 まず剣を振る稽古の存在理由ですが、簡単に言うと筋力を高めるためです。剣を振るときに使う筋肉はほかの武器とも共通する部分が多いため、汎用性が高いです。魔法使い志望の人も積極的にやってみましょう。魔力切れの際には杖で戦わなくてはならないのですから。

 次に剣を振る型についてです。剣を頭の上にもっていって、振り下ろす。この時頭の上では、地面と平行になるようにして、振り下ろすときは下に行き過ぎないように止める。これを繰り返します。

最後に力の入れ方です。剣は左手で柄の下の部分を持ち、指二本分開けて右手で握る。この時は、左手に力を入れて右手は添えるだけ。このようなイメージです。では、やってみましょう」


 …なるほどぉ?毎日やっていたのは基本的なことだったのか。普段通りにすればいいだけだし楽だなあ

ブンッ、ブンッ、ブンッ、………


 あれ?周りを見るとアントン達以外はあまり剣を振ったことがないのか?シズクやヒカリよりもできていないのが多いのな。それにしてもこんなに教室に人いたっけなあ?


「おや?レオはよくできていますね。剣振ったことがあるんですか?」


「うん。毎日欠かさず剣を振ってたんだ。」


「そうですか、では今日はこれしかすることがないので、帰りたかったら先に帰ってもいいですよ。」


「ありがとう。先に帰らせてもらうよ。」


 帰る準備をしていたら例の少年ににらまれた。なんでだろ?





「おばちゃん、きたよー。」


「おや、今日は早いんだねえ?」


「剣を振る練習だったんだけど、できてたから先に帰っていいって言われたんだ。」


「そうかいそうかい、じゃあ今日も庭掃除頼んだよ。」


「はーい。」


 無心になってひたすら雑草を抜く。抜く、抜く、抜く。それにしてもふざけた成長速度だな、昨日も一昨日も庭の雑草全部抜いたのに。早く終わらせて帰ろう。






「終わったー。おばちゃん、終わったよー!」


ゴソゴソ…


「はいはい、お疲れ様。今日のお小遣いだよ。あとこれをジークに渡してくれ。」


と言って、銅貨5枚と手紙を渡された。


「おばちゃん、ジークさんと知り合いなの?」


「そうだねえ、ジークが孤児院にいるときから知っているよ。」


「そうなんだ。いつかジークさんの話を聞いてもいい?」


「いいよ。ジークがまた旅に行ってからね。」


「ありがとう。」





 孤児院につくと、ジークさんの声が聞こえてきた。


「…こでな、こうやって、やつの攻撃をいなして思いっきり足を切ってやったんだ。そして、近づいてきた首をこうよ。」


「「「「「うおぉぉぉぉー!!!すげー!!!」」」」」


 ジークさんが子供たちに自分の冒険譚を聞かせていた。子供たちの目がキラキラと輝いていた。…うん?なんか本当に輝いてるんだけど?


ゴシゴシ…、パチパチ…。


 あれ?見間違いじゃない?どうなってんの?


「あはははは!!レオの反応がかわいい!」


 こ、この声は…


「レナさんですか。びっくりしましたよ。」


「その通り~。それと、もうちょっと砕けた口調でもいいんだよ?」


「いえ、これ以上距離が近くなると危険な匂いがするので。」


「つれないなぁ~。」


「では、ちょっと剣を振ってきますね。」


「行ってらっしゃい。」





ブンッ、ブンッ、ブンッ、


「レオ!ここにいたのか。」


 アントンがアントンがこちらに向かってきていた。


「どうしたの?」


「お前が帰った後大変だったんだぞ。あの商会の息子だとかいうやつがいろんなことわめいていたぞ。やれ、あいつはよそ者どころか魔物そのものだとか、髪が黒いのも魔物だからで、だから早くころさなきゃいけないだとかな。ほかのやつらは信じてはいなさそうだったが、あれが本当に商会の息子で商会長が親ばかだったら割と大変だぞ。」


「大丈夫だよ。あいつは商会にとってお荷物みたいなものらしいから。」


「それは本当か?」


「うん。そもそも商会にとって重要な人物だったら、冒険者になったりしないだろうし。」


「まあ、そうか。明日なんか仕掛けてくるかもしれないから気をつけろよ。」


「うん、ありがとう。」







 今日は夕食の時間に間に合った。シズクとヒカリが死にそうな顔をしているのが少し気にかかった。




「さあ、昨日の続きをするか、レオ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ