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冒険者の常識

「おはようございます。」


「「「「おはようございます!」」」」


「はい、えーと今日は冒険者カードについての説明でしたね。」


 冒険者カードには所有者の情報が記されている。例えば、その人のレベルであり、使える魔法、武器などである。しかし、所有者との距離が一定以上になると、中に入っている情報が消えてしまうため、再発行が必要である。再発行はもちろん有料であり、銀貨1枚と一般人からするとかなりの高額である。


すると、茶髪の少年が


「先生、銀貨1枚ってどれくらいですか?」


と質問した。


「銀貨1枚は銅貨10枚と同じで、銅貨1枚は鉄貨10枚です。簡単に言うと、街中の依頼一つで鉄貨4枚か5枚なのでだいたい依頼200回分ぐらいです。ちなみに銀貨10枚で金貨になります。それ以上は個人の取引では使われないので、今回は省きます。では次に、依頼と冒険者のランクについて説明します。」


 冒険者のランクは上からA、B、C、D、E、の5個存在する。例外としてSランクも存在はするようだが、4つのダンジョンをすべてクリアした冒険者に与えられるものでこれまで誰もSランクに到達したものはいなかった。ランクの基準は

A…一つ以上のダンジョンを攻略した冒険者。

B…ダンジョンで一定の成果を出す。

C…商人の護衛依頼を受けられる、ダンジョンに入ることができる。

D…単独で魔物討伐依頼を受けられる。

E…街中の依頼を受けられる、もしくはCランク以上の荷物持ちとして、魔物討伐依頼に同行できる。

というようなものだ。ランクが上げるためには

E→D…依頼達成数100以上。かつ、10回以上討伐依頼に同行すること。

D→C…魔物討伐依頼達成数100以上。かつ、商人の護衛依頼についての講座を取り、合格する。

C→B…ダンジョンで一定の成果を出す。

B→A…ダンジョンを一つ攻略する。

というようなことが必要だ。

依頼に失敗した場合、失敗数1つにつき達成数5を引かれるようになっている。しかし例外もあり、事前情報と違う状況になっていた場合、依頼自体に問題がある場合は依頼失敗ではなく、取り消しという扱いになる。また、問題がありそうな依頼は受け付けないようになっているため、ほとんどない。



「…以上になります。何か質問はありますか?」


「はい!」


 先ほどと同じ少年が手を挙げている。


「何でしょうか?」


「依頼を受けるにはどこに行けばいいですか?」


「ここの隣の冒険者ギルドというところで受けることができます。テストに受かった後の話ですが。私はそこの受付として働いてます。また、この街にあるのは支部で本部は聖都にあります。たいていの街にはギルドの支部がありますので移動するときも心配する必要はありません。」


「ありがとうございます!」


「はい。ところで…」


 とそこで言葉を切り、こちらを見てニコリと微笑みながら、


「レオ君、今日はきちんと授業を聞いていましたね。」


「これから冒険者になるためには必要だと思ったからね。」


「そうですか、明日からは武器と魔法の説明と実習になります。今日のようにきちんと聞いてくださいね。」


「はいはい、わかりましたよ。」


「はい、は一回です。はぁ、まったく…仕方のない子ですね。では、今日の授業はこれで終わりです。気を付けて帰ってください。さようなら。」


「「「「さようなら」」」」


 さて、街中の雑用探しに行こうと椅子から立ち上がったその時、


「おい、待てよ」


という声が聞こえた。聞き覚えのない声だったため、スルーして帰ろうとすると


「おい、無視するな!よそ者の分際で!」


と肩につかみかかってきた。


「なんだよ?いきなりつかみかかってくるなんて。」


「フンっ、僕はこの街で一番大きい商会であるアカサ商会の息子だぞ!分をわきまえろ!」


なんだなんだ?言葉が通じているのか?まあ考える必要はないか。


「はいはい、で?何の用?」


「そんな言葉使いでいいのか?僕がパパに一言いうだけでお前のところの孤児院をつぶすことができるんだぞ。」

いやいや、無理だから、もしそんなことしようとしたらつぶれるのは商会のほうだから、とか考えながらも面倒くさいから、


「はぁ、何の用ですか?」


「フンっ、いいだろう。先生と馴れ馴れしくするのをやめろ。要件はそれだけだ。」


「はぁ?」


「だから、先生と馴れ馴れしくしゃべるのをやめろと言ってるんだ!」

え?それ僕にはどうにもできなくね?とか思ったが


「ああ、そう」


と生返事をしてしまった。するとプライドを刺激したようで、


「なんだそのふざけた返事は!もういい、明日から始まる演習でお前をボコボコにしてやる!覚えとけよ!」


と三下のような捨て台詞をはいて帰ってしまった。思えば、確かにあいつの周りには人が集まっていたようなきがする。

 やばい、急がないとまた遅刻して皿洗いをさせられる、と思い急いで教室から出た。

3人は僕が絡まれている間に雑用探しに行ってしまったようだ。あれ?僕達って幼馴染だよな?

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