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「この剣を見てみてよ。」


 孤児院に帰っていつも通り裏庭に向かったら、珍しいことに3人ともそろっていた。多分魔力循環の練習でもしていたのかな?


「おお、レオももらってきたか。」


「?みんなももらったの?」


「ああ、俺は剣と盾をもらったぞ。」


「私は攻撃魔法用の杖をもらったよ。」


「私は補助魔法用の杖をもらいました。」


 もらったものを見せながら答えてくれた。へえ、アントンの剣は僕がもらったものより、刃が厚いし重たそうだな。シズクの杖は、50㎝くらいで先のほうに何か石のようなものがついてるな。ヒカリの杖も50㎝くらいだけど、持ち手のほうに石がついてるな。


「じゃあ、明日からは魔物討伐に行けそうだね。」


「ああ、そうだな。初めてだからあまり危険なことはしないつもりだが。」


「最初は気を付けるようにってレナさんにも言われたし。」


「私もマロンさんに言われました。」


「何体か持って帰られたらいいね。夕飯が豪華になりそうだよ。」


「子供達も喜んでくれるでしょうか。」


「子供達はたくさん食べるからね。きっと喜んでくれるよ。」


「ああ、ウォロさん達の代わりに俺たちが持っていってやんないとな。」


 確かに、ジークさん達は僕のせいでこの街から去らなければならなくなったんだ。せめてできる範囲でもいいから代わりにできることをやらなければ。


「そういえば、これまで何やってたの?」


「ああ、魔力循環の練習をしてたぞ。最近ようやく2秒くらいでできるようになったが、1秒を切ることができないな。」


「私速いと10秒でできますが。遅いと20秒くらいかかりますね。」


「私はいつも15秒くらいかかるなー。」


 なるほど…。アントンは心配する必要はなさそうだけど、シズクとヒカリは5秒くらいでできるようになっていたほうが逃げるときに使えそうかな。


「レオは確か1秒かからないでできるって言ってたよな。どうやったか教えてくれないか?」


「ジークさんに教えてもらったのは、結構力尽くのやり方だったからできるかどうかはわからないけどね。ちょっと手を貸して。」


「うん?ああ…。」


「ちょっと痛いよ。」


「は?」


 アントンの手をつかむと全力で魔力を体の中で回した。………、それだけだった。


「…で、何も痛くないんだが…?」


「う~ん、ごめん。やっぱりわからないや。ジークさんに体の中の魔力を動かしてもらったんだけど、そのやり方が分かんないや。」


「なるほど、そういうことか。……、ん?今痛いって言ってたが、痛かったのか?」


「え?うん、めちゃくちゃ痛かったよ。全身筋肉痛になったんじゃないかって思ったし。」


「じゃあ、つまり痛いからと言って止めてたらダメなのか。多少の痛みは我慢しなきゃいけないってことか。」


「なるほど。つまり、()()()()痛みを感じるくらいまで、魔力を体の中で回す必要があるということですか。」


「多分、そういうことだろうね。私もやってみるよ。」


「明日から、討伐依頼を受けるからね。ほどほどにしてよ?」


「「分かっています(るよ)。」」


 二人はすぐに魔力循環の練習を始めてしまった。


「俺もやってみるよ。レオは何するんだ?」


「目を閉じた状態で周囲の状況を把握する方法を今日見つけてね。それの練習をやってみるつもりだよ。」


「そんなことができるのか?」


「うん。僕のスキルに魔力放射と魔力感知ってあったでしょ?あれを使うんだよ。さっき見たらどっちもLV1になってたし。」


「へえ。いつか教えてくれないか?」


「うん、いいよ。魔力循環とかほかのことが満足できるくらいできるようになったらいつでも言って。」


「おう、助かる。じゃあ、俺も魔力循環の練習をやってくる。」


 アントンも練習を始めたみたいだ。じゃあ、僕もやってみるか。


 目を閉じて。体の中から少しずつ外に向けて魔力を出してみる。…うんできてる。その体の中から出した魔力を把握する。…う~ん、やっぱりそこまで広い範囲はわからないな。体の周囲10㎝って感じかな。


 これは試してみないといけないな。魔力放射と魔力感知で把握してから、攻撃するって感じ?できれば不意打ちはもう気にする必要がなくなるし。

 でもそのためには魔力放射と魔力感知と身体強化の3つを同時にできないといけないな。できれば、武器強化も…、って考えると4つも同時にできなきゃいけないってことか。


 うん!先が長い!








「今日受けるのは討伐依頼だ。気を引き締めていくぞ。」


「そうだね。どんな魔物がいるのかな?食べられる部分が多い魔物だといいな。」


「それにしても、もう討伐依頼を受けられるようになるとはね。あっという間だったね。」


「そうですね。そのためにこの1年間マロンさん達に鍛えてもらったんです。」


さあ、ようやく1歩を踏み出せる。僕達の冒険がここから始まる。






「ようやくこいつを捕まえられたな。

仲間がみんな死んで私しか残っていないが、それもしょうがないか……。

最恐の魔物を手に入れることができたのがから。」


「グルアァァァッ!」

1章完結です。これから1章の修正に入ります。なので次の投稿は二日後になると思います。


2章ではレオ達が冒険者として活動します。楽しんでいただけると嬉しいです。

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