Dランク冒険者の常識 その1
昼ごはんを食べた後、先生に言われた通りに学校に向かった。
「そういえば、ステータスって隠したりする?」
「そうだな、先生の話にもよるんじゃないか?先生も多分俺たちのステータス知ってるはずだからな、隠すべきなら教えてくれるだろ。」
「まあ、そうか。」
「さっきぶりですね、四人とも。きちんと昼ご飯を食べましたか?」
「ちゃんと食べてきたよ。」
「それはいいことです。食べられるときに食べておくことは冒険者になっても重要です。さて、今回4人を呼んだのはもうわかっているでしょうが、一つ目は冒険者カードに関することです。もう一つ、Dランクに上がったので、魔物討伐を受けられるようになりますが、その時の注意点です。」
「カッコがついているスキルとか称号の話ですか?」
「そうです。最後に質問を受け付けるので今は説明を聞いてください。
基本的にHPは生命力を表していて、0になったら死んでしまいます。そしてMPが魔力量。多いほうがたくさん魔法を撃てます。最後にSPは簡単に言うとスタミナです。体を動かすと減っていきます。0になったら動きが著しく悪くなります。これらはどれであっても0になったら死に直結するので、カードを見ないでも把握できるようになるといいですね。
次に、攻撃力は剣や槍、弓などでの物理攻撃をした時の最高値になっています。魔法力は属性は問わず、魔法攻撃をした時の最高値です。物防力は物理攻撃に対する防御力です。魔防力も同じく、魔法攻撃に対する防御力です。回避力は高ければ高いほど敵の攻撃を回避できます。
最後に、スキルと称号についてです。スキルはLVが1から10まであって、レベルがだいたいの到達度になっています。称号は持っているだけで、特別な効果をもたらしてくれるものです。基本的に称号は消えたりしません。
説明は、以上です。何か質問はありますか?」
うん、たくさんあるけど、まずは、
「どうして、僕達はDランクスタート何ですか?」
アントンが質問した。
だよね。最初はEランクからスタートだって聞いてたし。
「ステータス的にも大丈夫だったからですね。あと、普通のEランク冒険者以上の街中での依頼をこなしていたからです。4人が毎日のように、街の中で雑用をこなしていたのでね。」
なるほど、確かに毎日のように雑用はこなしていたね。でも、どうしてそれを先生が知っているんだろう?
「なんでカッコがついているものがあるんですか?」
そんなことを考えていたら、アントンがほかの質問をもうしていた。まあ、確かに、どうしてカッコが部分的にあるのか。全部の所についていてもおかしくないのにどうして、ここだけについているのかがわからない。
「それは、隠せるようにするためです。他人や魔物のステータスを見ることができるスキルがあって、そのスキルの前では基本的にすべてのステータスを隠すことができません。でも部分的であれば隠しきることができることが多いです。カッコがついているのは隠しているものです。それでも、スキルレベルによっては隠しきれないことがありますが…。」
「隠せるものは変えられますか?」
「はい、冒険者ギルドにもっていけば変えることができます。」
じゃあ次に、冒険者カードを見ないでもHPとSPを把握する方法だな。MPは魔力把握で何となくわかるようになったけど、HPとSPはわからないな。
「ほかに何かありますか?」
「じゃあ、HPとSPをカードを見なくても把握出来る方法を教えてほしいです。」
「ああ、それですか。それはいくつか方法があります。一つは皆さんが持っている魔力把握と同じ要領でHPとSPを把握するスキルを獲得することです。二つ目は先ほど話したスキルで自分のステータスを見るという方法です。まあ、どちらも上位ランクの冒険者は持っていることが多いですね。」
「そのスキルを獲得する方法を教えてもらえますか?」
「それは、まだわかっていないので、教えることはできませんね。」
「そうですか…。」
マジか、
じゃあ次に称号の効果とかか。『復讐者』って言うのは何となく想像つくけど、、、
「称号の効果って何ですか?」
「称号の効果がはっきりわかっているものは少ないです。例えば、ほとんどの冒険者が持っている『~の道を進むもの』という称号はさっぱりわかっていません。皆さんが持っている『復讐者』も例外ではありません。復讐対象に対して攻撃力が増加することと、受けるダメージが軽減されることがあるということくらいでしょうか。」
なるほど。まだよくわかっていないなら、検証する必要があるな。それと最後に
「ステータスを隠す必要ってありますか?同年代よりかなり高いような感じがしたんですが。」
「そうですね。ステータスを隠す必要はないですね。だいたいDランクで中位から上位といったところなので。ただ、スキルは隠したほうがいいと思います。スキルの数がかなり多いので、変な風に目立ってしまうかもしれないですね。」
スキルの数は多いほうなのか。比べる対象がいないからよくわからないな。