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突然の宣告

「昨日の授業で魔法の授業もおしまいです。ということで、冒険者学校で教えることはすべて教えました。」


え?昨日そんなこと言ってたっけ?


「明日から皆さんは冒険者として活動することができます。これから希望者は私の所に来てください。この場で冒険者カードを渡してしまいます。」


 ちょっと待って、話についていけない。


「ちょっ、アントン。この学校っていきなり終わるの?」


「お?聞いてなかったのか。この学校で決まってることはほとんどないぞ。何しろ先生はギルドの職員だからな、この学校はギルドが暇なときしか開かれないし、優秀な人は点数が最初から何点か入った状態でスタートできるんだってよ。」


「ギルド職員が直接見てるからか。」


「そうそう、魔法と剣の授業はそれを見極めるためにギルドの訓練場で行われてたし、先生以外の職員の人も見ていたんだが気づいていなかったのか。普段だったらお前気づくだろう?」


「いやー、敵意とか殺意がないと気づけないよ。」


 ここら辺ももっと鍛えたほうがいいか。だけどどうやったら鍛えられるかな。魔物討伐依頼とか受けられるようになったら考えてみるか。


「二人とも、受け取りに行かないの?」


 シズクがヒカリと一緒にこちらに歩いてきていた。


「今行くよ。アントン、行こう。」


「そうだな。」




「先生、冒険者カードください。」


「はいはい、レオにアントン、シズクにヒカリですね。…、はいこれが4人の冒険者カードです。明日から依頼を普通に受けられますが、今日は受けられないので気を付けてくださいね、レオ。」


「どうして名指しなんですか…?」


「あなたが一番先走りそうだからです。ほかの三人も、レオが依頼を受けに行きそうになったら止めてくださいね。」


「「「はーい。」」」


 ちょっ。


「あと4人は、昼ごはんを食べ終わったら、もう一度この教室に来てください。説明しておきたいことがあります。」


 うん?何だろう。




 周りを見るとほとんど話したことはないが、同じ教室で授業を受けていた生徒が冒険者カードを見て騒いでいた。

 「おれの攻撃力35ある!。」「私の魔法力は37よ。」「僕はどっちも30より高くないな。でも剣と魔法どっちも使えるみたい。」「それより、この称号って欄何か知ってる?」


 さてさて僕はどれくらいのステータスなのかな。


名前 レオ

種族 人

ランク D

LV 1

(HP 426/426)

(MP 376/376)

(SP 385/385)

攻撃力 156

魔法力 65

(物防力 35) 

(魔防力 14)

(回避力 72)


(スキル 『片手剣 LV1』『両手剣 LV4』『火属性魔法 LV1』『水属性魔法 LV1』『風属性魔法 LV1』『身体強化魔法 LV3』『武器強化魔法 LV2』『感覚強化魔法 LV2』『魔力把握 LV2』『魔力放射 LV0』『魔力感知 LV0』『身体苦痛耐性 LV1』)


称号 (『剣の道を進むもの』『魔の道を進むもの』『復讐者』)  


 うん?周りよりも強いとは思ってたけどここまで差が出るものなのか?後でアントン達と比べて確認しなきゃいけないな。そもそも、ランクDってなんだ?最初はランクEからスタートじゃなかったっけ?ここら辺はあとで説明されるのか?それにカッコで囲われているスキルとかってなんだ?


「アントン、カード見た?」


「ああ、だけどこの話は孤児院に帰ってからにするぞ。二人ともそれでいいか?」


「うん。」


「ええ。」


「じゃあ、いったん帰るぞ。」


「ちょっと待ってください。」


 帰ろうとしたその時、後ろから声をかけられた。

そこには金髪ショートカットの少女が立っていた。


 うん。見たことない人だ。無視しよう。知らない人に声をかけられたら逃げないといけないし。そう目配せして逃げようとしたが、


「無視しないでください。」


 腕をつかまれた。どうしよう、逃げられない。しょうがない。少しだけしゃべってあげますか。


「誰?金髪の知り合いなんていないんだけど。」


「声でわかるでしょう。アリスです。」


「はあ、で何か用でもあるの?」


「はい、冒険者カードを見せてほしいです。特にシズクの。」


 絶対見せられないけど、一応聞いておきますか。


「どうして?」


「まだ、勝敗は決まってませんからね。冒険者カードに書かれているステータスで比べようと思っただけです。」


「シズクがいいって言ったらいいんじゃない?」


「え?普通に嫌なんだけど…。」


ですよね。


「どうしてですか!?私に勝ちたくないんですか?」


「いやー、正直興味ないかなー。」


「…つまり、私はあなたにとって興味を持てないほど弱いということですか?」


「いや、そうでもないんだけどね。人同士で強い弱い言っててもしょうがないでしょ?私たちの敵は魔物であって同業者じゃないんだし。」


 そうなんだよね。ほかの人と僕達が違うのは多分そこなんだと思う。生活のために冒険者になったわけじゃくて、魔物に殺された村の人達の仇を討つために冒険者になるんだ。その村の人達には僕達の家族も含まれているわけだし。


「それでも気に入らないなら、あなたの勝ちでいいんじゃない?」


「…わかりました。今はそれでいいです。次は普通に勝負してくれることを望みます。では、今日はここで失礼します。」


「じゃあね。………、じゃあ帰ろうか。」

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