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面倒な奴はうっかりさん?

 頭がガンガンするし吐き気もすごい。これが魔力切れ…?


「自分の魔力量くらい自分で管理するのは当然のことでしょう。あなたは今でもお漏らしするんですか?」


「いやっ、しない、…けど。」


「今のあなたはお漏らししてるようなものですよ。しんどいなら、休んできてはどうですか?あそこにたくさんの子供達が伸びてるでしょう。あなたの幼馴染もいるようですし。」


「そうするよ…。」


 頭痛や吐き気と戦いながら、何とかアントンの所に歩いていく。


「…よう、レオ。大丈夫か?」


 顔を青く染めたアントンが声をかけてくる。


「いや、やばいね。身体強化が暴走しかけたことがあったけど、それよりもしんどい。」


「身体強化が暴走仕掛けてことがあるのか?俺はウォロさんに絶対暴走させちゃいけないって言われて、少しずつ使う魔力を増やしていってたから、暴走することはなかったが…。まだ上限が分かっていないんだ。」


「なるほど、僕とは逆だね。僕は上限が分かってるけど、弱い身体強化はまだできないんだ。」


「ああ、じゃあこれがジークさん達の狙いってわけか。互いに教えあうことができるようにしたかったのか。」


「多分ね。ヒカリとシズクも同じ感じだろうし。」


「その通りです。私はマロンさんから魔力消費の抑え方を習いましたが、シズクは魔力消費を変えずに魔法の威力を上げる方法をレナさんから学んでいましたし。」


 ヒカリがすたすたとこちらに向かって歩いてきた。


「ヒカリも魔力切れ?」


「いえ、まだ魔力切れまではいってませんが、私の持ってる魔力のうち8割方を使ったので、終わりにしようと思っただけです。」


「へぇー。……え?自分の持つ魔力の総量とかわかるの?」


「はい。魔法使いの必須技能だとマロンさんが言っていましたよ。」


「それ、僕にも教えてくれない?身体強化がどれくらい使えるか把握するためにも使えそうだし。」


「俺も教えてほしい。頼んでいいか?」


「いいですよ。その代わり、私たちにも身体強化の魔法を教えてもらいますからね?」


「うん、いいよ。」


「もちろん、かまわない。」


「約束ですからね。」


 わあ、やることが増えてたぜ!アントン達と教えあうだけじゃなく、魔法の練習に剣も振らないといけないし。そういえば、頭痛も吐き気も割と楽になってきたな。

周りには魔力切れで青い顔をしている子供達がいる。やっぱり、魔力切れまで魔法撃っちゃうよね。残ってるのは、シズクとアリスだけっぽいね。

 ん?アリスがシズクのほうに歩いて行ってるけどどうしたんだろう?


「少しいいですか?」


「ん?どうしたの?」


「どちらのほうが強い魔法使いか知りたくないですか?残ってるのは私たちだけみたいですし。」


「えー?まあ、いいけどさ。何で勝負するの?」


「どちらが大きい火球が撃てるか、でどうでしょう?」


「あー、それは無理。」


「…どうしてですか?」


「だって、あなた的壊して怒られてたじゃない。私が本気で撃ったら的壊しちゃうし。」


「あっ!そうでした。」


「…あなた大丈夫?確か商会の所の生まれなんでしょ?」


「うっ、うるさいですよ。じゃあ、え~と、……」


「はい、今日の授業は終わりです。気を付けて帰ってくださいね。」


 タイミングよく(?)先生が号令をかけた。


「はーい、じゃあまた今度ね。」


「ちょっ、待ってくだ…。」


「レオ、アントン、ヒカリ、帰ろー!」


「はいはい、じゃあ行きますか。」


「そうだな。」


「私とシズクはいつもの革職人さんの所に雑用に行ってきます。」


「僕はいつものおばさんの所に行くよ。」


「俺は、鍛冶師のじいさんのところに行ってくるよ。」


「あれ?じゃあここで一旦解散って感じ?」


「「「そうだね(ですね)(だな)」」」


「じゃあ、ヒカリ行こー!」


「はいはい。ではまた後で、場所はレオが普段使ってる裏庭でいいですか?」


「「了解。」」






 そういえば、ヒカリが魔法を使う時に使う魔力を減らしたり、同じ魔力で威力を上げる方法があるって言ってたな。身体強化にも使えるかな。使えたら、感覚強化にも使えたりするのかな。もしそうなら、片目でも十分なくらいに見えるかな。強化の倍率も挙げられるかな。強化を使える時間も増やせるかな。

 ……試したいことがたくさんあるなあ。そのためには早くものにしないと…。


 そんなことを考えていたら、おばさんの家についた。


「おばさーん、きたよー。」


家の中に声をかける。すると中からおばさんがのそのそと出てきた。


「はいはい、きょうも元気だね。

 怪我は大丈夫かい?」


「うん。怪我は大丈夫だよ。ジークさんに聞いたの?」


「そうだよ。昨日の夕方ごろに来てね、なにがあったかを話してくれたよ。」


「じゃあ、右目のことも知ってる?」


「知ってるよ。そのうえで聞くけど、


レオ、あんたはまだ冒険者になるって言うのかい?」


 おばさんは普段の温厚な態度からは考えられないほどの威圧を放ちながら、僕に問うてきた。

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