争奪戦!
その後、ダンジョン病についてシルフィードさんに聞いてみた。
すると、快く答えてくれた。
「ダンジョン病にはいくつか特徴がありましてー、まず一つに異常なステータスですねー。
ステータスが異常に上がってー、最低でも3倍以上は確実ですねー。
なので普段であればー、ここにいる冒険者全員で対処するんですよー。
それにー、時間がかかればかかるほど強くなってしまうのでー、ソロでは絶対戦いませんー。
追加で言えば、ここから迷宮病を発症した人を出さないようにー、ここは岩山みたいなところになってるんですよー。
次にー、感情が極端になりますねー。
皆さんも見たと思いますがー、突然泣き出したりー、笑い出したりしますのでー、すぐにわかりますねー。
次目の前で迷宮病を発症した人がいたらー、すぐに助けを呼んでくださいねー。」
ということらしい。
他にも原因とかも聞いたけど、たくさん可能性があるだけでまだ確かなことは分かっていないらしい。
例えば、魔物になりかけている、とかダンジョンが弱い人を拒絶しているとかね。
で、それはいいとしてどうしようか。
この状況を。
「俺たちのレギオンに入らないか!
うちには盾役がたくさんいるからな、もっといた方が安心して攻撃ができるんじゃないか?」
「いや、私たちのよ!
支援魔法も攻撃魔法もできる子が多いから、きっとこっちに来た方がこれからいいはずよ!」
「なんだと!
魔法もいいが、やっぱり剣だろう!さっきの剣技を見なかったのか!?」
「なんですって!
あなたこそ魔法を見てなかったの?支援魔法の発動がすごい速かったわよ!」
「俺は魔法は身体強化とか以外使えないからわからん!
だが、ソフィリアさんの方が速かったんじゃないか!?」
「あのソフィリアさんの方が速かったとはいえ、それは仕方のないことでしょう!
あの人はここにいる中で唯一のAランクの冒険者なんだから!
しかもソロで!」
目の前で二人が言い合いをしている。
片方は大剣を背中に背負った大男で、もう片方は杖を腰に下げた小柄な女性だ。
しかも二人ともかなりの実力者だ。感じる闘気が段違いだ。
この二人は僕達がダンジョン棒を発症した人を殺した時にちょうど騒ぎを聞きつけて近くまで来ていたんだよね。
そういえばソフィリアさん、っていうのがさっきの人だとしたら、ソフィリアさんからは闘気というものを感じなかったな。
二人が目の前で言い争いしてるせいで僕達が身動きできない。
ただ、こちらに飛び火しないように祈るだけ。
まあ、もし何か聞かれてもアントンが答えるんだけどね。
「こうなったら、しょうがねえな。」
「ええ、仕方ないわね。」
永遠に続くと思ったやり取りが止まった。
いや、剣と魔法がどちらが強いかなんて結論が出ないと思うけどね。
そして息ぴったりに次のように宣った。
「「俺たち(私たち)のレギオンに入るよな(わよね)!?」」
はい。飛び火したー。
でも結論は決まってるけどね。
「いや、俺たちは4人でこれからもやっていくつもりです。
なので、どっちのレギオン?にも入りません。」
そうだった。レギオンってまずなんだ?
聞いたことないんだが。
「そうなのか。なら残念だな。
もし入りたくなったらいつでも言ってくれ。
席はいつでも用意してあるからな。」
「そうね。無理やり入れるのはやっぱり何か違うものね。
それに4人だけでも十分強そうね。
攻略で行き詰ったら私に声をかけなさい。
多分夜なら毎日いるから。
……ああ、一応自己紹介しておきましょうね。
私はスカーレット。レギオン、魔法の聖域のリーダーをしているわ。
よろしくね。」
ああ、そうなんだ。
名前は一応憶えておかないと。強そうだしもしかしたら相談することもあるかもしれない。
そう言い残すとスカーレットは仲間の元に戻っていった。
「おお、忘れていた。
俺も一応知っておいてもらわないとな。
デビッドだ。レギオン、剣魔の集いのリーダーだ。
よろしくな。」
デビッドも仲間がいたところに戻っていく。
ふう、ようやくひと段落ってところかな。
「なんかいろんなことが一気に起こったな。
じゃあ、情報交換の続きをするぞ。」
結局道はアントンとヒカリが把握することになった。
で、またダンジョン内の魔物は僕とシズクが倒すことに。
まあ、1層と同じだね。
でもレベルが上がらないけどいいのかな?
そう聞いたら、
「道に迷ったら全然出てこれなくなるんだぞ。
だったらレベルを上げるよりもそっちの方が重要だろ。」
と正論で返された。
まあ、あの広さで迷ったら地獄だよね。
多分死ぬまで出てこれなさそう。
「じゃあ、明日から2層の攻略を始めるぞ。」
その夜、寝る前に特剣天に向かった。
聞きたいことが増えたからね。
ダンジョン病と今の僕の症状は似ているんだよね。
それ以外にも神域とか聞きたいんだけどさ、毎回聞く暇がないんだよね。
今日はしっかり聞かないと。
明日から2層の攻略に入るんだし、できれば神域も自在に使えるようになりたいし。
年内に新作の執筆を始めようと思います。
その時はそちらの方もよろしくお願いします。