表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
115/125

マサムネとの試合

 考えろ。

マサムネにまず攻撃を当てることを考えろ。

あの目にも負えない速さで動いているマサムネに、だ。


 毎回同じところを攻撃してくるから、そこらへんにマサムネは攻撃してくる時にいるはずだ。

じゃあ、そこに攻撃できれば当てられる。

それに最近攻撃を置ける技も使えるようになった。


「……さっさと来い。」


 マサムネが再び剣を構える。

 そして、姿が消えた。


「剣聖技 夢幻一閃・囲。」


 僕の周囲に斬撃を放ち続ける。

これですぐに攻撃が飛んでくることはない。

少しでも動きが捕えられれば、攻撃できる、はずだ。


「まだ拙いな。」


ガキンッ!バシッ!!


 斬撃の壁を一瞬で突破して、僕の頭をマサムネの剣が痛打した。

嘘じゃん。


「ほら、早く立て。

お前達が生き残る唯一の方法は、私に少しでも可能性を見せることだぞ」


 ……いや、よく考えろ。

マサムネにも同じことができないはずがない。

じゃあ、どんなに攻撃を放っていたところで意味がない。

全部マサムネの放つ斬撃に相殺されてしまう。


 だったらどうすればいい?

どうすれば、マサムネの攻撃を防ぎきれる?

マサムネの攻撃を回避できる?


 ……今度は一閃にすべての斬撃を集中させてみるか。


「剣聖技 夢幻一閃・束。」


 さっき打たれたところの少し上あたりに斬撃を集中させる。

これで攻撃を少しでも遅らせることができればいいけど、多分無理。

だから、


―――前に出るしかないよね。


 マサムネの姿が消えた瞬間に前に縮地で全力で移動した。

そして、止まった瞬間にさっきまで立っていたところに向かって


「剣聖技 夢幻一閃・乱!」


斬撃を放った。

 普通の夢幻一閃よりも広範囲に斬撃を飛ばせる技で僕が立っていた付近を斬撃の嵐が襲った。

これで少しは動きが止まったはず。

 少しでもマサムネの姿が見えたら飛び出せるように備えていると、


「……多少はよくなった。が、まだまだ甘いな。」


と、後ろから声と共に木剣が飛んできた。


バシッ!


 直接木剣で殴られた。

なんで?そこには斬撃を放って置いていたはずなんだけど?

 頭の後ろに置いていたはずの斬撃が気が付いたらなくなっていた。


「……剣聖技を多少は使えるようだが、まだまだだな。

いいか?剣はもっと自由なものだぞ?

剣聖技はそれを少しだけ手助けしているに過ぎない。」


 もっと自由なもの?

なにを言ってるんだ?剣の刃以上の所に攻撃ができるだけで充分自由じゃないか。


「魔法もそうだが、剣も強さを制限しているのは常にお前達自身だ。

どっちも本来もっと自由なものだ。

もっともこれを知るのと理解するのと実践するのはすべてまったく違うことだがな。」


 制限しているのが僕達自身?

そんなの初めて聞いたぞ。

自由ってなんだ?


「さて、お話はこれまでにして次で最後にするか。

……構えろ。」


 この一回で何とかマサムネの攻撃をしのぎきって、攻撃を入れなきゃいけない。

 ……そうだ。()()()と似ているじゃないか。どこから攻撃が来るのかわからないのは。

あの時は、


―――攻撃をされる前に距離を詰めたんだ。


 マサムネの姿が消える前に、縮地でマサムネの所に飛んだ。

接近戦に持ち込んでしまえば、攻撃されるところも目の見える範囲に限定できる。

それに、体が僕の方が多少大きいからリーチの面でも有利、のはず。


「ほう。」


 まっすぐ振り下ろされた僕の木剣を少し体をそらすだけで回避したマサムネはそう言葉を漏らした。

それから激しい剣戟の音が道場に響いた。


 マサムネの攻撃は圧倒的の一言だった。

斬撃が文字通り雨のように降ってくる。

量もすごいけど、それらの威力も全部同じ。

 つまり、これらがすべて全力の攻撃っていうこと。

もしかしたら、意識的に攻撃力を落としてるのかもしれないけど。

 僕は今完全に受けに回ってしまっている。

何とか、当たりそうなものを飛ばした斬撃と木剣で受け切っている状態だ。


 これじゃ、勝てないな。

今は何とかなっているけど、いつかは必ず防ぎきれなくなる。

その前に何か手を打たないと。


 っていっても、何も思いつかない。

なにかないか?思い出せ。

 ……そういえば、シズクが僕の体に神聖付与をしてくれたな。

シズクって神聖魔法持ってたっけ?

いや、今はそこじゃない。

僕の体に付与できたっていうことは、剣にも付与できるはずだ。

しかも僕は神聖魔法のスキルを持ってる。

できないはずがないよね!


「……神聖付与。」


 ……、…………、変化がないな。

やっぱり慣れていないからか?


「……バカか、お前は。」


 その声と共に全然動いていなかったマサムネの木剣が飛んできた。

そしてそれを認識した時には


バシッ!!


僕の頭に当たっていた。

 ……速すぎでしょ。どうなってんの?


「ここじゃ魔法は使えないって最初の頃に教えてやっただろう。

まったく。」


 あ……。

そういえばそうだった。

あー、終わったか。

 魔法を使えないここじゃ、マサムネに勝てる可能性はもうないし。


「はあ、今日はもう帰れ。

これから一人呼ぶ予定だからな。」


え?なんか想像していたのとなんか違うんだけど。


「……創造神様に言うの?」


「いや、言わないが?」


「え?創造神様に危険だから報告するって言ってなかった?」


「うん?可能性がなければ、って言っただろう?

私と少しでも戦えれば、十分可能性はあるだろう。」


 ……なにそれ。

確かにそんなこと言ってた気がするけどさ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ