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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
110/125

1層攻略完了!

 大きな爆発がアシュタロトの神域内で起こった。

不思議と煙は上がっていなかったが、神域そのものを吹き飛ばす程威力は強かった。

 そしてその爆発が収まると、その場にはさっき見た少女がマサムネにおぶられていた。

もう色合いも元に戻っていて、アシュタロトの気配が消え去っていた。


 ……終わったか。

そう実感が得られた瞬間体から力が抜けた。

最初戦っていたはずのラットクイーンが神域を使い始めたところから本当に大変だった。

そういえば、星剣を使うのは2回目だけど相変わらずどうして使えたのかわからないな。

神聖魔法もなぜか使い方がいきなり分かったから、そういう感じなのかな。

でも、これがあと9回もあるのか……。


「よく頑張ったな、4人とも。

あのアシュタロト相手によく生き延びた。

あれは中身がバトルジャンキーだが、神としての格は高いほうだからな。」


 マサムネが気づいたら目の前にいた。

おぶっていた少女はどうしたんだろ?


「そうだよ。僕達も全力を出せていないとはいえ、二人で一撃で殺せないのは神でもそんなにいないんだよ。

まあだいたいマサムネが一撃でだいたい殺そうとしちゃうんだけどね。

今回は初手を布石のために使ったんだけど、わかったかな?」


 え?あれが布石のためだったの?

……意味が分からない。


「いや、わからなかった、よね?

普通に攻撃してるように見えたんだけど。」


 3人ともうんうん、とうなずいている。


「あはは、まあそうなんだけどね。

簡単に言うと、最初攻撃は斬撃だったでしょ?

あの時にアシュタロトの意識の攻撃は斬撃って印象を無理やり刻み込んだんだよ。

だから最後の攻撃も斬撃だと思ったアシュタロトは予想外の攻撃をされて対処できなかったんだよ。」


「おい、勝手にばらすな。」


 マサムネがセイメイに蹴りを入れる。

でも身長差のせいか、それがきれいにひざ裏に入った。


「いたっ。」


 がくんっ、と体勢を崩すセイメイ。

それを無視してマサムネがこちらに話しかけてくる。


「さて。レオ、今日の夜寝る前に特剣天に来い。

ヒナが怒ってるからな。

あと、アントン、だったか、も資格があるみたいだから、今日の夜呼んでやろう。」


 え?ヒナが怒ってるの?行きたくないんだけど。

と思ったけど、マサムネの笑顔がとても怖かった。


「いいな、絶対に来いよ。来なかったら強制的に呼び出すからな。

その方が怖いぞ。」


「わ、わかったよ。」


 満足げにうなずくと、今度はセイメイが話しかけてきた。


「うん、レオ君とヒカリちゃんも資格がありそうだね。

近いうちに僕の所にも招待してあげよう。」


「資格って、魔法のスキルレベルがMAXであることなの?」


「それだけではないけど、まあそれが目安かな。

アントン君はもう少しだけ魔法頑張ってみて。

そうすれば、近接時の魔法の使い方とかも教えられるからね。」


 おかしいな、僕は魔法のスキルレベルがMAXなのないはずなんだけど。

まあ、あとで確認してみればいいか。

もう鑑定するほどの気力もないよ。


 そんな完全にリラックスしている僕達に語りかける声があった。


「あははっ!やっぱり戦いは最高だな!」


 その声は今はもういないはずのアシュタロトだった。


「ああ、安心しろ。私はもうそこにはいない。

これは時間差で声を送ってるだけだ。

その星の剣神に魔法神、いつかまた戦える時が来るのを待っているぞ。

 ……ああ、一応私の方からもう手出しはしないように言っておくからもうこんなことは無くなるだろう。

だからそこの4人の人間、お前達も強くなって私の前に来い。

お前達と戦うのもまた面白そうだ。


さあ、次は戦場で会おう!あははは。」


 そう言い残してアシュタロトの声は消えた。

今のはいったい……。


「はあ、そういうことか。

バトルジャンキーのアイツらしい。


 っていうことだ。これからは普通に攻略していけばいい。

ボス戦がこんな大変なことになることはないだろう。

ボスが神域を使うこともしてこない。」


「だからこれからは実力で頑張ってね。

僕達も遠いところから応援しているよ。

っていっても会おうと思えばすぐ会えるんだけどね。


 ……さてそろそろ時間切れみたいだね。

神気も薄くなってきた。

僕達は帰るとするよ。4人もダンジョンから出たらしっかり休んでね。」


「ではな。死ぬなよ。」


 そう言い残して、マサムネとセイメイの姿が消えた。

神域も消えて、ボス部屋が元の姿に戻っていく。

……こんなにボロボロだったっけ?

なんかシャンデリアも落ちてるし、壁も部分的に焦げてたり陥没してたりして結構なボロさだ。

神域を展開してても外に被害は行くんだな。

 次からはもう少し戦う時は気を付けた方がいいかな。

まあ、今は


「……もう帰ろっか。」


疲れたから考えたくない。そっと思考を放棄して3人に声をかけた。


「ああ、大変だったな。」

「何回も死ぬかと思いました。」

「魔力も他力もすっからかんだよ。」


 よし、3人とも見て見ぬふりをしてるね。

今日はだれが何と言おうともう終わり。

帰って寝るぞー!


 ……そういえばヒナのことがあったっけ?

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