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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
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VSラットクイーン その3

 そうと決めればさっさと距離詰めちゃおう。

だって、距離があったらラットクイーンの魔法攻撃と火だるまキングの攻撃で絶対ダメージ食らっちゃうし。

距離が近かったらラットクイーンも魔法攻撃はできないでしょ。

物理だけだったら、魔力感知で何とかなるだろうし。

そうすれば、アントン達がこっちに来るまでに時間くらいなら稼げるでしょ。

 ちらっとアントン達の方を見ると、シズクとヒカリの魔法が残ってた6匹中の3匹を吹き飛ばしていた。

それも全部魔法使いの方だった。

よし、本当にあと少しだけ時間稼げば大丈夫そうだ。


「「キシャアァァァッ!!」」


 二匹が大声を上げると同時に距離を一気に詰めた。

剣に今度も炎をまとわせた状態でね。

そして、ラットキングが火だるまキングになる直前に顔面を斬りつけた。

 って、なんでこいつ後ろ足治ってんだよ。

もしかしてラットクイーンが治してるとか?

いやでも今鑑定してる暇がないからまた後でだな。


「キシャッ!?」


 僕の剣が直撃したところから火がついてラットキングのHPを削っていく。

作戦が上手くいったとホッとする暇もなく、僕に近づいてくるいくつかの塊を感知で察知した。

咄嗟にその場から離れると、さっきまで僕が立っていた場所にいくつものファイヤーボールが着弾した。

ぱっとラットクイーンの方を見ると、僕をにらみつけていた。


「キシャアァァァッ!!」


 そして大声を再び上げると、今度はウォーターボールを20個ほど発動させた。

そのうちのいくつかがラットキングの方に向かって行って、頭についた火を消していった。

残りはまた僕の方にこれまた複雑な軌道を描きながら向かってきた。

それを武器強化をしている剣で全部斬り落としていく。

剣聖技を使えるほど余裕がないからね。

 そして、全部斬り落としたのと同時くらいにラットキングが消火を終えて起き上がった。

またさっきの1対2の状態に戻ってしまった。

でも今回違うのが、


「待たせたな、レオ。ようやく片付いたぞ。」


「本当にね。回復魔法まで使ってくるとか反則でしょ。」


「鑑定しても出てきませんが、ラットクイーンも回復魔法が使えると見た方がいいでしょう。」


3人が合流できたことだね。


「じゃあ、最初の作戦通りラットキングは僕が足止めするよ。その間にラットクイーンを倒してね。」


「おう、任せろ。」


「じゃあ、私が魔法で2匹を分断しちゃうね。ちょっと待ってて。」


「では私は今のうちに支援魔法かけなおしちゃいますね。」


 僕達の体を虹色の光が包んだ。多分始まった時と同じ奴だね。

でも、そんなところを2匹が待っててくれるはずもなく、


「「キシャアァァァッ!!」」


再び大声を上げた。すると、今度はラットクイーンの後ろにはファイヤーボールとウォーターボールの二種類が10個づつ浮かんできた。ラットキングは変わらず火だるまキングになっただけだったけど。

そして、ファイヤーボールとウォーターボールが僕達の方に勢いよく飛んできた。

でも今はアントンもいるからね。


「右任せた。」


「うん。」


 左半分をアントンが盾と片手剣で斬り落とした。右半分は僕がさっきと同じように斬り落としたよ。

そして、その時に生まれた隙をついて火だるまキングがこちらに突っ込んできた。

でも、もうシズクの魔法が完成したみたいなんだよね。


「行くよっ!()()()()() ハリケーン!」


 シズクの声とともに僕達の目の前に大きな逆円錐状のつむじ風が巻き起こった。

そこに流れている風の強さが尋常じゃないことは、近くにいたから余計にわかった。

実際にそこに飛び込んだラットキングが風の力だけで持ち上がってしまっている。

おー、体中についていた火も消えちゃってるな。


「じゃあ、反対側に運んじゃうね!」


「うん!頼んだ!」


 するとそのつむじ風がラットクイーンがいないこの部屋の反対側に移動を始めた。

それを追いかけていくと、一番離れたところでそのつむじ風が消えてラットキングが落ちてきた。

一応僕がラットキングとラットクイーンの中間に立つようにしてるよ。

無視されて合流されたら意味ないからね。

じゃあ、さっきと同じように時間稼ぎをしていきますか。


「キシャアァァァッ!!」


 再び火だるまキングに戻ると、僕の方に突進してきた。

まあ、それが合流するのに一番手っ取り早いよね。させないけど。


「はあっ!」


「キシャッ!?」


 今度は、火じゃなくて風をまとわせた剣でラットキングの片目を斬りつけた。

なんでかっていうと、風の方が火よりも威力は低いけど、制御しやすいんだよね。

それに急所を狙ってるから別に攻撃力は十分以上はいらないし。

まあ、実際剣じゃなくても付与した風の刃が当たっただけで目は見えなくなるからね。

当たってないはずの攻撃が当たったことに驚いたのか、ラットキングはまとっていた炎を消して立ち止まってしまった。

 このままいけば時間稼ぎはもちろん、ラットキングを倒すこともできるな。

とか考えていたら、


「キシャアァァァッ!!」


と少し離れたところで叫び声が聞こえた。多分ラットクイーンだね。

もう倒したのかな?シズクの魔法とアントンの攻撃があればおかしくはないかな。

ならもうこっちも倒しちゃおう。

ラットキングにとどめを刺そうと近づくと、


「キ、シャアァ……。」


最後にうめき声だけ残して消滅していった。

それと同時に


「キシャアァァァ、キシャアァァァッ!!」


ラットクイーンの先ほどとはくらべものにならないほどの大声がボス部屋に響き渡った。

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