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第51話:誠一

朝倉詩遠という人が、特別な唯一になったのはいつのことだったのだろう。


きっと最初から、と僕の中の僕は答える。



何でもしてあげたい。


何でも受け入れたい。


悲しい顔は見たくない。


笑顔が見たい。


何でも話して欲しい。


何でも話したい。



そんな『重い』感情が自分の中にあるなんて思ってなかった。


もっと僕は、例えるのなら流れる雲のように軽く自由に流されるように生きているはずだった。

鎖に縛られるような、もしくは縛るようなことはしたくないと思っている、はずだった。


だから気が付かなかった、気が付こうとしなかった。

詩遠を繋ぎとめていたい、傍にずっといて欲しい、そんな思いを抱いていることに。


でも、須藤に告げられた言葉や、詩遠自身のあやふやな関係に対する不安が、僕にこの想いを気が付かせた。


そしてこの想いは、今までの人生の中で一番僕を悩ませた。




詩遠を捕まえていたい。


でも、詩遠に対して重石になりはしないだろうか?


詩遠もそれを望んでいるはず。


詩遠を理由に自分を正当化したくない。




悩んでいる僕に、詩遠は心の底から言ってくれた。


『私のことで、誠一が辛かったり苦しんだりして欲しくないよ』


その言葉で、僕は理解した。

僕と詩遠は同じように相手のことを想うあまり一歩踏み出せず、一歩踏み出せないから不安なままで過ごしているんだ。




だから、一歩踏み出す役目を、僕が引き受けよう。



僕の人生で初めての『重い』誓いを立てよう。







僕は詩遠を、永遠に愛します。







受け入れてくれるかどうかは、詩遠次第。






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