番外編3:お隣の詩遠君?
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詩遠です。
目が覚めたら、男の子になってました。
……
…………
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ちょっと、これどういうこと!?
鏡の中にいるのは女だった頃の面影のある男性。
ポーズをとってみると、鏡の中の男性も同じポーズを取った。
……マジデスカ
ふらっと気が遠くなるけど、何とか持ち直した私はまず誠一に相談することにした。
「せ、誠一! お邪魔するね!」
「あ、詩遠いらっしゃ〜い♪」
『彼女』の姿を見たとき、私は完全に硬直した。
誠一の部屋にいる、誠一そっくりの女の子が、誠一の口調で私のことを詩遠と呼んだ。
まさか……信じたくないけど……
「せ……誠一?」
「はい、渡瀬誠一です♪」
か……かわいい……じゃなくって!
「な、なんで誠一が女の子になってるの!?」
誠一が女の子だったら私の誠一と恋人になるという目標が!
あ、いま私は男の子だから大丈夫なのか?
いやいや、そういう問題じゃないって!
「何言ってるの? ボクは生まれたときから女の子じゃない、変な詩遠」
口に手を当ててくすくす笑う誠一は、どこからどう見ても女の子だった。
「そうだ、さっきクッキー焼いたんだけど詩遠も食べるよね? 紅茶もあるよ〜」
はいどうぞと差し出されたクッキーをつい手に取って一口食べてみる。
……おいしい、誠一の味だ。
そんなところから、性別が変わってもやっぱり誠一なんだなあと実感する。
「ほらほら、立ってないで座ってよ」
「あ、うん……」
クッションを勧められたのでそこに腰を落ち着かせると、誠一(女)はさも当然という様子で私の胸の中へ寄りかかるように座った。
うあ……やわらかいし何かいい匂いが……って正気に戻れ私!
「せ、せいいちさん? なんでそこに座るのでしょうか?」
「えへへ〜、いいでしょ? ボクたち恋人同士なんだし」
な
なな
なんだって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
誠一と、こここここここここ恋人!
目標達成済み!?
いやいや落ち着け私、女の子と恋人って私はそっちの趣味はないし……って私今男の子だから問題なし!?
いやでも私の好きなのは男の子の誠一で、でも女の子の誠一も捨てがたいって言うかああああ何考えてるんだ私!?
思いっきり錯乱する私を放置して、誠一(女)は「あ、そうだ」と何かを思いついたようでクッキーを口にくわえた。
そのまま私に向き直って……
「んっ(どうぞ召し上がれ♪)」
私に差し出すようにあごを持ち上げた。
……コレハナンノ据エ膳デスカ?
誠一の顔でそんなことされたら私はっ! 理性が! ええいもうどうにでもなればいい!
私は誠一(女)の肩を掴んで、ゆっくりと顔を近づけて……
「…………はっ!」
唐突に目が覚めた。
慌てて自分の体を確認すると……きちんと女の子だった。
……よ、よかった〜〜〜〜。
さすがに男として生きていく自信は無いもんね。
でも……晴れて誠一と恋人同士になれたらさっきのクッキー口移しはやろう、と固く心に決めた。
夢オチです。
性別入れ替えてもやること変わらないなぁ(汗)
読んでくださって大感謝です。
こんな作品でよければこれからもよろしくお願いします。