表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/58

第32話:散髪

「誠一、だいぶ髪伸びてない?」


詩遠に指摘されて、僕は自分の前髪を引っ張ってみた。


「んー、確かにけっこう邪魔になってきたかも」


走ったりすると目に当たって痛いんだよね。しばらく目が開けられなくなるし。

目元まで髪を伸ばしている人たちって何であれを我慢できるんだろうね?


「私が髪切ってあげようか?」


「そう? じゃあお願いしようかな」


今までやってもらったことは無いけど、詩遠は器用だし問題ないだろう……たぶん。


早速髪を切る準備を始める僕ら。

新聞紙を床に敷き詰めて、僕はシーツを巻かれて照る照る坊主状態にされる。


「お客様、本日はどんな髪型にいたしましょうか?」


詩遠がふざけてそんな事を聞いてきた。


「丸刈りでお願いします」


ヴィ〜ン


「じゃあバリカンでさくっとやっちゃおうか♪」


「すいませんごめんなさい嘘ですだから止めてください」


自分で言っておいてなんだけど丸刈りは嫌だ。


「やだなあ、冗談だよ冗談」


今の詩遠はマジだった、僕には断言できる……。

少なくとも僕の髪が詩遠に握られている間はふざけないようにしよう。


「で、どうする?」


「それじゃあ詩遠に任せるよ、僕が指示するよりはまともになるだろうし」


「了解、じっとしててね」


ちょきちょきと手際よく僕の髪を切っていく詩遠。


「なんか髪切るの慣れてない?」


「そう? 髪切るのって今日が初めてなんだけど」


……何か今、聞き逃せないことを聞いたような気がする。

僕は実験台ですか?

どうしよう、急に不安になってきた。

でも今さら不安になったって既に髪を切り始めてるんだから僕は動けないわけで。

……詩遠の器用さを信じることにしよう、うん。


――――30分後。


「終わったよ〜、さっぱりしたでしょ」


鏡で確認すると、僕の髪はけっこうさっぱりしつつきちんと整えられていた。


「よかった……まともだ、ほんとに良かった……」


「?」


詩遠が器用な子でよかったと思った日でした、まる。

ちょっと短めでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ