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4 まさかの再会

ショウとヒデとともに近くのファーストフード店に先に到着して席に着く。

どうやら、ショウの彼女も友達を連れてくることになったらしい。


あー、緊張するな。

ショウの彼女紹介とはいえ、女子が前に座って話すなんて、ほとんどないからな。

しかも、学校外で。

唯一、話したのはこの前の電車の子ぐらいで。

ああ、やっぱり、かわいかったな。


「ケン、顔がにやけているぞ」


ヒデがからかうような口調で俺に話しかける。

どうやら、あの子のことを思い出した時ににやけてしまったようだ。


「ショウの彼女を見るのが楽しみでさ」


「またまた、そんなこと言って。初恋の女の子のこと思い出して、にやけていたくせに」


「なっ、ち、ちげーよ」


図星だったので少し口調が強くなる。


「はいはい、そうですか。それで、ショウ。ショウの彼女ってどんな感じ?」


「あっ、僕に来るんだ。そうだね。多分、君たちの想像とは違う女の子だと思うよ」


「えっ、ということはショウ、ブス専!!!!」


おもわず、声のボリュームが大きくなった。


「ケン、殺されたいのか?初恋の人を聞かなくてもいいのか?」


ショウがジッと俺の方を睨んでくる。


「すまん。悪かった」


「彼女、いないからよかったけどさ。あと、僕の彼女は普通に可愛いよ。2人は俺の彼女はどんな感じの人だと思ってる?」


「俺は清楚なお嬢様かな。喋り口調は丁寧で、黒髪ロングのしっかりしてるような人」


「右に同じく」


俺もヒデと同じような感じだな。

ショウにはなんかそんな感じのしっかりしてるような人が好きそうだし。


電車で会った子、髪型は肩にかかるぐらいだったから違うけど、彼女も俺をちゃんと起こしてくれたし、しっかりしているといえば、言えそうだし。

あっ!! 髪はイメチェンで変わる!


もしかして、ショウの彼女って。


「おーい、ケン。上の空になっているみたいだけど、ケンの思い人が僕の彼女のわけないからな。2人の想像と全然違うし、あと、ケンと帰る方向違うから」


「ああ、そういえば、そうだよな。悪い」


「ケン、本当に大丈夫か?なんか、今、ケンからその女の子が消えたら何も残らない気がするんだけど」


「あっ、うん。大丈夫」


こんなテンションだとまずいよな。

深呼吸しよう。


スーーハァーーー、スーーハァーーー、


「ふう、落ち着いた」


「僕の彼女には、面白いやつらって言ってあるし、2人のことは時々、彼女にも話すからそんなに緊張しなくても大丈夫だよ。いつもの2人で十分だから」


「そうか」


なら、大丈夫かな。

ショウの友達として、変な姿は見られないようにと思ってたけど。


でも、ガチで気持ち悪いや怖いと思われる評価をされないように気をつけよう。

ただでさえ、顔が少し怖いんだし。


「ショウは彼女いるし、ケンも好きな子できたし、俺、その友達にアタックしてみようかな」


「ヒーーデーー?」


「ジョーク、ジョーク。そんなことで彼女を作ったりしないから」


「あっ、いたいた!!ショウ!!!」 


ショウを呼ぶ声がする。


声がするほうを見ると、同じ学校の制服の女の子がハンバーガーが乗ったお盆を持って、俺たちの座っている席の方に走ってきた。


髪は彼女も肩までだけど、初恋の彼女より、外側にカーブしていて、少し茶色っぽくなっている。


「そんなに急がなくても大丈夫だよ。飲み物とかこぼすから」


「大丈夫、大丈夫。このくらい普通だって」


「それでも心配するよ」


「ありがとう。やっぱり、ショウは優しいね」


「これくらい、彼氏なら普通だって」


たしかに、ショウの言う通り、清楚系というよりは元気で明るい女の子だな。

ショウって、こんな感じの子が好きだったんだ。


あと、見せつけてくれますな。


「あっ、はじめまして。翔悟の彼女の広瀬(ひろせ) (かえで)です。これからよろしくお願いします。お2人のことは翔悟からよく聞いています」


「よろしく!広瀬さん」


「こちらこそよろしく、広瀬さん」


でも、礼儀はちゃんとしている子なんだ。やっぱり、ショウはいい人捕まえたな。


「それで、楓。楓の友達は?」


「あっ、もらうのが少し遅かったから。もうすぐ、来るよ。あっ、いた。芽衣、こっちこっち!!」


広瀬さんの友達がゆっくりと歩いてくる。


あれ?彼女って?


「楓、先に行かないでください。私には楓の彼氏が誰かわからないんですから」


「ごめん、芽衣。それで、彼が私の彼氏の翔悟で、こっちの2人が翔悟の友達」


彼女が俺たちを見たとき、この場で始めて彼女と目があった。


「あっ」


「えっ‥‥」


目があって、その反応もあって、間違いない。間違うはずがない。


俺の目の前に昨日、会って、初恋してしまった彼女がそこにはいた。

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