教えて、ライトマン!
拙い文章ですが、よろしくお願い致します。
「転校初日で授業をサボるとは、感心しないなぁ」
僕の前でティーカップを啜りながら、ライトマンは呟いた。
その顔と言えば、悪戯っぽく笑っている。
「あれが授業? ただの与太話を聞くためにわざわざ戻った訳じゃないぞ、ライトマン」
僕も彼に倣ってティーカップを啜る。
うん、芳醇でありながら、さわやかな舌触り。
ライトマン、知らない間にお茶に目覚めたか?
「そう言うな、彼らもまぁ、必死なんだよ」
「あれで? あのミハエルはさっさとクビにしたほうがいいと思うぞ。魔族は闇属性だから光魔法で対処可能なんて、時代遅れもいいところだ」
「そうだな」
僕の言葉に何も争わず、ライトマンはまたティーカップを啜った。
「まぁ、いいや。それよりライトマン。本当に約束は守ってくれるんだよな?」
「ん? どうした?」
「確認だよ。本当にこの学院の地下にある迷宮を探らせてくれるのかと思って、ね」
僕がそう言って目を細めた。
なんせ、ライトマンは昔から約束はするものの、それを守ったことがあるのは数える程度。
そう言った意味では、信用できるかどうかはちと厳しい。
それが僕のライトマンに対する評価の一つ。
約束するとは言われたものの、昔を知ってるからいまいち信憑性にかけるんだよなー。
ところが、ライトマンは肩を震わせて笑い始めた。
「はっはっは! 心配するな、エル! 私とお前の仲だろう。心配するな、約束は守る」
そう言い切った。
なら、仕方ない。
いざとなれば自分で動けばいい。
「……そうか。ならいい」
「それを確認するために授業をサボったのか?」
「……いや」
僕はもう一度ティーカップを啜ると、静かにそれを置いた。
「情報が欲しい」
「情報? 何の?」
「この学院の今を知るために、ある程度の情報が必要だ。僕はもう、百年出入りしてないんだから」
「……ふむ」
僕がそう言うと、ライトマンは顎に手を添えて視線を外した。
相変わらずだな、そのくせ。
変わってないね、ライトマン。
「心当たりがある」
「心当たり? どんな?」
「やけに情報が集まる場所があってな」
「場所?」
「場所と言うか……、人間だ。生徒なんだがな……」
「どこに行けば会える?」
僕の言葉にライトマンはフッと笑った。
「そう急ぐな。まずは友達を作れ」
クッソ!
ライトマンめ、いつもこうだ!
肝心な部分になると、こうして話をはぐらかす!
ほんと、相変わらずだな!
僕はティーカップを乱暴に置いた。
カチャンと鳴って、カップの縁で暴れたお茶がテーブルに落ちてしまった。
「もういい!」
僕は声を荒げて立ち上がり、ライトマンに吠えた。
「お前のこと、つるっぱげってバラしてやる!」
「ちょ、ちょっと待て! エル!」
ライトマンは慌てて立ち上がるがもう遅い。
僕はその場から転移魔法で立ち去ってやった。
再度姿を現したのは、薬品の匂いが漂う室内で、僕の周りはカーテンで囲まれている。
しまった!
ついイライラして、転移先の指定をしていなかった。
まぁ、いいや。
転移魔法とは言え、たいして魔力を使ってないからそう遠くには行けないはず。
おそらく学院内のどこかではあるだろうし。
そう考えながらカーテンを潜ると……
「あら? お客さんかしら?」
豊かなブランドの髪をなびかせながら、白衣の美女が椅子に足を組んで座っていた……
僕はどこに飛んできたのだろうか?
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