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僕はリア充になれますか?(なれません)

「あのね…浩史くん」

一学期の期末テスト終了後の事だった。空は夕暮れで、太陽の光が少し遠くに見えるビルのガラスに反射して少し眩しい。俺は目の前で下を向いてもじもじしている鈴木さんにこの何かあると思わせる校舎裏に呼び出された。校舎裏って言うくらいだから、一瞬だけもしかして…と考えたがその答えはすぐに取り消された。

「私…ね」

俺は正直この先の発言は目に見えてる。

残念ながら俺には恋愛フラグというものは存在しない。ラブコメあるあるの鈍感系とかそういうのではなく、本当に恋に関して俺は残念としか言いようがないのだ。幼稚園の頃から何かというと理由をつけてフラれてきた俺にはそういった類いのものは有り得ないと熟知してるつもりだ。

「浩史くんのことがね」

どうせ大したことねぇんだろ?

「浩史くんのことが好きなんです!」

ほーらやっぱ…り?

さっきまで全くなかった風がこの時だけ少し涼しい風を送ってきて彼女の長い髪を少しなびかせた。

「…えっ?」



1day 告白←残念な


ちょちょちょちょちょちょちょちちょちょちょちょちょちょちょちょ。ちょっとまて、今あいつなんて言った?好き…?好きってなんだ?すき焼きの仲間か?ってそんなのあるかい!…何1人でボケツッコミやってるんだ俺…。口をあんぐりと開けて呆然としている俺とは対照に彼女の方は俺の方をじっと見つめて動かない。俺の回答を待っているのだろうか。正直なところ鈴木佳代といったら学年美少女ランキング(非公式)では、トップ3に入るくらい可愛いしイメージは清楚系かと思うけど実はとても明るくてどんな人とも仲良くなる。そんなタイプの人だ。同じクラスになって、全く話さない人ではなかったけれど、まさか告白されるとは…。もちろん俺としては即答でOKしたいんだけど。何かあるとしか思えないんだよなぁ。経験上「嘘告でしたーw」とか「ドッキリ大成功ww」とかを想像してしまう自分が嫌になる。でも、ここでうやむやにするのも鈴木さんに申し訳ない。よし!

「あ…あのぅ…鈴木さん」

俺の声に反応して少しビクッとした鈴木さんは一旦離した視線をまた元に戻した。

「はい、浩史くん」

「その…無理しなくていいんだよ?」

「無理…ですか?なんの話です?」

「ほら、周りに人がいてさ、看板持ってドッキリでしたーとか」

「そ、そんな訳ないじゃないですか!これは正真正銘の告白ですよ!」

…これは、もしかして本当に!

「そ、それならこんな俺でもよければこちらこそよろしくお願いします」

次の瞬間、パーンという破裂音と共に飛んできた紙のテープが俺の顔に当たる。そして、後ろに隠し持ってたのだろう看板を俺に見せつけて

「ドッキリ大成功!ww」

…テッテレーン。


って何悪いパターンのシュミレーションしてるんだよ!よし、今度こそ。

「あの、鈴木さん」

俺の声に反応して少しビクッとした鈴木さんは一旦離した視線をまた元に戻した。

「はい、浩史くん」

「俺たちまだ同じクラスになってから半年くらいしかたってないよね?」

鈴木さんがぐっと顔を俺に近づけた。

「そうですね。でも、浩史くんに対する気持ちは本物ですよ」

「…。」

やっぱりこれ、本当の告白なんじゃないのか?これ、OKしてイイヤツじゃないかなぁ?この時俺の脳内に天使と悪魔が現れた。

「なあなあ、浩史付き合っちゃえよ!大丈夫だって今回は行けるよ、…多分」

「落ち着きなさい浩史、冷静に考えるのです。これまでの経験上この手はドッキリ大成功とかでしょう。また悲しい思いをする前にきっぱりと断るのです」

「当たって砕けろ、浩史!」

「きっぱりと断ち切りなさい、浩史!そして彼女のメンタルがボロボロになるまでけなし倒してしまいなさい!」

「えっ…さすがにそれはやりすぎじゃね?」

「いいえ、このくらいはしなくては思いを断ち切ることは出来ないでしょう」

「浩史も流石にそれはやりすぎだと思うよなぁ?」

すまんが両方全く参考にならなかったよ。

「「あぅ…。」」

ボンッとふたりが俺の脳内から消えた。

この手はきっと新しいパターンだ。嘘告に近いがこれはもっと規模の大きいものかもしれない…。冷静に考えてみろ。トップ3だぞ?恋愛に関しては俺とは皆無だろ、絶対に。

色々考えて少し落ち着くために視線を腕の時計に落とした。時刻は、5時46分…!しまった、今日はバイトが入ってるんだった!

「その…鈴木さん。申し訳ないんですけどちょっとバイトが入ってまして、返答はまた明日でもいいですか?」

「えっ!バイト!それはいけませんね。時間を取らせてしまって申し訳ないです。早く行ってきてください」

「ほんとにすいません!」

俺は6時から開始のバイト先に急いで向かった。正直いいタイミングだったと思う。ここでゆっくり状況を整理して明日答えられるのだから。

走りながら後ろを振り返ると鈴木さんが手を振りながら、また明日学校で会おーねー!と言ってきたので俺も手を振り返した。

その後時間に遅れて店長にこっぴどく叱られたことは言うまでもないが、俺の頭の中は鈴木さんの事でいっぱいだった。って俺は変態か!


その日の夜。家のドアを開けるとリビングからヅカヅカと親父が俺に詰め寄ってきた。

つい4~5時間前の鈴木さんの時の感じとはまた違った意味でドキドキしている。

「おい…浩史」

「な、何でしょうか?」

「お前…またバイトか?」

「そ、そうだけど?」

今度は家族に聞かれないように小声で俺に耳打ちした。

「こんな時間までバイトって、遅すぎやしねぇか?まさかお前…バイト帰りに怪しい女とイチャついてるんじゃ…」

ちょ、何言ってんだこいつは!

「はぁ?んなわけねぇだろ。レストランだよ!ファミリーレストラン!仕事仕事でストレス貯まるのはわかるけど、俺にそんななまはげみたいな顔して変な質問すんじゃねぇよ!」

「ならいいんだが…その、もしお願いできるならバイト先の可愛い子紹介してくれねぇか?」

と少々気味悪いが手を合わせてお願いのポーズをしてきた。

「あら?帰ってたの?浩史」

「ただいま母さん」

「ご飯できてるから食べちゃってね〜」

「分かった」

「あれぇ?お父さんスルー?」

俺はそのまま玄関に親父を放置してリビングへと向かった。

食事をとって、風呂に入ったあと俺は階段を上がって自分の部屋へと向かった。部屋に入るとそのままベッドにダイブする。正直、今でも信じられない。本当の告白されたことなんで1度もない俺に彼女ができるなんて、家の人は許可しているのだろうか…。家の人…まさか!鈴木さんは人には言えない家の事情で仕方なく俺を選んだのかも、いやそうに違いない。少々気が動転しすぎていると自分でもわかる。ただ、自分にもこんなふうに恋で悩める日が来るんだと思うと何故かとても嬉しく感じた。とりあえず明日はしっかりと鈴木さんの気持ちを理解して、一緒に解決をしよう。そしてそのまま俺はそっと目を閉じて眠った。月明かりに照らされたデジタル時計は午前0時ちょうどを指していた。


次回 2day 告白←after



あとがき


本作である「僕はリア充になれますか?」を

読んでいただき誠にありがとうございます!

実は今作が(わたくし)の初投稿作品となっていまして、拙い文章で読みにくかったりよくわからない表現などがあったことをここで謝罪させていただきます。

また、投稿は不定期です。あらかじめご了承下さい。

最後に、作品に対するコメントお待ちしてます。ここが面白かったでもよし。ここがつまらなかったでもよし。作者への質問でもよし。(答えられる範囲になりますが)ただし、ほかの人が見て傷つくコメントは控えましょう。

それでは、堅苦しく無駄に長いあとがきに付き合っていただきありがとうございました。また次のお話でお会いしましょう!

※タイトルの()の部分は毎回変わります。

本文の方にあとがきを書いてしまいました…。すいません、初投稿なもので…。次回からはこちらに書かせてもらいます。良かったら暇潰しに私のつまらないお話を聞いてあげて下さい(笑)

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