どうしてこうなった…
お楽しみいただければ幸いです。
「キュピィ!」
「どうしてこうなった…」
今、おらの前には一匹のスライムがすり寄ってきている。
~遡ること数時間前~
ポカポカと地面が温かくなる朝頃
「今日の修行は御主の弟に集中する、よって御主は警備班に入り警備を行うことを今日の修行とする!」
「はい師匠!」
師匠との修行で言い訳をしない事を学んだおらは目を輝かせながら身体を前後に揺らしている弟を横目に走りだし、途中で反転して。
「師匠!警備班の場所ってどこですか?」
「…炎よ我が手に そのまままっすぐじゃ馬鹿者ー!」
「はぃぃぃぃぃぃ!」
まだ少し熱い背中を擦りながら師匠の指した方向へ進むとおばちゃんとボロボロの剣を持ったお兄ちゃんがいた。おばちゃんとはおらの右横の家に住む緑色だ、お兄ちゃんとは前にボロボロの剣を持っていた緑色でお兄ちゃん1が2いる、今、目の前にいるのは1の方のお兄ちゃんだ。
お兄ちゃんたまに父さんと戦っている時に加勢しに来る父さん側に…で、でもいつもは優しいお兄ちゃんだ。
「坊主どうした?」
「修行しにきた!」
「そうういえば村長そんなこと言ってたなよし一丁やってやるか!」
「何かってに決めてんだい!ゴツン」
「頭がぁぁ」
コントの様な会話を繰り広げお兄ちゃんが転げ回るのを唖然と見ているおらを知ってか知らずかおばちゃんが続ける。
「よく来たね、この班に入ったからには厳しく教えてあげるから覚悟しなさいな!」
「は、はい!」
「今日は何か起こる気がするからね」
「?」
「本当か母ちゃん?」
「嘘なんかついてどうする勘だがね」
いつの間にか復活していたお兄ちゃんが真剣な表情で聞き返しおらの耳元でお兄ちゃんが教えてくれる。そんなことより「母ちゃん」と言う部分に驚いていたおらだかお兄ちゃんが言うにはおばちゃんの勘はよく当たるらしい。
「気を引き締めて行くよ!」
「おう!」
「は、はい!」
~数時間後~
陽が落ち夕暮れ頃にアイツはやって来た。
何も起きなかったので気を抜いていた、それが失敗だった。
気を抜かず周囲を警戒しているおばちゃんとお兄ちゃんを見ているとアイツは音をたてずに這い寄ってくる。
おらが手を伸ばせば届く距離になってようやく気付くだがもう遅い、少し大きくなったかと思うとソイツは飛びあがりおらを包み込む様な歪な円形に広がりながら落ちてくる。
声をあげる暇もなくおばちゃん達には伝えようとアイツが落ちてくるなか顔を向けるとお兄ちゃんを先頭におばちゃんが走ってくるのが見える。
薄れていく視界を根性でなんとかしようとするも無駄なんでも根性でなんなとかなるんじゃと無駄なことを考えながら意識を失う。
目が覚めると冒頭に戻るわけだか、おらどうすればいいのかな?
珍しく最後に「目が覚める」が来ました。
あと、何故か勘がよく当たる人っていますよね、わりと真面目にそういう能力とかあるのだろうか…よくお母さんに隠し事出来ないみたいなこと言いますよね、お母さんになるには勘がよく当たる能力が必要なんですかね。(適当)