~プロローグ~洞窟
まだ見ぬ住みかにゴブリン達は動き出していたスライムと師匠とおらを先頭に女、子供、負傷者を守る形で戦える者達が囲み進んで行く。師匠達の話し合いの結果、村の場所がバレていた以上もう安全な場所ではないので住みかを変える事に決まったらしい。
「スライムが地図になったんですか?」
「そうじゃ、このスライムは本当に器用じゃのう」
「ピギュ!」
褒めて!と言わんばかりに嬉しそうな声を上げるスライムかわいい。スライムを撫で回しながら考える、正直おらもスライムが何者なのか分からない、知っている事はかなり強い事とかわいい事、そうだ話せるんだから聞けばいいじゃないか!
「スライムって何処から来たの?」
『洞窟』
「何でおらについてくるの?」
『面白い 楽しい 嫌?』
「そんな事ない嬉しいよでも急に拐われた時は怖かったから何か目的があったのかなって」
『一人 寂しかった 今 いっぱい!』
ピゲーピゲーと笑い声?を上げるスライム笑い声気持ち悪いな…
気持ちが伝わったのか熱烈なビンタを貰いました、拗ねたスライムが飛び上がりおらの頭に着地する。スライムの定位置ひんやりして気持ちいいな。
~数十分後~
「ピギュ~」『着いた~』
「師匠着いたみたいです」
「ほう?じゃが何もないがこれはどういう事じゃ?」
怪しい瞳でスライムを睨む師匠その時スライムがおらの頭から高く飛び上がると空中で大きくなりながら落ちてくる。誰かが「逃げろ!」と叫び皆が散るとスライムが巨木程の大きさで落ちてくる。ダンッ!と轟音が響きバサバサバサと鳥が飛び立ち風圧で木々が騒ぐ。
轟音の反響が収まり舞った塵が静かになるとそこには縦に空洞が現れていた。
『スライムー生きてるー?』
っと念話をスライムに送る。
『出来た!』
スライムが穴から元気に飛び出てくる。
「な、なんじゃこれは…」
『洞窟!家!』
「洞窟、家って言ってます」
「ふ、ふむ中々豪快な帰宅じゃな」
若干震えた声の師匠、それが少しおかしくて吹き出すと案の定あっちぃぃぃされました。回りがガヤガヤとしている中一通り話が纏まり洞窟内に入ることになる。中を覗くと底は暗く何も見えずスライム曰くどこら辺にあったか忘れたから大体の位置を掘ったらしい、掘る威力じゃないと思うよスライム…
「底が見えぬが大丈夫なのか?」
「ギュ!」
スライムが僕が行くよ!と一人で飛び込む底に着いたのかビチャと微かに聞こえて来た。
「ちょっと待っててってスライムが言ってる」
「遠くからでも念話とやらは声が届くのかの?」
「おらもよく分かってないけどしっかり聞こえるよでもおらからは遠くだと伝えにくいからスライムが凄いんだと思う」
「やはりあのスライムとやらは特殊じゃのう?」
そうこう師匠と雑談しているとスライムがまた穴から飛び出してきた、念話で『いくよ!』とだけ聞こえると急に目の前は洞窟だった。師匠が小さな声で吐くしかし洞窟内の音の反響で皆にはしっかり伝わっていた。
「ダン…ジョン…」
ざわざわと周りがしだす中ッピ!っと元気なスライムの声が響きおらの頭の中に機械音が響く。
『生息地に設定しますか? はい いいえ 』
その中、スライムの脳内にも機械音が届いていた。
『ジェリートラフィス、マスター登録完了しました。指示をお願いします』
言うまでもなく何も理解してないスライムの目と頭上に?が浮かんでいた。