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モンスターも大変なんです  作者: さかな
ゴブリン編 ~修行~
13/21

限界


 ~冒険者視点~



「おいブリック本当にあってんだろうな?」

「当たり前だろ?ギルド情報に間違いは無い」

「ほんとにぃ?まだつかないのぉ?」

「リリー我慢しなさい」

「何よメニー!」


 言い合う四人は冒険者。


 剣士のニル、荒っぽい口調だが仲間思いでリーダーをしている。


 戦士のブリック、調べるのが好きで学者に成りたかったが大金が掛かるのを知って金を稼ぐ為に冒険者になった。


 魔法使いのリリー、馬鹿っ娘強がっているが実はビビり自分では隠し通してると思ってるが皆知っている。メニーは妹


 短剣使いのメニー、冷静沈着で困った時のお姉さん。解体で短剣を使っていたらスキルを覚えたのでそのまま武器として使っている。リリーは姉


 四人は鉄級冒険者で冒険者初心者の上、冒険者見習い程度の強さだ、それなりに頑張っており「翠の風」として日々依頼をこなしている。

 今日もゴブリンの間引きの依頼を受け現在ゴブリン村に向かっている。


「待て、そろそろ集落に近付く…気を引き締めろ」

「おう」「はい」「はーい!」



 その時。



 ~ゴブリン視点~



「まずは罠に嵌めるぞ」

「俺が囮になる坊主罠と冒険者の位置を教えてくれ」

「分かった」


 着々と時が進む。


 お兄ちゃんは武器の手入れ今回は狩りではない、生死を賭けた戦いだ。

 刃に毒を塗り込むここら一帯に致死量の毒無い、だから即効性の麻痺毒を使うらしい。


 父さんは黙って座り込み盾を片手に目を瞑っている。


 来た。


「来ました」

「了解」


…5 待て…そろそ


…4 集落に近付く


…3 


…2 気を引き締め


…1 おう はい はーい




「今だ」



ガサガサガサ



「奇襲だ!数は3…いや4!」


 言葉が分かる。


「いつもので行くぞ!」


 お兄ちゃんが逃げるまずは罠に嵌める事だ。


「逃がすな、追え!」

「待ってそっちに「うわぁ!?」罠が」


「「「よし!行くぞ!」」」


「クソッすまねぇ!」

「いつ聞いても気持ち悪い笑い方ね、風よ刃となりて敵を切り裂け!」


 風が吹く、兄ちゃんが剣で防ごうと構え、宙に浮く。

 ブンッと風を切る音が鳴り剣が斜めに斬れ、兄ちゃんの胸に斜めに切れ込みが入り赤い血が垂れる。


「あれ?おっしぃー」

 

 既に詠唱は終わっている。


「なっ!?後ろから!?」

「ファイアーボール…いや、爆発魔法!?」

「リリー!」

「了解!いっくよぉー!」


 魔法と魔法のぶつかり合い。


「無理だった、か…」


 流石は冒険者、あれは師匠の人生最高の魔法だろう。


 防がれた。


「あっぶなかったぁ!」

「反撃開始だ!」


「逃げろ!」


 合図だ、負けた。

 4匹は知っていた。

 我々は弱いだから数で知恵で罠で対抗する。

 それが通用しなかったら?


 師匠が投げ飛ばされ兄ちゃん達の前で転がる。


「見つけた…お前らだ」


 父さんが前に出る。


「無理だ逃げろ!」


 その目は恐ろしいほどの怒気と力強く殺気を。


「殺す」


 いつなら、軽く、薄く、戯言程度で受け流すそれが。


 今は執拗に聴こえた。

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