始まり①
初めて書いた小説ですので誤字脱字が多く読みにくいかもしれませんが、多くの方に読んでもらえるとありがたいです。感想を書いてくださると幸いです。
「どこだここ」
起きたら砂浜にいた。まだ薄暗く、日の出までまだありそうだ。
周りを見渡してもハッキリ見えないが、近くに海があり人気はない。
最後の記憶は、自分の寝室で眠りについたところで、砂浜にいる理由が全く思い浮かばない。
体は濡れていないし、どこも痛みはない。
誰かに運ばれたとしか考えられないが……
だが俺の家から1番近い海まででも車で3時間はかかる。
しかも俺の知ってる砂浜ではなく、おそらく初めての場所だ。
まあ、考えてもしょうがないので明るくなるまで近くを散策する事にした。
何せ、見上げれば綺麗な星空が広がっており、聞こえるのは海の波の音ぐらいだ。
いつもは、車のエンジン音や工事の雑音。
こんな落ち着ける場所は久しぶりで、なかなかこの現状に満足している。
ま、今日は学校には行けないだろうけど…
後で誰かに携帯電話でも借りて、爺ちゃんに連絡して迎えに来てもらうか。
とりあえず海沿いをひたすら歩くことにした。
俺は生まれつき両親がいない。物心ついた頃から爺ちゃんと2人暮らしだ。
小さい時、爺ちゃんに両親のことを聞いたことがあるが、何て言っていたか覚えていない。
ただ、大声で泣くじゃくったことだけは覚えている。
それ以来両親の話はしていないが、今さら知りたいとも思わない。
どうせ、育てる余裕がなかった。とか、もともと子供が好きではない。とか、ろくでもない理由だと思っているからだ。
ああ、でもここは何て素晴らしい所なんだと思った。
もう違う世界なんじゃないかと思うぐらいに。
そうなことを考えて歩いていると、少し明るくなり、視界が広がるのが分かる。
前方に目を向けると、海の方をずっと見ている人がいるように見えた。
「あのー!」
と大きな声で話しかけて近ずく。
すると破けた服をきた女性が立っていた。
「あのー、ここどこですかね?今迷子なんですよ」
「……」
なんだ?無愛想な人だな。
「人間……」
!?え?人間!?
次の瞬間、殺気のようなものを感じ、とっさに両腕で顔を守ろうとするが両腕を掴まれる。
「まさかこんな所に人間がいるなんて」
凄い力で掴まれている…骨が折れそうなくらいに。
そしてゆっくり俺の首筋に噛み付いた。
痛い!
「あああああああああーーーーーーーーーー」
とてつもなく痛い!普通の歯ではなく、鋭く尖った牙で噛まれている感じだ。
意識がもうろうとしてきた。やばい………痛みも…無くなって………きた……………
ヒュッンと言う音と共に噛み付いて来た男は一瞬で離れたのが分かる。
…………なん……だ?
体の感覚が麻痺し、倒れこむ。
何か話し声が聞こえるがハッキリ聞き取れない。
視界はぼやけており、思考も回らなくなっている。
「もう大丈夫だ!………………!」
そう聞こえ俺は意識を失った。