フィリアとの出逢い
..俺は何故この娘に話しかけてしまったのだろう。
もうあれから2時間経っている。この娘に話しかけてしまってから...。
これはついさっき、2時間前の話だ。
俺は酒場の隅に独りで寂しそうに居座っている女の娘に話しかけてしまった。俺はこの娘に「なんかあったのか?悩みとかだったら聞くぞ?」と言った。...俺はそこが失敗だったなと、マジで後悔した。
「んぅ~っ?アンタなかなかかっこいいじゃん!どお?私とパーティー組まなぁ〜い?」と言ってきた。俺はコイツに話しかけたのは失敗だったなと思った。俺が想像してたのと違う、ましてやただの酔っ払いだったからだ。
「てかアンタ誰?」
「それはこっちが聞きたい。」
関わると面倒くさそうなので、適当に返事を返したら意外にも真面目な返答をしてきた。
「ぇ~...わたし〜?私はフィリアよぉ〜...」
「あ〜そーかそ〜か。じゃあ今回はこれで。また会った時はよろしくなー」
と、俺はこの場を逃げようとしたが、そう簡単にはいかなかった。
「あっ、女の子に名前だけ言わせてあなたは何にも言わない〜?それじゃあそっちはだだの変態になっちゃうわよ〜(笑)」
流石に俺はこの自分勝手さにキレそうになったがここは我慢して、
「...じゃあ俺の名前を言えばいいのか?」
と、落ち着いて質問した。フィリアは無言でうなづいたので、俺はしかたないので名前ぐらいは名乗ることにした。
「俺の名前は剣崎刀矢だ。日本出身の...ゲーマーだ。」
...俺はこれで終わりにしてくれないか・・・と思ったが、案の定簡単にはいかない。俺は自分の名前を堂々と名乗ったのはいいが、フィリアの耳には全く入っていないようだ。なぜならフィリアはこの一瞬で、眠ってしまっていたのだ。俺はこのまま逃げようと思ったが、もう一度フィリアの顔を見てみたら、眠っているわけではないということに気付いた。俺はただ酔っ払って倒れた奴なんてほっとけばいいと思ったが、そこでもまた、思いどうりにいかない。俺がフィリアの近くから逃げようした時、今度はギルドの職員に
「すいません」
と声をかけられた。俺は自分の心の中で、
「お!?早速この俺の力を借りたいという依頼でもきたのか!?」
と胸を踊らせていたが、全く違う内容だった。どうやらギルドの職員は俺がこの娘の連れだと思われたらしい。俺はコイツの連れではないと、抗議しようかと考えたがここでギルドの職員から評判を落とされてはマズイ、と思ったのでここは素直に職員の言う事を聞くことにした。 ギルドの職員は俺に
「この娘を連れて帰ってくれ」
と言われてしまってどうしようかとしばらくたじろいだが、ここはしょうがないので俺の家に泊めてあげることにした。
そして、今に至る。
今は、俺のベッドで寝かせているがフィリアが起きたとき、どのような誤解を招くかもわからない。俺はもし、今ここでフィリアが起きてきたらどうしようと思ったが、そんなことなんてないだろうと思った時だ、最悪の事件が起きた。
...フィリアが起きてしまったのだ。